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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2011年07月31日15時14分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎原発情報】中国新幹線事故 成長優先の効率主義、安全性無視、手抜き、まるで福島原発、「日本では起こりえない、なんて言えるのか」 山崎久隆
中国新幹線事故が福島原発震災のニュースを凌ぐ勢いで報じられている。確かに悲惨な事故であり、中国鉄道当局のデタラメ対応も非難されてしかるべきだが、またしても出てくる「日本では起こりえない」発言が出始めた。福島原発震災の教訓は本当には、この国に存在しないことがよく分かる。(「地震と原発事故情報」その132から)
中国新幹線事故と日本の新幹線の制御システムを表面的に比較して「同じことは起きない」などといくら言ってみても、気休めにもならない。事は、安全に対する思想の問題であり、2005年に福知山線事故を経験したばかりの日本の鉄道も同じ轍を踏んでいた。新幹線の制御システムを単純比較などしてもはじまらないことは、この種の専門家であれば誰でも分かることだ。
人間、気持ちの上では安心したいものだし、特に新幹線に乗って仕事に、旅行に出ることが多くなるシーズンにさしかかっているので、日本の新幹線に同様の危険性があっては困るとの心理的な動機はわかるが、それとこれとは別問題だ。
日本で起こりやすいのは、こういう「最先端、最新鋭」の部分よりもむしろ「赤字、高コスト、老朽化」が広がっている分野だろう。コストを投じるのが「もったいない」などと思われがちの分野には、人も金も集まらないため、往々にして「やっつけ仕事」が多くなる。 福島第一原発震災を調べれば調べるほど、いままで多くの問題が指摘され、欠陥が見つかり、直し、壊れを繰り返してきた原発ならではの、欠陥のオンパレードなのだ。
これらのいくつかが改善されていたら、ここまでひどくなかったかもしれないと思わせるような事例が次々に出てくる。 中国新幹線はいわば「国威発揚」の最先端で、突貫工事で作られ、人材もほとんど育成されていないのだろうと思われるが、現代日本の場合はそれが最後尾に位置する老朽原発や一部のローカル線などに見られるようだ。
考えてみれば、福島第一原発(と美浜原発)は現代中国がちょうどさしかかっているような高度経済成長時代に日本において建設された原発であり、1970年代初めに電力需要が急上昇したときに、当時では大規模な発電所としてそれこそ突貫工事で作られた。
たまたま炉心溶融のような事故にはならなかったが、知見不足による応力腐食割れなどの多発による事故停止が続き、稼働率がゼロの年さえあった。 まさに中国新幹線事故と同じ間違いを犯していた。
そんな欠陥原発を、止めておけば良かったのに40年間も使い続けてきたため、当時の悪夢が、現代によみがえったのが福島第一原発なのだと言うことくらいは付け加えて報道しなければ、そういう視点で中国新幹線事故を報道しなければ、私たちにとっても何の教訓も得られない。
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