◆ 地震と原発事故情報 その144 ◆ ★1.原発神話−崩れた三つの神話(安全・安価・クリーン) 最後(四つ目)の神話を崩せば、廃原発の実現だ! 柳田 真 ★2.<みんな行こうよ!ぶっ通しデモ>に参加して感じたこと 阿部めぐみ ★3.新刊案内 『脱原発』 ― 河合弘之(弁護士)・大下英治(作家)共著 ★4.メディア最大のタブー東電マネーと朝日新聞 ― 週刊現代スクープレポート ★5.原子力学者の責任感問う 調査委に前代未聞の声明を批判する
★1.原発神話−崩れた三つの神話(安全・安価・クリーン) 最後(四つ目)の神話を崩せば、廃原発の実言だ! 柳田 真
○原発には主に四つの神話が捏造されてあった。原発推進勢力(原子力村=原発利権共有帝国)は、電気料と税金の両方で何百億円(又はそれ以上)ものお金を神話のPRに何十年も投与しつづけた。テレビで、新聞で、繰り返し繰り返し神話(実はウソ)をPRした。(その結果、残念ながら多くの国民は騙された)(騙された責任はある)
○四つの神話とは、安全、安い、クリーン、原発の電気が3〜4割、の四つである。このうち前から三つは、3・11=フクシマ原発大惨事でコッパミジンに砕け散った。「安全」ではなく「クリーン」ではなく、放射能を撒きちらし=食品・水・大地を汚すダーティ(死の灰)であることが誰の目にもわかった。「安い」もインチキで、実は米国の電気料の三倍も高い、と指摘された。三つの神話は崩壊したが、四つ目の(原発の電気が3割〜4割)が生き残ろうとしている。これにとどめを刺せば、全神話が崩壊し、原発停止−廃止社会が実現できる。汚染食品を子や孫に食べさせねばならない心配、地震・津波による原発事故と放射能事故がいつ起こるか分からない不安、心配で暮らす毎日から解放される。
○四つ目の神話を崩すチャンスは今だ。定期検査後の原発の再稼働阻止で、全原発(54基)停止が実現のチャンスだ。「原発の電気が3割〜4割」は、推進側の宣伝で広く信じこまされてきたが、しかし「正しくはない」ことは、この間の私たちの反撃もあり、かなり広まった。つまり火力発電施設を30%〜40%しか使わず(残りは休ませて)、原発だけを100%運転しようと推進側はしてきた結果の、一面的、片面的な数字であることがわかった。今夏の東京電力管内をみればよくわかる。4月〜5月は夏の停電の危機(実は原発を再開させてくれPR)が大騒ぎされ、現在、節電となっているが、いざ夏になってみると、東電管内の電気は大量に余っていて、東北電力に140万kwを供給プラス60万kw、関西へも供給したい(東電副社長)という位、電力に余裕があるのだ。猛暑といわれた8月8日ですら4661万kwであり、5460万kw以上のたっぷりの供給力を持つ東電にとっては何でもない。 小出裕章氏ほかの指摘では、原発全部止めても水力、火力で間に合う。それにプラス埋蔵電力(自家発電)もあるのだ。(かなりある)電力の地域独占をやめさせ、自由な電力市場をつくれば、もっと電気供給力は出てくる。原発推進の税金4000億余円を再生可能エネルギー開発に振り向ければ、すぐにではないが、再生可能エネルギーも増大する。50ヘルツ(東日本)、60ヘルツ(西日本)問題の解決方向を示せば(全国直流一本化)もっと前進する。原発はなくてもやっていけるのだ。この夏の事実がそれを証明しつつある。来春(5月)全原発停止(廃止へ)を実現しよう。
(★安藤多恵子氏 市民エネルギー研究所・代表の講演内容のDVD=「夏の電気は原発 なしで大丈夫」(7月13日)96分が、この問題を明解に東電発表のデータ・資料で分析 していて、役立ちます。おススメです。1000円たんぽぽ舎扱い)
★2.<みんな行こうよ!ぶっ通しデモ>に参加して感じたこと 阿部めぐみ
昨日会社に戻ってきた連れ合いが、「新橋駅で若者たちが、反原発のデモに行くみたいだったよ」、それからめずらしくも 「いってみれば」と一言。う〜ん暑いけどなあ、と思いましたが、意を決してでかけてみました。19時集合19時半出発。新橋駅前のSL広場で、反原発の手作りの旗の下に数人で集まり、ハンドマイクで呼びかけをしたり、のんびりした雰囲気です。(私は、話すのは苦手なので、もってきたプラカードを持って立っていました。) 出発時、先導車は、と見ると、小さな警察の車両です。後を10人ほどのデモ隊(私たち)、囲むように数人の警察官、歩道には、私服警官の方々、で、ゆっくりと歩いていきました。新橋から、銀座のメインストリートをとおり(!)日比谷へ・・・ハンドマイクで呼びかけながら。一人ひとり自分の言葉で呼びかけをしているのを聞きながら、私は、自分が始めてデモに行ったころの、べ平連のデモを思い出しました。 この日のデモ仲間に、青春18切符でやってきた、関西からの若者たちがいることも知りました。さらに気づいたのは、この日のデモは、「マスクデモ」で、マスクをしていなかったのは多分私だけ・・・なんでマスクなのかは、一人の若い女性メンバーの呼びかけからわかりました。 「福島にも、東京にも、放射能が降っています。そのことを忘れないため、ごまかされないために、マスクをしよう。福島でさえ、マスクをすると、異端視されたりする現実がある。それに抗議するためにも私はマスクをします。」この言葉は、道行く人の心にも届いたのではないかと思います。 この日気づいたのは、銀座の街を行く人々が、マイクの呼びかけをかなり真剣に聞いていたということです。(メール通信で阿部則子さんもいっておいででしたね)なぜ原発を廃炉のしなければと思はのか、もっともっと話しかける余地があるということです。デモで何をどう伝えるか、どうしたら効果的に伝わるか、そのことを話し合う場が、もっともてたらいいなあと、切実に思います。 私は、時間の都合で最後まで歩くことができませんでした。でも手作りのデモ、参加させていただいてとても楽しかった! 7月23日から、9月10日まで、毎日デモをする予定だそうです。19時集合、19時30分出発。場所は新橋駅前SL広場集合の日と、新宿駅東口アルタ前広場集合の日があります。 詳しいことは、ぶっ通しデモ実行委員会のブログを。(ルートの地図ものっていまし た) 反戦、反核、反差別のデモに、みんな参加しませんか?!
ぶっ通しデモ実行委員会のブログ http://buttoshi.web.fc2.com/
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★3.新刊案内 『脱原発』 ― 河合弘之(弁護士)・大下英治(作家)共著
原発事故は国民生活を根底から覆す。 産業も文化も芸術も教育も司法も福士も つましい生活もぜいたくな暮らしも何もかもすべてだ。 したがって、原発の危険性に目をつぶっての すべての営みは、砂上の楼閣と言えるし、 無責任とも言える。 そのことに国民は気が付いてしまった。 問題は、そこでどういう行動をとるかだと思う。
序章 浜岡原発が停止した日 1章 ビジネス弁護士が「脱原発」に立ち上がるまで 2章 呆れた浜岡原発差し止め訴訟の全容 3章 日本のすべての原発を止めるためには 4章 時代の流れが変わった 仙谷由人氏からの手紙 青志社 刊 250頁 2011年6月発行 1400円
★4.メディア最大のタブー東電マネーと朝日新聞 ― 週刊現代スクープレポート
腐っても鯛。朝日新聞社は今までも有力なオピニオンリーダーだ。だからこそ、原発を推進したい東京電力は是が非でも抱え込みたかった。この国の原発推進の一翼を担ってきたのは大手マスコミである。
東電が朝日に出した年間広告料2億3000万円(推定、電事連等は除く)。それだけじゃない。朝日有力OBグループは東電のPR誌を作り、それをすべて買い上げてもらっていた。その額、年間1億4000万円! 原発推進のため、メディアにカネをばらまき続けた東電、そしてそこにタカる大手マスコミ。歪な原発大国の生成過程を暴く。
事故後にも買い上げていた
東京電力が、「カネのなる木」原発を推進するため、あの手この手でメディア各社にカネをばら撒き、懐柔を図っていたことはよく知られている。
いちばんの「ダーゲット」にされていたのが、朝日新聞である。ライバルの読売新聞は社主・正力松太郎氏の号令で原発推進キャンペーンを張ったが、朝日は'70年代に社論を統一し、「イエス、バット」(基本的に原発を容認)とした。その背景には、東電幹部からの接待、出張費肩代わりなどがあったと、元朝日新聞経済部記者の志村嘉一郎氏が近著で証言している。
それだけではない。
東電は朝日の有力OBに対し、異例の厚遇をしていた。電力マネーと日本を代表する新聞社の知られざる野合ぶりを追った。
昨年一年間で、東京電力が会社名で朝日新聞に出した広告は合計13本。ほかに電事連名義のものや、日本原子力文化振興財団などの広告も大量にあるが、それを除いてもかなりの数である。掲載された面によって価格は違うが、朝日の規定の広告料に従って計算すると、その合計は2億3000万円あまりになる。しかも、その内容は、東京電力が保有する尾瀬の環境を守ろうと呼びかけるものや、イメージキャラクター「でんこ」の歌の歌詞・音譜など直接ビジネスには結びつかないものばかり。事情は他の新聞でも同じだか、東電の気前のいい広告には改めて驚かされる。ちなみに6月30日に公表された有価証券報告書によると、東電はテレビ朝日の株3100株(全体の0.3%)を持つ大株主でもある。東電と朝日グループの絆は想像以上に深いが、そのこと裏付けるのが、『SOLA』と題する情報誌である。
A4サイズ、カラーと2色刷りで約50ページ。裏表紙に「定価350円(税込)」と謳ってあるが、街の書店では一切売られていない。
カラフルなイラストをあしらった表紙に始まり、芸能人インタビューや健康法紹介、料理レシピ、エッセイなど、言ってみれば生活情報誌だ。オール電化の利点などを紹介する記事も多く、事実上東電のPR誌と言って差し支えないだろう。1989年8月の創刊で当時は年6回の発行、途中から年4回発行の季刊誌となった。
実はこの雑誌は、東電の本店営業部が一括して買い上げたあと、各営業所に配布されている。そこで、興味のある来客に無償で配られているのだ。つまり、身銭を切ってこの雑誌を買っている読者は東電以外、一人もいない。 (週刊現代8月20日27日合併号より抜粋)
★5.原子力学者の責任感問う 調査委に前代未聞の声明を批判する
原子力の理論や原発の設計・製造・運転などにかかわっている研究者や技術者たちの日本原子力学会が7月7日、東京電力福島第一原発の事故原因調査の進め方についての声明を発表した。福島原発事故の原因究明は、菅内閣が行政機関から独立した臨時の第三者機関として設置した「事故調査・検証委員会」(委員長・畑村洋太郎東大名誉教授)が進めている。声明は事故調査・検証委員会に対する要望を述べたものだ。要望とは「現場で運転、連絡調整に従事した関係者はもとより、事故炉の設計・建設・審査・検査等に関与した個人にたいする責任追及を目的としないという立場を明確にすること」を求めるというのである。 日本原子力学会は原子力工学者はもとより、行政や電力会社の技術者も入っている。調査の対象者がいる団体である。そういう調査される側の団体が調査機関に対し、調査方法について一定の枠組みを要請するというのは、前代未聞のことである。何を恐れているのだろうか。 奇妙なことに、日本原子力学会の声明は、電力会社と行政(規制当局)の組織要因、背景要因を明らかにすることこそ重要だと強調して、自分たち学者・研究者のかかわりについてはひと言も触れていないのだ。 この学会とは別に、原発推進にかかわった学者らの有志16人が、3月30日に国民に対する深い陳謝の意を表明し、事故炉を抑えこむ緊急の具体策を提言した姿勢と比べ、何という違いか。もし原子力学会の指導的立場の学者たちに、放射能汚染で家も町も仕事も田畑も家畜も放擲して避難を余儀なくされた被災者たちの悲惨を想像できる感性があるならば、責任解明のために自分たちがやってきたことを率直にしゃべろうという声明こそ出すべきではないか。 (ノンフィクション作家柳田邦夫 8月8日付デイリー東北より抜粋)
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