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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2011年07月29日17時12分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎原発情報】電力不足というデマが作られていった−東電発表の分析から
震災直後、電気の供給能力が不足しているという報道がされ、大規模な計画停電が行われたりしました。電力需要のピークではない3月に計画停電をするくらい深刻なら、電力需要のピークである 7月末頃にはどうなってしまうのだろうと思った人も多いと思います。いよいよその7月末になっていますが、特に電気が不足している様子はありません。(「地震と原発事故情報」その131から)
東京電力のウェブサイトに「今夏の需給見通しと対策について」というプレスリリースがあります。これまでに第7報まで発表されていて、そこに書かれている「7月末の供給力」を一覧にする と面白いことがわかります。
第1報3月25日:4,650万kw(揚水発電含まず) 第2報4月15日:5,200万kw(揚水発電400万kw含) 第3報5月13日:5,520万kw(揚水発電650万kw含) 第4報7月1日:5,680万kw(電力融通の減▲100万kw) 第5報7月8日:5,680万kw(部分修正) 第6報7月15日:5,730万kw(揚水発電700万kw含) 第7報7月22日:5,720万kw(部分修正)
これは「発表時点での供給力」ではありません。いろいろな方策を施して、7月末には供給力はどれくらいになっているかを表し たものです。なので、本来であれば、第1報から第7報までの数字は、大きな変化はしない筈です。
しかし、第1報から第6報までは供給能力は増え続けています。昨年夏の東京電力管轄内最大電力は、7月23日に記録した5,999万kwだそうです。今年は節電などもあるので、想定最大電力は5,500万kwだそうです。
7月22日(第7報)発表の供給力が5,720万kwなので、想定最大電力5,500万kwを上回っています。それにしても、3月25日(第1報)に4,650万kwという数字が発表された時はビックリしました。想定最大電力5,500万kwと850万kwも乖離しているので、インパクトは絶大です。
しかし、マスコミなどから揚水発電が含まれていないことを指摘され、4月15日(第2報)に400万kwだけ計上します。5月13日(第3報)には650万kwと上方修正し、この段階で想定最大電力5,500万kwをクリアします。
さらに7月1日(第4報)に至っては、他社からの融通を100万kwも減らしているのに、合計では5,680万kwにまで増えています。 7月15日(第6報)には揚水発電を700万kwにまで増やしました。 もちろんガスタービン等の追加設置など、供給力拡大に向けた企業努力もあったことでしょう。
それにしても3月25日発表の4,650万kwと、7月22日発表の5,720万kwは違いすぎます。これほど予測が食い違うということは、よほどいい加減な会社なのか、それとも意図的に情報操作しているかのどちらかです。
少なくとも最初に揚水発電を計上せず、マスコミの指摘を受けてから計上したことは、供給力を少なく見せようという意図によるものだと思います。
経済産業省がまとめた今夏の電力需給見通しで、電力7社が揚水発電による電力供給力を、発電能力を示す設備容量より約2割少なく見積もっていたことが分かりました。(毎日新聞2011年7月26日)。最も差があるのは東京電力で、設備容量1,050万kwに対し、供給力は約3割少ない700万kwと見積もっています。
揚水発電は、夜間に余っている電力を使って下流から上流に水をくみ上げ、昼間の電力需要のピーク時間帯に放水して発電する仕組みなので、雨量に左右されず、設備容量通りの供給力を発揮できるとされています。なのに東京電力は3割もピンハネしています。
もっと言えば4月15日には400万kwしか計上せず(6割ピンハネ)、3月25日には計上すらしていなかったのです(10割ピンハネ)。
このようにして電力不足というデマが作られていたのです。思えば、福島原発が爆発した日、多くの人が恐怖に怯えたと思います。このままでは世論が脱原発に傾いてしまうので、電力会社としては何らかの手を打たねばなりませんでした。それが計画停電であり、電力不足キャンペーンだったのでしょう。
あの時期に計画停電をし、経済に打撃を与えておいて、原発がないとこんなに世の中が混乱すると国民を脅迫したのです。そしておそらくは電力会社主導による「やらせメール」などで、「原発がないと経済が成り立たない」というウソの世論を形成していったのでしょう。
さて、現在の東電管轄内の電力使用量は、最大でも4,500万kw程度だそうです。電力不足どころか、1,000万kw近くも電気が余る日もあるようです。
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