昨年11月、中央公論新社の選書シリーズから、筆者が住む英国のメディアの歴史をまとめた「英国メディア史」を出版する機会を得た。書店に平積みになるような本ではなく、目に付きにくい書籍ではないかと思う。読まれた方がどんな感想をもたれたのかをまとめてみた。(ロンドン=小林恭子)
グーグル検索などで少々拾ってみました。
*お勧め本を紹介するサイト、「HONZ」の書評 メディアは、これから 『英国メディア史』
http://honz.jp/6818 一部抜粋します。
「大英図書館が「British Newspaper Archive」というサービスを開始した。このサービス何がすごいかというと、アーカイブしている情報量とその古さだ。なんと、1800年以降にイギリスで発行された新聞のほとんど全てをカバーしており、そのデータに自宅のPCから容易にアクセスできる(1700年代のデータもあるようだ)。1800年といえば日本は寛政12年、11代将軍徳川家斉の治世であり、伊能忠敬が蝦夷をせっせと測量していた時代である。世界に目をやれば、人口はまだ10億に満たず、欧州ではナポレオンが台頭していたと言えば、よりその時間の長さを感じられるだろうか。」
「ひとたび検索窓にキーワードを入れてみれば、その検索対象となっている新聞の多さに改めて目を見張る。何しろ、今後10年間で4000万ページのデジタル化を完了する予定である。記事の閲覧には年間約1万円が必要となるが、検索結果は無料で見ることができるので気になる検索ワードのヒット件数の時系列変化を見ても面白い。さすがは、Times、The Economist、Financial Timesなど世界のクオリティペーパーを輩出した英国といったところだろうか。」
「本書の対象の中心はそんな英国の、新聞、テレビ、ラジオである。これらのメディアがどのような背景から生まれ、どのように普及していったのか、また、どのように歴史を動かしてきたのかを概観することができる。」
結論はー。
「500年に渡るメディアと歴史の交錯を鳥瞰することで、未来の変化へ向けた疑問と、それを読み解くヒントが浮かんでくる。」
著者としては、こんなにしっかり読み込んでくださり、恐縮の思いがしました。
*産経新聞SANKEI EXPRESS 掲載 Viva Europe イギリス 時代超える記者魂に感動
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120109/erp12010910430003-n1.htm
これを書かれた記者さんに、「技術の進展がメディアを回してきた」といわれ、改めて、そうだなあと気づいた次第。やはり読む人によって、いろんな読み方ができるのだろうなあと思いました。
*新世界読書放浪
http://neto.blog10.fc2.com/blog-entry-7611.html
「タネ本があってもこれだけの量を書くのは大変だろう。読むのも大変だったけど」−という箇所に、思わず苦笑!!!「本当に読むのが大変だったでしょうね・・・」と思いつつ、「分かります!」の気持ちでした。
*読書メーターブログ
http://book.akahoshitakuya.com/b/4121100042
*資料保管庫・管理人のひとりごと
http://blog.goo.ne.jp/4thestate/e/c7aefed46d39a8e1778c7cc9c35b8823 感謝。
*「週刊読書人」2011年12月23日号 マスコミ回顧 上智大学鈴木先生のレビュー
http://pweb.cc.sophia.ac.jp/s-yuga/Article/Media_BookReview11.pdf
*週刊東洋経済1月21日号
「5世紀を超える変転の姿が描かれる大著。政治権力と戦いつつ、同時に大衆の興味をかき立てることに腐心する。いかにも個性豊なメディア人たちが担い手として続々と登場し、異国とはいえ新聞・放送のあり方を考えさせられる。
電話盗聴によってニューズ・オブ・ザ・ワールドが廃刊になる、21世紀冒頭の10年が本書の真骨頂だ。放送ばかりでなく、Webとの戦いも熾烈になり、新聞界ののたうち回る姿が印象的だ。無料紙や「Webファースト」戦略、さらには「ウィキリークス」活用も功を奏さず、2010年にはインディペンデントのような高級紙も、全面カラー廉価版を創刊して窮状を打開しようとする。
膨大な史料をひもときつつ、著者は冷静にジャーナリズムの観点から見つめる。日本のメディア界との違いが浮き彫りになるが、激変するメディア環境は共通しており、必ずしも英国の特異性だけではとらえ切れない事実に満ちている。」
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みなさん、ありがとうございました。
個人的に読後感を送って下さった方もたくさんいらっしゃいます。感謝します。日本にいたときには、直接の感想もいただきました。「知らないエピソードがたくさん入っていて、驚いた」、「一気に読んだ」、「私だったら、タイムズが頂点となる章を先に置くよ」、「インターネットへの言及が少ない」、「ロイターが金融経済情報を専門に扱って変身してゆくさまをもっと知りたかった」などなどー。
手に持つと厚い本なのがやや難ですが、「おそらく」、「ええ!」というエピソードが見つかるのではと思います。
てにをはや事実の間違いを見つけられた方、「これを入れてほしかった」、あるいはお叱り・批判の感想など、引き続き、メールしていただけたら幸いです。ginkokoba@googlemail.com
(ブログ「英国メディア・ウオッチ」より)
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