開催予定だった「うらやすドキュメンタリー映画祭2011」は地震でスプリンクラーなどが故障したため、中止となった。参加を予定していた原村監督から情報が伝えられた。以下は中止前に予定されていた内容である。
3月20日(日)と21日(月・祝)に「第一回うらやすドキュメンタリー映画祭2011」が開催される。千葉県浦安で初めて開催される映画祭で、テーマは持続可能な社会だ。監督らによるパネル討論もある。 開催場所は浦安市民プラザWAVE101大・中・小ホール。 (JR浦安駅前ショッパーズプラザ新浦安4階)
上映される映画は以下の通り。映画の紹介文章は主催「浦安ドキュメンタリーオフィス」のホームページを参照した。
■「いのち耕す人々」 原村政樹監督/2006年/100分/日本
30年以上前から有機農業に取り組み食の安全を実践してきた山形県高畠町の農家の記録。この町で起きた農薬空中散布反対運動を発端に、農業体験に来た人や脱サラで農業を始める人に向けて農業の大切さを伝える農家の人々。理想的な農業のあり方を通して、食べものの大切さを気付かせてくれる。 − 2006年度 文化庁映画賞文化記録映画優秀賞受賞
■「大丈夫であるように―Cocco終わらない旅―」 是枝裕和監督/2008年/107分/日本
2007年11月、デビュー10周年を記念したライブツアーをスタートした歌手のCocco。ツアーの合間に訪れた神戸の慰霊と復興のモニュメントの前で曲を書き、青森では核燃料再処理施設問題で揺れる六ヶ所村の少女と心を通わせる。沖縄で育った彼女が歌に突き動かされる理由とは一体何なのか。
■「ただいま それぞれの居場所」 大宮浩一監督/2010年/96分/日本
介護制度導入から10年―。その間介護サービスの件数は飛躍的に増えたものの、なお制度の枠組みから漏れてしまう人々がいる現実。カメラは自ら理想とする介護を実現しようと努力している三つの介護施設に焦点をあて、昼夜奮闘するスタッフの姿をあたたかい眼差しで見つめる。 − 2010年度 文化庁映画賞文化記録映画大賞受賞
■「沈黙を破る」 土井敏邦監督/2009年/130分/日本
2002年春、イスラエル軍のヨルダン川西岸侵攻作戦のなかで起こったバラータおよびジェニン難民キャンプの悲劇。カメラは破壊と殺戮にさらされるパレスチナの人びとの生活を克明に写し出す一方、自らの加害行為を告白するため写真展を開催するイスラエルの元兵士たちの勇気ある行動を追う。 − 2009年 第83回キネマ旬報文化映画ベスト・テン第1位 − 2009年度 日本映画ペンクラブ賞文化映画部門第1位
■「月あかりの下で ある定時制高校の記憶」 太田直子監督/2010年/115分/日本
1学年1クラス、全校生徒120人の埼玉県立浦和商業高校定時制。2002年から卒業までの4年間、生徒一人ひとりに寄り添うように撮られた映像には、家庭や社会のひずみに傷ついた若者たちが悩み、ぶつかり合い、支え合って過ごした日々の姿と、巣立ってゆく生徒たちの希望が写し出されている。 − 2010年度 文化庁映画賞文化記録映画優秀賞受賞 − 2010年 第16回平和・協同ジャーナリスト基金賞・荒井なみ子賞受賞 − 2010年度 第35回日本カトリック映画賞受賞 − 2010年度 日本映画ペンクラブ賞文化映画部門第1位
■「夏の草原」 リン・トゥルー、ネルソン・ウォーカー監督/2010年/85分/中国・米国
最も高く、寒く、貧しく、遥かに遠いと中国人が言うチベット東部の草原に暮らす若い遊牧民のカップルと幼い娘をカメラで追ったドキュメント。 都会生活への憧れを抱きながらも、そうした華やかな暮らしと一線を画し、辛い厳しい生活に耐える彼らのすばらしい笑顔が心に残る。 −2010年 第23回東京国際映画祭Natural Tiff部門招待作品
■「祝(ほうり)の島」 纐纈あや監督/2010年/105分/日本
山口県上関町祝島(いわいしま)。 瀬戸内海に浮かぶ海の幸豊かなこの小さな島の対岸4km先に、1982年、原子力発電所建設計画が持ち上がった。「海と山さえあれば生きていける。だからわしらの代で海は売れん」という祝島の人々は、以来28年間たゆまず反対運動を続けている。
■「未来を写した子どもたち」 ロス・カウフマン監督/2004年/85分/米国
インド第2の都市コルカタ。売春窟で生まれた子どもたちの将来には親の仕事を継ぐ以外の選択肢はない。写真家ザナは売春窟での撮影を続けるうちに、子どもたちにカメラを与え写真教室を開くことを思いつく。初めて写真による表現の可能性を知った子どもたちは、将来に夢と希望を抱くが…。 − 2005年 米国アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー賞受賞
■「田中さんはラジオ体操をしない」 マリー・デロフスキー監督/2008年/75分/豪州 (2011年初夏、都内単館系劇場で公開予定)
解雇された会社の前で25年以上にわたって抗議活動を続けている田中哲朗さん。 彼のウエブサイトを見て興味を持ったオーストラリア人監督は、シドニーから東京へ会いに行く。自分自身に誠実であり続けるために日本社会で闘い続ける、ユーモアたっぷりのタナカ・ワールドが繰り広げられる。 ― 2009年 カナダ国際労働者映画祭ベストインフェスティバル賞受賞 ― 2009年 山形国際ドキュメンタリー映画祭ニュードッグス・ジャパン招待作品
■「犬と猫と人間と」 飯田基晴監督/2009年/118分/日本
散歩中の犬や、路地裏でくつろぐ野良猫たち−。町を歩けばあちこちで目にする光景だが、彼ら全てが幸せな一生を送れるわけではない。空前のペットブームの影で、日本で処分される犬と猫は年間30万頭以上、一日に1000匹近くが殺処分されている現実がそこにはある。
上映時間や料金などの詳しいことは主催者「浦安ドキュメンタリーオフィス」のホームページに出ている。
http://urayasu-doc.com/festival2011/
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