◆ 地震と原発事故情報 その167 ◆ ★1.だんだん脅しも堂に入ってきた 推進側の空論 日本エネルギー経済研究所のウソと論点外しを批判する ★2.再稼働に費やす予算・人員を福島へまわせ ★3.原発より危険な米軍原子力空母NO 三浦半島の活断層・地震が危ない 9/25集会へ ★4.さようなら原発1000万人アクション(地域イベント) 「講演会」と集会・デモの案内 ★5.原発事故 水俣病に学べ―産官学癒着の「人災」 差別ある所に被害、被害認定に住民代表を、 「救済」でなく賠償」―原田正純医師に聞く ★6.東京都(石原知事)の五輪招致資金を被災地に回せ 放射能除染も進んでいないのに4000億円で老後の道楽
★1.だんだん脅しも堂に入ってきた 推進側の空論 日本エネルギー経済研究所のウソと論点外しを批判する
日本エネルギー経済研究所は、原発がこのままフェードアウトして、来年に全部停止しそのまま復帰しないとしたら、日本国内の産業が電力の高騰などで海外流出し、雇用で20万人、経済成長率で3.6%相当を失い、経済の大きな衰退を招くという推計を明らかにし、産経新聞などが盛んにそれを取り上げて煽っている。
こんどは価格の高騰?
原発が止まっても停電が起きなかったどころか、ほとんど逼迫さえしなかったものだから、今度は原子力代替火力のコストと能力に焦点をあてはじめた格好だ。もちろん石油火力の事故停止や水力の水害停止もあったが、一つ一つの設備は大きくないし、多数の発電所が瞬時に一斉に停止したわけでもないので、需給上大きな影響は与えていない。むしろ新潟県などで地震が起きる度に「柏崎刈羽原発が止まるのでは」とひやひやしていたのは東電ではないだろうか。あるいは各地でそれまで地震が観測されていないか、または大きな地震の経験が少ない場所でも地震が頻発し始めていて、その影響で原発が一瞬に多数止まる方が遙かに停電の可能性が高いことは、誰でも知っている。 料金値上げについても、火力代替に対して単純に増大したコスト分を値上げに回して良いわけではない。経産省が同意しなければ大幅な値上げなど出来ないし、だいいち、原発震災で全ての原発が動かせなくなるのだから、代替火力にかかるコストを電力会社が請求できるわけがない。これまで、例えば原発が停止したからと言って値上げを許したことがあったか。
電力値上げなど論外
2002年の東電不祥事に対して翌年2003年には全原発が止まった。夏のピーク時には一部が稼働していたが、設備利用率は大幅に下落し、代わりに休止火力を立ち上げて代替した。これに対して東電は電気料金の値上げなどしていない。ならば今回も料金値上げなどできるわけがない。こういうことを「盗っ人猛々しい」というのだ。 料金値上げを断固認めなければ、電力需給は余裕があるので、結果的に日本エネルギー経済研究所のような未来になるわけがないので、想定そのものが不適当だ。
日本の技術者を甘く見てはならない
電気が不足するというならば、従来の半分の電力で同じだけの仕事が出来る装置を必ず作ってくる。冷蔵庫、クーラー、テレビ、コンピュータ、いくらでも省エネをしてきた。次は鉄道、モーター、工作機械、そういうものを半分の消費電力に引き下げる技術開発をしてくるだろう。そのために投入される資本と労働力は、景気を押し上げる重要な要因になる。なにしろこれは世界中がほしがる技術だからだ。海外に逃げている場合ではないのだ。
★2.再稼働に費やす予算・人員を福島へまわせ 原田 裕史
3・11福島第一原発事故から半年。各地で原発が止まり再稼働できずに現在稼働中の原発は11基(54基中の11基は20%)。日本は「80%脱原発」状態です。このまま再稼働を許さなければ来春には全ての原発が止まり、「原発を使うと放射線廃棄物が……」などと考えずに電気を使える春が来ます。 現在原発業界は「安全な再稼働」を標語に再稼働に向け着々と作業を続けています。本来ならそこに費やす予算と人員は福島第一原発事故の収束や福島の復興に回すべきでしょう。「オールジャパン」で福島対策をしているというのであれば、他の原発の作業 など後回しです。 特に東京電力柏崎刈羽原発。柏崎刈羽原発に労力をつぎ込んでいる間は東京電力が福島第一原発に全力で取り組んでいるとは認められません。焦点となるのは冬の電力需要です。冬の電力需要は電力量は大きくてもピークは夏ほどではありません。今夏の実績を見ても、原発を止めても電気が足りなくなることは無いでしょう。せいぜい多少の省電力ですみます。省電力は経済の効率を上げます。製造業でも流通業でも、省エネに成功すれば利益も増えます。
★3.原発より危険な米軍原子力空母NO 三浦半島の活断層・地震が危ない 9/25集会へ やましろ保男(横須賀市議)
米海軍横須賀基地に原子力空母G・ワシントンが配備されて3周年になります。配備前から原子力空母の安全性について、多くの市民が不安を持ち、疑問を持っていました。私たちが原子炉の危険性を指摘してきたことに対して、米軍や政府が安全対策の根拠としてきた「ファクトシート」の記載は福島第一原発事故の現実が示すように全くの絵空事であることが明らかになりました。 裁判でも核艦船が起こしている多くの事故や過去の地震の資料を示し、国に対してその危険性を訴え続けてきましたが、現段階でも国は米軍の示した「ファクトシート」が安全のシルシだとうそぶいています。現在最高裁に上告している裁判も、受理されるか棄却されるか分からない状況です。9月28日には最高裁に公正な裁判を求める要請行動が行われます。 私たちは、福島原発の事故を教訓としてすべての原発を廃炉にすべく行動を繰り広げていますが、この原子力空母は原発以上に危険なのです。まして三浦半島にある活断層がいつ地震を発生してもおかしくない状況です。 空母の母港化撤回を求める現地集会を下記の要領で開催します。多くの皆様の参加をお願いします。
日 時:9月25日(日)11:00より デモ出発11:50 場 所:横須賀市・ヴェルニー公園(京急汐入駅下車5分)
◇たんぽぽ舎と、「反原発自治体議員・市民連盟」も、 黄色のノボリ旗、横断幕を持って参加します。 一緒に参加しましょう。 柳田 真
★4.さようなら原発1000万人アクション(地域イベント) 「講演会」と集会・デモの案内
*9月16日(金)18:30から20:30 「さようなら原発 南部アクション9.16−鎌田慧講演会」 産業プラザPIOコンベンションホール(参加費500円) (京急蒲田駅徒歩3分 JR蒲田駅徒歩13分) 講演−鎌田慧(1000万人アクション呼びかけ人) 報告−放射能から子どもを守る大田区内の母親たちから 福島原発事故の避難者から 主催−原発なくそう大田実行委員会 http://www.cscreate.net/nonukes/
*9月27日(火)18:30から 「さよなら原発!核廃絶をめざす台東集会&上野WALK」
台東区は杉並区とならぶ原水爆禁止運動の発祥の地です。今回、1000万アクションの呼びかけに呼応し、地域の労働組合や 個人が「台東アクション」実行委員会を立ち上げました。署名や宣伝行動、学習会などを取り組む第一歩の行動として、区内の公園で集会を開催し、皆でパレードします。何方でも参加できるアクションです。会社帰りの方、学生さん、地元の方、是非参加して見て下さい。
集会−御徒町公園(台東4丁目13−3)18:30から 集会終了後、上野かいわいをパレード
主催‐さよなら原発!核廃絶をめざす台東アクション実行委員会 【連絡先‐台東区内労組連絡会(千代田学園労組気)03-3873-6111】
★5.原発事故 水俣病に学べ―産官学癒着の「人災」 差別ある所に被害、被害認定に住民代表を、「救済」でなく 「賠償」―原田正純医師に聞く
○ 天災ではなく、人災。企業も国も責任回避に走る―。公害病の原点となった水俣病と福島原発災害とは共通点が多い。水俣病研究・治療の第一人者で、熊本大助教授や熊本学園大教授を務めた原田正純医師は「この二つは非常に似ていて非なるもの。放射性物質による被害はもっと複雑で対策は困難だ」と語る。「水俣の教訓を生かし、腰を据えて問題に取り組まねば」と話す原田医師に聞いた。
○ 福島原発事故では、空気や土に加え、高濃度の汚染水が海に放出され、魚介類などからも高濃度の放射性物質が検出された。放出の際、複数の専門家たちは「放射性物質は海水で薄まるので、環境への影響は少ない」などとコメントした。 原田医師は「これを聞いて,僕は腰をぬかすほど驚いた。海で薄まるから大丈夫なんて、学者のいうことか。水俣では海で薄められた有機水銀を食物連鎖で魚介類が濃縮して大変なことになった。教訓がまったく生かされていない」と憤る。当初、原田医師は原発事故は地震と津波による天災だと思った。だが、次第に「人災だ」と確信するようになった。(中略)水俣病と原発事故の共通点に思い をはせる。「行政は自分らに都合が良い学者だけを重用する。僕は何十年も水俣病患者を診てきているけれど、一度も行政の委員会に呼ばれたことはない。国から一銭も研究費をもらってないのは、むしろ誇りですけどね」原発の危険性を指摘する学者たちも徹底的に排除されてきた。「原子力は国家そのもの。圧力は水俣病の比ではないだろう」と推測する。原田医師は「被害の認定をする機関は医 者だけで構成してはだめだ。住民代表を入れる必要がある」と訴える。(中略)
○ 水俣病では当初「母体に守られた胎児に影響はない」という説が支配的だった。しかし、「みんな同じ症状じゃないか」という当事者の母親たちの言葉をきっかけに、原田医師らは胎盤を通じて中毒になる胎児性水俣病を初めて立証した。原田医師は「水俣病みたいな単純な構造で起きた病気でも、一定のめどがつくまでに50年以上かかっちゃった。原発災害では、被害者を交えて議論を公開して いく必要がある」と強調する。「初期に健康調査をやるのはいい。だが『被害はなかった』という言い訳に使われてはならない・・・住民の不安を取り除く目的で調査をすると、被害の過小評価につながりかねないからだ。…住民の長期的な健康管理や体調の異変に対応できる恒久的な窓口の設置が不可欠、一方、調査が新たな差別を生まないようにしなければ。将来起こりうる差別にどういう手だて を講じるのか。政治家を中心に全力で考えないと」加えて、原田医師がよく使うのが「差別のある所に公害はうまれる」という言葉だ。「僕も最初は病気のせいで水俣病患者が差別されていると思っていた。だが、世界各地の公害現場を歩くうち、差別される場所に公害というしわよせがくると分かった。原発も都会で使う電力を地方でつくり、廃棄物まで押し付けられる。・・・納税者は被害者救済という第三者感覚ではなく、東電や国の責任を明確にしなくてはならない」 (2011.9.8東京新聞より抜粋)
★6.東京都(石原知事)の五輪招致資金を被災地に回せ 放射能除染も進んでいないのに4000億円で老後の道楽
石原都知事が掲げる2020年東京五輪のテーマは「東日本大震災からの復興」である。何故、東京で五輪を開催することが「東北復興のシンボル」になるのか。被災者にしてみれば「俺たちを自己PRに利用するな」と言いたくもなるだろう。 それでも石原が“五輪招致ゲーム”のために「被災者」を利用したいというなら、積み上げてきた4000億円超の「五輪基金」の一部を被災地支援や放射能汚染対策に回したらどうだ。それくらいやっても、決して都民は怒るまい。 実際、震災後の記者会見では、「4000億円の五輪基金を震災復興に回さないのか」「条例を改正すれば、使途変更が可能だ」と質問されている。断っておくが、東京だって、震災や放射能と無縁ではない。政府の中央防災会議は「東京湾北部地震」や「多摩直下地震」の危険性を警告している。東日本大震災を受け、防災対策を強化する必要がでてきたのである。放射能汚染についてはもっと深刻だ。 東京を含めた周辺地域と被災地での除染費用の総額は天文学的数字になる。毎週のように南相馬市に足を運び除染作業を続けている東京大学の児玉龍彦教授は「数十兆から100兆円」とはじいている。(9/7日刊ゲンダイより抜粋)
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