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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2011年06月04日10時41分掲載
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ロシアン・カクテル
(30)白夜の「真っ赤な帆」 サンクトペテルブルクは恋人たちの北の都 タチヤーナ・スニトコ
17才の若さではいったい誰がロマンチストでないことができるでしょうか?甘美な恋を夢見ないではおれるでしょうか?サンクトペテルブルクでは誰もが年一回はロマンチストになる時があります。それは素敵な白夜の季節です。
サンクトペテルブルクの白夜は5月25・26日頃から7月16・17日頃まで続きます。この季節には夜はほとんど暗くなることはありません。6月21・22日頃には昼間の時間がほとんど19時間(正確には18時間53秒)にもなります。
白夜の季節はサンクトペテルブルクの最良の季節です。というわけで、ドストエフスキーの小説「白夜」が彼の最も晴れやかな作品の一つであるというのは驚くにはあたりません。コンスタンチン・パウストフスキーは「人はこの美しい白夜の季節にいつかは終わりがあることをいやでも理解せざるを得ない。これは白夜というものはある意味では大変はかないもので、いかなる美もその命は短いものであるという悲しみの感情を人に抱かせるものです。」と書いている。
白夜の季節にはね橋や美しい宮殿を見たりしながら市内を散歩することはとてもロマンチックなことです。白夜の季節には人は特別な心の状態になります。
モイカ川の「キス橋」はとても人気があります。以前は、何らかの理由で感情を表に表すことのできない若者たちはここでデートをしました。この橋の上でキスをすると別れることはないとか、相手が遠くへ行く時にこの橋の上でキスをすると相手は戻ってくると信じられています。
ロシアの成人の日である「真っ赤な帆」(Алые паруса)というお祭りの日には白夜が最高点に達する時です。何千と言う人々がネヴァ川の岸壁側にあるエルミタージュ美術館前の宮殿広場にやってきて、歌を歌ったりダンスをしたりシャンペンを飲んだり白夜の街としばしば称されるサンクトペテルブルクのネヴァ川の岸壁を歩いて盛り上がるのです。真夜中の1時には「真っ赤な帆」の帆船が現れて花火が始まります。そして、ほのかに明るい白夜の夜を一晩中うかれ騒ぐのです。
「真っ赤な帆」は“強く願えば願いは実現する”ということを象徴しています。「真っ赤な帆」という名前はアレクサンドル・グリーンの小説にちなんで名付けられています。その小説の中でヒロインのアッソリはその昔少女の頃ある老人の言った“いつか、王子が真っ赤な帆の船に乗ってやって来る”という言葉を信じして何年も真っ赤な帆の船が来るのを待っているのです。皆はそんなことがあるものかと彼女を笑っていましたが、ある日彼女の夢は本当になったのです。
「真っ赤な帆」の祭りの日には、ネヴァ川にあるすべての船は「真っ赤な帆」を付けるのです。その「真っ赤な帆」はみんなの希望の帆なのです。
白夜の季節は奇跡の起きる時なのです!
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白夜の恋人たち
ネヴァ川の「真っ赤な帆」
「キス橋」
白夜を彩る花火に歓声





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