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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2012年01月25日16時13分掲載
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ロシアン・カクテル
(34)冬のシンボル、トロイカに「無限の空間」の響き タチヤーナ・スニトコ
「国」というのは地図上の場所だけをいうのではない。それは,様々な感覚や音や匂いその他の入り混じったものです。
「冬のロシア」を感じる方法とは? 答えは簡単です。それはトロイカに乗ることです。トロイカに乗ると,耳に雪のざくざくいう音が聞こえ、そのスピードのために雪が顔に当たり、頬に当たる風は冷たく,又トロイカの鈴のメロディーが心地よく響き,輝く銀世界が一面に拡がります。
「トロイカ」の由来は郵便局です。トロイカは18世紀のまだ鉄道がなかった時代に “速達郵便”の役割を果たしていました。トロイカの馬の数は三頭で(トロイカ;тройкаはロシア語で“三つ”を意味します)、真ん中の馬は背が高くて力の強い馬が「だく足」で走り、両側の軽い馬は駆け足(ギャロップ)で走ります。ギャロップで走っている二頭の馬が真ん中の馬を背負うように引っ張って行きます。そうすると、馬たちはそんなに疲労することもなく、結果として、トロイカのスピードが上がって時速は50キロメートルにもなります。
18世紀には、街道の30-40露里(露里・ロシア語:верстаは1.06キロメートルに相当)毎に、交代用の“御者の家”(ロシア語:ямские избы)が作られていて、その“御者の家”で馬を変えるのでした。鈴の音が遠くから(5露里ぐらい距離から)聞こえてくると、御者(ロシア語:“ямщик”ヤムシーク)は新しい馬を用意しました。“トロイカ”と“ヤムシーク”という言葉は古いロシア民謡やロマンスによく出てくる言葉です。鈴はサンクト・ペテルブルグとモスクワの中間にあるヴァルダイ(ロシア語:Валдай)という小さい町で作られましたので、ヴァルダーイスキイと言います。(ヴァルダーイスキイ・コロコーリチクвалдайский колокольчик)
作家のゴーゴリは小説『死せる魂』の中で、ロシアを疾走するトロイカに喩えています。トロイカはロシア人の心に心地よく響く言葉で、ロシアの「無限の空間」を表します。無限の空間というものはいつでも不確かで未知なるものなのです。この感情の故に、人は運命や幸運といったものを信じたくなるのです。
トロイカはロシアの冬の田舎の祭りの欠かせないものです。「冬を送り・春を迎える祭り」(ロシア語:“Масленица マースレニツァ「バター週間」)は例年ひどい寒さの時期に行われるので、トロイカに乗る時には寒さ対策としてロシアの伝統的な飲み物であるヴォッカを飲むのが人気です。このためか,様々なヴォッカのラベルにはトロイカが描かれています。
観光客はモスクワではソコリニキ(Сокольники)公園とクジミヌキ(Кузьминки)屋敷、サンクト・ペテルブルグではツァールスコエ‐セロー(Царское Село皇帝の村)とパブロフスク市(Павловск;サンクトペテルブルグの南約30キロメートルにある町)でトロイカに乗ることができます。
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トロイカ
ウォッカのラベルのトロイカ
19世紀のトロイカ





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