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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2011年04月07日14時57分掲載
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2酸化炭素はオゾン消失とは無関係 落合栄一郎
TBSの放送で、2酸化炭素は、オゾンを消失させ、皮膚がんを多発させているというデマが広められているという情報を得た。だから,2酸化炭素を出さない原発が必要なのだぞということを暗示するためなのでしょう。いやそうした意図を持ってやっているのか、それとも科学オンチ、無知で、「2酸化炭素はオゾン消失とは無関係」ということを知らない(理解していない)のか。
原発の事故は、国民にさまざまな不安材料を提供している。(1)それを悪用する人間もいるし、(2)過小評価して安心させようとする人も、(3)逆に過剰評価して不安を煽る人もいる。(2)の典型は、日本政府のとっている態度で、人心を安心させると言う意図はいいかもしれないが,原発・放射能の影響は長期にわたることを考慮していない。おそらくこの後遺症が問題化するころには彼らの大部分は政権には居残ってはいないだろう。
さて、(1)の問題だが、この2酸化炭素がオゾン消失の原因というデマがその典型である。これが悪意に基づくかは定かではない。いずれにしても、聞かされた国民が、十分に科学的知識と判断力を持っていれば問題はないのだが、どうもそうでもないらしい。これらの不安材料を的確に判断できる科学的思考力と知識がいまこそ望まれる時はない。
しかし、現今、いわゆる権威者(科学者)と言われる人間達のなかには、上の(1)(2)のような態度をとっている人もいて、その人達の意見が、鵜呑みにされてもこまる。おそらく、どんな御用科学者であれ、この「2酸化炭素はオゾン消失の原因」などという馬鹿げたことまでは言わないとは思うが。というほど、これは、科学的常識からはずれたことなのだが、科学(化学)を知らない人には理解は難しいことだとは思う。そこで、簡単な解説をしておこうと思う。
先ずオゾンとはなにか。十分な知識をお持ちだろうか。我々(地球上のほとんどの生き物)が生きていくためには、空気中の酸素が必要であることは知っておられるでしょう。この酸素とオゾンの関係は?われわれが呼吸する酸素(酸素分子)は、酸素の元素記号“O”を使って“O-O”と書ける(酸素原子二つが結合したもの)。これが現在の大気中には20%程あり、そのために我々は生きていられる。 オゾンは、“O-O-O”と酸素3原子が繋がったものである。これをみれば、オゾンは、普通の酸素(O-O)に酸素原子Oがつけば出来るだろうと考えられる。実はその通りである(科学・化学ってそんなに難しくはないでしょう?)。空気中の酸素は、先ほども言ったようにO-Oなので、問題は、では酸素原子Oはどうやったら出来るかとなる。 大気圏の上のほうで、太陽からくる紫外線で、酸素分子が分解されて酸素原子(O)2個が出来る。その酸素原子が酸素分子とくっついてオゾンができる(記号で書けば:O-O + O ? O-O-O)。オゾンはしかし、太陽の紫外線で、分解もされて、またO-OとOに戻ってしまう。これがいつも繰りされていて、オゾンはある程度の量、大気の上層にあるのである。実は、オゾンが太陽の紫外線で分解される場合、そこで太陽の紫外線が使われてしまって地上までとどかない。これがオゾンが太陽の紫外線を遮断している理由である。そしてこの遮断効果がないと、地上の生き物には紫外線があたって、皮膚がんなどを発生させる。
なにも人為が働かなかった時代は、以上の理由で十分なオゾンが大気中にあったのである。ところが人間様が、様々な物質を作って、大気中に放出しだした(意図しようとしまいと)。その中のある種の物質が、オゾンと反応して、オゾンを分解する。このような物質にはある化学特性が必要である。まず地上で出来てかなり上層のオゾンがある層までは、ちゃんと届く(多くのものはそれまでに分解するか、そんなに高くまで行かない)。そしてオゾンを分解するような性質を持っている必要がある。 2酸化炭素は、そのような上層まで行くけれども、オゾンを分解するような性質は持っていない(これは科学的に確かなことだが、それを説明し理解してもらうには、化学のもう少し深い(基本的だが)知識が必要である)。様々な可能性が検討され、研究された結果、フッ素・塩素を含む炭化水素という化合物が大気上層でオゾンを分解することがわかった。これは、自動車のエアーコンや冷蔵庫の冷却装置や、ヘアースプレーなどに使われる物質で、それが大気中に拡散して大気の上のほうで、オゾンを分解しているので、オゾンの量が、通常よりも減ってしまった。これがオゾン消失の化学である。もちろんどのようにしてオゾンを分解させてしまうかまでを理解するには、さらなる化学知識を必要とする。
これはほんの1例である。原発の事故の問題、それが放出する放射線の人体への影響、その他、科学的で十分な知識を持たないと、確かな判断は難しい。ただし、現在の科学でも十分に理解できていないことも多々あり、特に放射能の生体への影響には十分解明されていないことは多い。
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