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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2012年04月03日11時20分掲載
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人権/反差別/司法
「南京事件」否定発言 〜〜河村名古屋市長に公開質問書提出しました〜〜 池住義憲
3月26〜29日の四日間、上海と南京へ行ってきました。南京市内の戦跡などを回った後、南京大虐殺記念館(中国語表記『侵華日軍南京大屠殺遇難同胞記念館』)を訪問しました。記念館入口に、「歴史は鏡であり、歴史の教訓を忘れてはならない」と書かれてあります。出口には、「あなたは覚えていますか?」とあります。言葉を発することができないほど数々の日本軍による虐殺行為の写真・展示・証拠を見た最後の出口で、「あなたは覚えていますか?」と語りかけています・・・。
記念館の朱成山館長は、去る2月20日河村たかし名古屋市長の「南京事件」否定発言にたいして、一ヵ月余経ったいまも、つよい怒りと憤りを表明されました。南京で日本軍が行なった大虐殺の生存者と遭難者遺族の心をひどく傷つけ、人間への冒涜であると指摘されました。
歴史事実をただしく認めることが、「信頼」と「友好」の出発点となります。歴史事実を認め心からの謝罪と反省と賠償をすることが、「赦し」と「和解」へと繋がります。「友好」「平和」づくりとは、そういうことです。
河村市長の発言は、単に個人の不勉強な偏った好みの問題にとどまりません。市長という公職にあって、「サンフランシスコ講和条約11条」を否定し、准公的文書として位置づけられる「日中歴史共同研究委員会報告」を否定し、日中両国関係に多大な損害をあたえ不信をつくりだす大問題です。友好・平和に真っ向から反する言動です。
市長は、自身の発言が公職にとどまることが許されないほど深刻な問題であることを、未だ認識していません。
今日(4月2日)午後、添付ファイルにあるとおり、「公開質問書」を提出してきました。残念ながら河村市長に直接会って渡すことはできませんでしたが、名古屋市市長室の国際交流課長と20分ほど面談し、説明をして公開質問書を手渡ししました。
質問書提出にいたる経緯・背景と、5つの質問を書き送っています。是非読んでください。4月13日(金)までに文書で回答が送られてくると思いますので、その内容も「メール通信」でお知らせします。
「南京事件」否定発言に関する公開質問書
2012年4月2日 名古屋市長 河村たかし様
「アジア太平洋・平和文化フォーラム」代表世話人 天野鎮雄、池住義憲、長峯信彦、西本伸、水野磯子
「アジア太平洋・平和文化フォーラム」(以下「フォーラム」)は、2011年7月、文化・芸術交流を通して相互理解と協力関係を深め、アジア太平洋地域の平和に貢献することを目的として設立された団体です。この度私たちフォーラムのメンバー5人は、3月26日より29日までの四日間南京を訪問し、南京市内にある南京大虐殺記念館(中国語表記『侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館』、以下記念館)の朱成山館長と会い、話し合いの時を持ちました。
朱館長は、南京の姉妹都市である名古屋市の市長が、去る2月20日、南京市から名古屋市を表敬訪問した南京市共産党委員会常任委員ら訪日代表団に対して「南京事件」を否定する発言を行ったことについて、あらためて強い怒りと憤りを表明していました。私たちは、市長の「南京事件」否定発言がいかに中国国民とくに南京市民のこころを傷つけ、両市間の信頼と友好関係を壊している実情を改めて深く感じさせられました。
朱館長との面談を通して私たちは、河村市長の「南京事件」否定発言の翌日(2月21日)、朱館長が記念館のホームページに河村市長宛の「公開抗議書」を発表し、中国国内のマスコミが転載および掲載したことを知りました。これは中国の公的機関の責任者からの抗議で、しかも広く公開されているものです。
朱館長との話し合いを受けとめて、私たちは以下の5点、名古屋市民ならびにマスコミに公開したかたちで質問します。こうした内容の公開質問書を名古屋市長に提出することは朱館長との面談でもお伝えしてあり、本質問書に対する河村市長からの回答は朱館長にお伝えする予定です。回答は文書で4月13日(金)までに、フォーラム事務局宛(末尾に記載)へ郵送又はファックス送信ください。
◆◆ 公開質問事項 ◆◆
1.去る2月21日発表された侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館朱成山館長からの河村たかし名古屋市長宛の「公開抗議書」をご存知ですか? すでに入手していて応答をされている場合は、そのやりとりの内容を私たち市民に公開する意志はありますか?
2.1948年11月の極東国際軍事裁判(東京裁判)判決は、「日本軍が占領してから最初の六週間に、南京とその周辺で殺害された一般人と捕虜の総数は、二十万以上であったことが示されている.これらの見積が誇張でないことは、埋葬隊とその他の団体が埋葬した死骸が、十五万五千に及んだ事実によって証明されている。これらの団体はまた死体の大多数がうしろ手に縛られていたことを報じている。これらの数字は、日本軍によって、死体を焼き棄てられたり、揚子江に投げこまれたり、またはその他の方法で処分されたりした人々を計算に入れていないのである」と記されてあります。また南京戦犯軍事法廷は「その犠牲者は合計30余万人である」と判決しています。 地方自治体名古屋市の市長として、これらの連合軍の国際裁判判決という「歴史事実」をどのように受け止め、理解していますか? 肯定していますか、否定していますか? その理由は何ですか? 市長としての立場からお応えください。
3.1951年に日本政府が締結調印した「サンフランシスコ講和条約」の第11条(戦争犯罪)には、「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の判決を受諾し、且つ日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする」と記されてあります。 地方自治体名古屋市の市長として、この「歴史事実」をどのように受け止め、理解していますか? 肯定していますか、否定していますか? その理由は何ですか? 市長としての立場からお応えください。
4.2006年11月のAPEC閣僚会議の際の日中外相会談で合意され、2008年5月胡錦濤国家主席訪日時に両国首脳間で高く評価され研究活動継続で一致した「日中歴史共同研究委員会の報告書(2010年1月)を、地方自治体名古屋市の市長としてどのように受け止め、理解していますか(とくに日本語論文第2章並びに中国語論文第2部第2章)? 尊重していますか、尊重していませんか? その理由は何ですか? 市長としての立場からお応えください。
5.去る2月20日、南京市から名古屋市を表敬訪問した南京市共産党委員会常任委員らによる公的な訪日代表団に対して行った「南京事件」を否定する発言を、地方自治体名古屋市の市長として撤回する意志はありますか、ありませんか? その理由は何ですか? また、両市間の壊れた信頼・友好関係を、今後どのように修復させていこうと考えていますか? 市長としての立場からお応えください。
以上
【送付先】〒456-0006名古屋市熱田区沢下町9-3 「アジア太平洋・平和文化フォーラム」事務局宛 (電話:052-883-6971 Fax:052-883-6972)
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