ステファン・エセル(Stephane Hessel )氏と言えば、アメリカを揺さぶった「オキュパイウォールストリート(ウォール街を占拠せよ)」運動のパンフレットとなった「怒りなさい!」の著者として知られる。エセル氏はユダヤ人でホロコーストをかろうじて逃げ切り、フランスのドゴール将軍の元で抵抗運動に携わったのち、1948年には世界人権宣言の起草委員になっている。
そのエセル氏がパリの自宅で、イスラエルの新聞ハーレッツ紙のインタビューを受けた記事が掲載されている。エセル氏はイスラエルのパレスチナ占領に反対しており、イスラエルの平和には、イスラエルとパレスチナの2国間による平和への取り組みが欠かせないとしている。この努力によって、イスラエルは高額の軍事予算から解放され、その資金を雇用対策に回せば、若者たちの不満も解消できると考えているようだ。また、エセル氏は1国内でユダヤ人とパレスチナ人が共存することは現状では現実的ではないとしている。
’As long as Palestinian violence exists, but not a Palestinian state, Israel is in danger. That is why I have always supported a two-state solution. I know there are voices today urging one state which will accommodate Jews, Muslims and Christians. That idea is completely unrealistic.’
「パレスチナ国家の代わりに、パレスチナによる暴力がある限り、イスラエルは危険な状態にある。だからこそ、私は二国家による解決を望んできた。もちろん、ユダヤ人、イスラム教徒、そしてキリスト教徒が1つの国に共存すべきだという声を知らないわけではない。しかしながら、それはまったく現実性を欠いた意見である」
http://www.haaretz.com/weekend/magazine/best-selling-french-author-and-holocaust-survivor-has-some-advice-for-israel-1.417320 ■フランスからの手紙24 「現代の黙示録?」
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201201041101423 「ここで触れておきたいのはステファン・エセル(Stephane Hessel)が2010年に出版した本「Indignez vous !(怒りなさい!)」の中でまさしく「怒りなさい」と訴えていることだ。ヘッセルは94歳になる品格のある人物で、第二次大戦中はナチに対するレジスタンス活動を行い、強制収容所から生還した。エセルは1948年に「世界人権宣言」を世に出した執筆者の一人である。彼は2010年に出したこの本の中で、第二次大戦後に導入された人間の暮らしを守るための社会制度が根こそぎ、フランスでは特にそうだが、世界中で解体されてしまったと指摘している。」
■Stephane Hessel著「Indignez-vous!」(英訳のタイトルは「Time for Outrage(怒るとき)」)
http://www.amazon.co.jp/Indignez-Vous-Stephane-Hessel/dp/291193976X ウィキペディアによれば初版わずか6000部だったこの冊子は瞬く間に世界で翻訳され、350万部が売れた。 エセルはまたパレスチナ問題でもパレスチナ難民の立場に立ち、シオニズムに批判的な発言をしているようである。 ウィキペディアによればエセルはドイツ系ユダヤ人の作家フランツ・エセルの息子としてベルリンに1917年に生まれ、1924年にパリに移住した。余談ながら、彼の両親はフランソワ・トリュフォーが監督したヌーヴェル・ヴァーグの傑作「突然炎のごとく(原題「ジュールとジム」)」のモデルだったそうである。
■「デモクラシーナウ!」(2011年10月10日)にステファン・エセルが登場している。「ウォール街を占拠せよ」や「アラブの春」など、2011年の市民運動に影響を与えた人物がエセルと考えられているようだ。http://www.democracynow.org/blog/2011/10/10/stphane_hessel_on_occupy_wall_street_find_the_time_for_outrage_when_your_values_are_not_respected
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