◆ 地震と原発事故情報 その161 ◆ 北海道電力・泊2号機が8月26日より定期検査の為運転停止 残る稼働中原子炉はあと13基 ★1.がれきを燃やすな、動かすな(山崎久隆) ★2.連載:東京電力による業務上過失死傷罪を告発する その3、立地条件、原子炉計測、水素結合器に関する罪 槌田 敦 ★3.9月9日「こどもキューキューアクション!!!!!」詳細決定(東電前アクションより) ★4.9月5日「第3回:お母さんお父さん向け保育付き放射能講座」のお知らせ ★5.「有り得ねぇー」こともない。反対と賛成が一緒に? 原発読書会「エスペランサ」シリーズAの報告 ★6.モンゴルにウラン産業の呪い―先進国 核のゴミ押し付け計画
★1.がれきを燃やすな、動かすな(山崎久隆)
国の決めた「放射性廃棄物として処分すべき汚染」は、「キログラムあたり100ベクレル(セシウム134,137の場合)」であり、これは廃棄物から受ける一般人の年間被曝線量を10マイクロシーベルト以下にするために必要な規制値とされている。この値は既に「放射性廃棄物安全基準専門部会」により97年から2005年までに審議され、2005年に原子力安全委員会により決定され、原子炉等規制法に定められた「法定基準」である。 具体的には原子炉等規制法第六十一条の二「放射能濃度についての確認」同第七十二条の二の二「環境大臣との関係」で定められている。この基準を「クリアランス」と言い換え、あたかもこの値以下であれば「安全」であり「問題が無い」ものであるかのように宣伝してきたのが国や電力会社であり、それに対して私たちは「町中に放射能」「リサイクル金属などに死の灰」と批判し、撤回を求めていた。 もともと原発の廃炉に莫大な費用が掛かることが分かってきたため、放射能のすそきりを図ったのがこのクリアランスレベルの制定であった。この結果、本来は「核のゴミ」として処理、処分すべき廃棄物が、一般産業廃棄物や、はたまたリサイクル金属やコンクリート材などとして流通可能になってしまった。ところが、福島原発震災を経て、今日この基準すらも有名無実化しようとしている。
膨大な汚染がれき、各地の上下水道汚泥処理場、ゴミ焼却場の焼却灰、除染した結果生じた汚染土壌など、キログラムあたり千、万、10万ベクレルを超える廃棄物が大量に発生してしまった。 これらを「背に腹は代えられぬ」とばかりに、各地で焼却、埋立、移動、廃棄をはじめれば、そもそもクリアランスレベルさえも無意味になり、環境中は放射性廃棄物の蔓延した空間になってしまう。そんなことが容認されるわけがない。 どうする、こうする以前に、法律があり規定があり規制されている。それを踏まえての臨時措置を考えるべきであり、最低限必要なルールを早急に定めるべきだ。それはしかし焼却や埋設処理を急ぐことではない。まず生活圏から可能な限り隔離することを最優先すべきであり、それには埋設もやむを得ない場合があるだろう。しかし仮埋設を行う場合であっても、後日管理または回収等が可能なように計測と記録を義務づけ、届け出るようにすべきだろう。 少なくても放射性廃棄物処理施設またはそれに準ずるフィルターを備えた施設でない限り、焼却処分は認めてはならない。そんなことをすればセシウムなどを再度浮揚、排出することになり、二次、三次被曝を引き起こす恐れが大きい。 場所の問題や取扱事業者の被曝問題は大きいが、安易な焼却ではなく現地貯蔵管理を原則としたしくみを構築すべきである。そうでないと汚泥処理施設や清掃工場周辺に汚染を拡散させることになってしまうからだ。これらには費用もかかる。しかしその費用はいずれ東電が全額補償するのだから、一時的な出費は国が建て替えておけば良い。そういうルールを速やかに全国に通達する責任が国にはある。
★2.連載:東京電力による業務上過失死傷罪を告発する その3、立地条件、原子炉計測、水素結合器に関する罪 槌田 敦
(前号より)被告は、歴代の社長であるが、その中でも特に、第10代社長であり現会長である勝俣恒久と事故時の第一原発所長である吉田呂郎の責任は重い。
以下に罪を具体的に述べる。
【立地条件の改悪と防波堤を形ばかりにした罪】 東京電力第一原発では、海水取水を安価にするため地盤を削って、海面すれすれの原発敷地を造成した。しかも堤防を高くせず、造成費を節約した。その結果津波に襲われ、ECCS高圧注水系の電源を失い、原子炉(1〜3号機)および使用済み燃料プール(1〜4号機)に冷却水を供給できず、放射能を大量に放出する事故となった。 今回の地震と津波により同様に襲われた東北電力女川原発では、建設にあたって津波対策をしていたので、津波の被害をくい止めることができた。東北電力でもしているこの津波対策を、費用節約のためおろそかにしたことは、東京電力の重大な過失である。
【原子炉計測を7時間も不可能にした罪】 第一原発では、原子炉の水位、圧力などの計測電源を外部電力に頼っていた。ところが、地震で鉄塔が倒れ、この外部電力の供給が途絶えて、建屋の照明は消え、作業は非常灯と懐中電灯でなされた。しかし、被害はそれだけではなく、圧力、水位など原子炉の状態が7時間にわたって計測できなくなっていた。 1号横の原子炉は、この電源喪失の7時間の間に、小口径の配管破断による冷却材喪失炉心空焚きによる過熱、炉心崩壊、原子炉底抜けが終了していた。地震から3時間後の18時には、建屋の放射能は上昇し、 6時間後の21時には、建屋に入室できなくなって、 何の対策もできずに1号機は放置されていた。 しかも、その間に原子炉で何かあったのか、一切計測されておらず、運転員は何も知らずにいたのである。2号機では、この電源喪失の7時間、外部電源不要の隔離時冷却系を運転することにより原子炉の冷却はなされて、この7時間を乗りきった。それは配管が破断しておらず、原発の冷却水が維持されていたからであった。 3号機では、原子炉の内部情報が15時間にわたって計測されていない。さらに、この隔離時冷却系が働かず、 1号機同様に、冷却材喪失、炉心空焚きによる過熱、炉心崩壊が進んでいた。 1号機と3号機において、原子炉のデータが計測されていれば、当然ECCS高圧注水系が初期の段階から起動されることになり、原子炉を事故初期の段階で守ることができたのである。原子炉の計測に必要な電源を外部電源だけに頼るのではなく、外部電源喪失の場合の非常用発電機または蓄電池を十分に用意しなかったことは、重大な過失である。
【水素結合器を改善せず、また水素逃し口を作らず、建崖を水素爆発に至らせた罪】 1979年のスリーマイル島原発事故で、炉心空焚きになれば水素が発生し、それが原子炉の外に漏れて、建屋の天井に集まり、水素爆発することはよく知られていた。したがって、配管から漏れる前に、原子炉配管の中で水素を酸化する水素結合器をつけることと、水素が原子炉から漏れて建屋の天井に溜まってもこれを逃す穴をつけることが必要だった。東京電力はこの改善工事をしていなかった。東京電力が、これらの改善工事をしなかったことは、重大な過失である。
以上は歴代社長の罪である。以下は、第10代社長である勝俣恒久と現第一発電所所長である吉田昌郎の罪である。(次号へ続く)
★3.9月9日「こどもキューキューアクション!!!!!」詳細決定(東電前アクションより)★
★☆★☆★転送・転載大歓迎★☆★☆★
〜こどもを救うために!9月9日(金)18:30 文科省前に集合!!その後19:50から経産省へ!!!〜 ※途中合流大歓迎詳細は下記参照
「町をきれいな安心できる所に戻してほしい。」 「転校してバラバラになってくのが悲しいので、学校単位、町単位のサテライト集団疎開を検討してほしい。」
こどもたちの訴えです。(8月17日衆議院第一議員会館 「子どもの声を政府に届けよう!」) それなのに官僚は、「市町村や県や国や、いろいろと立場がありまして、お金が予算が・・・ と言っても、皆さんには説明が難しいと思いますが、とにかくいろいろとありまして、とにかく今日皆さんから改めてお話いただいたので、これを持ち帰って全力で努力をすることをお約束します。」
本当に約束守ってくれるんですか? 原発は安全・安い・クリーン、ぜ〜んぶ嘘だった。 学校にばらまいた原発推進用原子力学習の冊子 こどもを洗脳した『原子力ポスターコンクール』 もう、嘘はたくさん!
■文科省は 『こどもたちに、もう嘘をつくな!』 ■経産省は 『今すぐ泊をトメロ、再稼動ゼロ!』 『こどもを直ちに避難させろ!』 この、3点を訴えます!賛同いただける方は是非、ご参加ください!
■アクション詳細(途中合流も大歓迎です) 18:30〜19:45 文部科学省 19:50〜20:30 経済産業省
■内容 ☆マイクを回しますので、どなたでもマイクアピールできます。 ☆文科省・経産省へ申し入れを行いますので、ひとこと言いたい方は是非ご持参ください。 ☆プラカード、横断幕、鳴り物など大歓迎です。 ☆その後交流会を予定しています。お気軽にご参加ください。
その他の詳細はhttp://toudenmaeaction.blogspot.com/2011/08/909.html をごらん下さい!
★9月3日13時半〜スペースたんぽぽ『さーあ、みんなで考えよう!脱原発への道』 第2回ワークショップ〜だれでも、いつでも、どこでもできるアクションを作ろう〜開催です。
http://toudenmaeaction.blogspot.com/2011/08/blog-post_21.html
4.9月5日「第3回:お母さんお父さん向け保育付き放射能講座」のお知らせ 日時:9月5日 (月), 13:30開場 14:00〜16:30 場所:千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4Fスペースたんぽぽ お話:安田節子(食品研究家。日本有機農業協会理事、埼玉大学非常勤講師。今年の6月に「わが子からはじまる 食べ物と放射能の話」を著しています。) 保育:中村徹、大竹なのは、ほか 資料代:800円 食品の放射能汚染が広がっています。どう向き合っていけばよいかを学び合います。保育士資格をもつたんぽぽ舎スタッフの発案で、お子さんのいる方にも是非気軽に来て欲しいとこの昼間の保育付き講座シリーズが始まりました。保育は人数によりますが同じ部屋の後ろのほうで行うこともあります、講演中たまに子供の声が混じりますがご理解頂けるとありがたいです。もちろん子育て終了、もしくはこれから、の世代の方々のご参加も大歓迎です。
5.「有り得ねぇー」こともない。反対と賛成が一緒に?原発読書会「エスペランサ」シリーズAの報告 エスペランサ・主催者 MOMO
東京・中央線沿線で3月27日から14回に渡る読書会のシリーズAが終了しましたので報告します。 福島事故後、原発に関する本が数々出版されていますし、全国各地で講演・講座が急増しています。それらの多くは落しどころを持って編まれていると思います。「エスペランサ」は落しどころを 持たないようにして、原発反対・賛成・どちらでもない方、誰でも参加できるようにしています。それで成り立つのは、福島事故を無視できないことや、「チェルノブイリ」をなぜ活かせなかったのかや放射線の影響はどんな立場の人にとっても課題だからです。 シリーズAでは2冊読みました。1冊目は『危険な話 チェルノブイリと日本の運命』(広瀬隆 著。1987年、八月書館)で、昔から反原発運動をやっている方はどなたもご存知と思われる本です。2冊目は『つくられた恐怖 『危険な話』の誤り』(紀尾井書房 編集部 監修。1990年、紀尾井書房)で、これの一部約2割を読みました。2冊目は、1冊目の何ページにはこう書いてあるが、それはこうだとコメントする本です。 当然2冊は対立しており、その対立をどう読み解くかで、いわゆる情報リテラシー(活用能力)の向上を狙っていました。ところが2冊目は、1冊目が指摘する点の少しずれた点を指摘しているのであって、真正面から対立していませんでした。1冊目は反原発の説得力のあるものでした。2冊目は、それだけ読むと1冊目は否定されているとの印象を残すでしょう。しかし両方を読むと、2冊目は原発推進の説得力を感じません。 「エスペランサ」シリーズBは、福島事故より少し前の時期に出た賛成・反対の2冊と、新聞社説の読み比べを計画しています。9月下旬開始をめどに準備中です。
6.モンゴルにウラン産業の呪い―先進国 核のゴミ押し付け計画
モンゴルは、社会主義から市場経済へ移行する際、経済的な混乱を鉱物資源で乗り切った国である。2010年の統計によれば、国内総生産(GDP)は約66億ドルで、そのうち鉱業の割合が22.7%、 輸出総額の81%を占める。金、モリブデン、鉄、石炭などが主要品である。ウランの埋蔵量も世界有数だ。一般に、鉱産資源が豊富にあるにもかかわらず、その富が一部既得権者のもとにとどまり、 諸産業が発展しない状態を「資源の呪い」と呼ぶ。モンゴルでも開発に伴う荒廃、許可をめぐる社会的不正、経済格差などがあらわになった。しかし、そもそも270万人という大阪市ほどの人口に過ぎないので何とかやりくりできており、いわゆる「呪い」の病は比較的軽症であるように思われる。そのモンゴルに衝撃が走った。5月9日朝刊で毎日新聞が、モンゴルに核処分場を造る計画に日本が深く関与しているとスクープしたからである。(中略)その後の報道によれば、包括的燃料供給(CFS)構想がアメリカ、日本、モンゴル、アラブ首長国連邦の4国で締結されたらしい。ウラン輸出国に使用済み核燃料を引き受けさせるという国際的な原発推進計画である。モンゴルにウラン産業の呪いが掛けられたのだ! (2011.0831. 毎日新聞 小長谷有紀さん 抜粋)
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