ボイス・オブ・ロシア(VOR)は米国がサウジアラビアなど湾岸アラブ諸国に兵器を販売していると伝えている。米国のイラク撤退後に備えたイラン対策ということになっている。
’About 4,900 high-precision aviation bombs and other shells will be supplied to Saudi Arabia in the near future. ’
VORによれば米国は約4900発のハイテクミサイルなどを今後サウジアラビアに販売するようである。さらにサウジアラビアには今後数か月のうちにF−15戦闘機を含めた600億ドル相当の兵器と装備を売却するという。また、オマーンには12億5000万ドル相当の対空ミサイルを売却するという。イランの脅威を強調することで、米国は兵器を売却でき、国内の不況対策を行うことができるとVOAは冷ややかに見ている。
the Moscow State Institute of International Relations のSergei Druzhilovsky教授は、湾岸アラブ諸国が米国傘下でイラン包囲網を強化しても、現実にはイランの抑止にはなっていないとその効力に疑問をはさんでいる。現実に湾岸で力となりえるのは米軍のみであり、それはサウジアラビア、クウェート、バーレーンにおける米軍基地と、ペルシア湾に配置された米艦隊であると分析している。
http://english.ruvr.ru/2011/11/11/60236281.html ちなみに、米軍基地のあるこれら湾岸アラブ諸国では「アラブの春」は成功しなかった。
■「バーレーンの選挙」
バーレーンでも今春2月、「アラブの春」の影響で人口の大半を占めるシーア派のデモが行われた。しかし、サウジアラビアから鎮圧部隊がやってきて、反政府派を抑え込んだ。ニューヨークタイムズによると、バーレーンの国会議員(下院)は40人で構成されるが、そのうちシーア派で構成される最大野党Wefaqの18人が「アラブの春」の弾圧に抗議して辞任していた。9月24日の選挙はその補欠選挙だったが、主要な野党が参加しなかったため、投票率は低い数字になった。しかし、バーレーン政府はテレビクルーなどの投票場の取材を禁止し、投票は盛況だったと発表していると言う。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201110100310551 ■独レオパルド戦車200台 サウジへの売却が発覚
ドイツの野党はドイツが戦後、「武器輸出を極めて限定してきたのに反し、今度の輸出計画はそのポリシーを覆すものだ」と批判している。ドイツはこれまで交戦国や人権蹂躙が生じている国、もしくは紛争の可能性が高まっている地域などには武器を売らないという方針を守ってきた。 この輸出が特に問題視されている背景にはサウジアラビアがバーレーンで起きている民主化運動の鎮圧にテコ入れしてきたことが挙げられる。さらに、アラブ国であるサウジアラビアに戦車を売ることはイスラエルに対する脅威にもなり中東地域の緊張を高めると言われている。 ニューヨークタイムズによればサウジアラビアはエジプトやリビアで起きているアラブの民主化の動きをオバマ政権が支持していることに憤っていた。ドイツの戦車売却はこうしたサウジアラビアの王室を懐柔するものである、との見方が西側にはある。 そして、ドイツのソースによれば米国とイスラエルはともにドイツ戦車のサウジアラビアへの売却を承認していたとされる。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201107100847170
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