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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2012年07月08日00時09分掲載
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文化
フランスからの手紙27 〜ポルトガル人がアンゴラに移民〜L’émigration portugaise en Angola パスカル・バレジカ
これまで移民の流れはそれが合法であれ、非合法であれ、アフリカから欧州に向かうものだった。しかし、ポルトガル、スペイン、ギリシアのいわゆる「南欧」が直面している深刻な不況を前に、これまでと異なる事態が生じており、非合法に欧州からアフリカに向かう流れが生じている。
2012年4月、アルジェリアの沿岸警備隊が4人のスペイン人の非合法入国者を逮捕した。2月には20人のポルトガル人がアンゴラの首都ルアンダでつかまり、リスボンに送還された。というのも、彼らのビザは偽造だったからだ。その前の年には42人のポルトガル人の不法労働者がアンゴラから退去させられた。
ポルトガルでは次第に職を見つけるのが困難になっている。そのため、ポルトガル人たちはブラジルやアンゴラなどポルトガル語圏の国に出稼ぎに旅立っていく。しかも、彼らは情報処理技術者、技師、経営者、起業家、教師のように、学歴のある若者たちだ。そのため、「頭脳流出」と最近言われるようになっている。また、資格のある労働者としてトラック運転手、クレーン操作員、建設技術者、電気技師らも出稼ぎに出ている。ポルトガルの不況はもう彼らに仕事がないほど深刻なものなのだ。
ポルトガルでは16歳から25歳の若者9万5千人が仕事につけないでいる。失業率は15%に達する。その一方、アンゴラにはポルトガル人が働ける仕事があるのだ。しかも、労賃もポルトガルより高い。たとえばポルトガルで1000ユーロ稼いでいた技師がアンゴラに行けばその4倍の給与を得られる。
もう何年も前から、2〜3万人のポルトガル人がアンゴラの当局に労働ビザを申請している。2008年、リーマンショックの起きる前の段階ですでに5万6千人のポルトガル人がアンゴラに移り住んでいた。一方、アンゴラからポルトガルに移り住んだ人は3万4千人である。現在では10万人以上のポルトガル人がアンゴラで暮らしている。
アンゴラはかつてポルトガルの植民地で、独立したのは1975年だ。その後、内戦が長く続いたが、現政権は穏健で民主的である。しかしながら、前例のない景気拡大の波に乗っている。特にダイヤモンドと石油のおかげだ。2008年にどちらもアンゴラがアフリカ第一位の生産国になったのである。経済成長率はリーマンショック後の2009年に6.2%に低下したが、今年は10%から12%になりそうだ。アフリカでは南アフリカにつぐ移民の受け入れ国になっている。
アンゴラでは銀行業界が発展し、ビル建設が進んでおり、そのため資格を持つ労働者が必要になっているのだ。アンゴラとポルトガルの間の経済関係は非常に緊密だ。アンゴラ社会はポルトガルに投資している(特にアンゴラの大統領の長女、イサベル・デ・サントスは恐るべき実業家である)。その投資もあらゆる分野にわたる(金融、エネルギーからブドウ園までだ)。だから、アンゴラ人は冗談に「ポルトガルはアンゴラの植民地となるだろう」と言っている。この新たな現象は実際に起きている歴史の逆転現象と言えるだろう。
寄稿: パスカル・バレジカ(Pascal Varejka) メールアドレス (言語は英仏伊) pascal.varejka@gmail.com 翻訳: 村上良太
■アンゴラ共和国
アフリカ大陸の南部にあり、西海岸に面する。コンゴの南、ナミビアの北に位置する。大西洋をはさんではす向かいにブラジルが位置する。http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/angola/index.html 面積は124.7万平方キロ(日本の約3.3倍)、人口は1850万人。首都ルアンダは西海岸に面し、約450万人が居住する。
「1975年独立以来の長期にわたる内戦により経済は極度に疲弊したが、石油、ダイヤモンド等の鉱物資源に恵まれている他、農業、漁業等の潜在能力も高く、高い経済成長率を維持している(2009年は世界経済危機により鈍化)。特に石油については、ナイジェリアに並ぶサブサハラアフリカ最大の産油国であり、当面は石油に依存した経済発展が続くと見られる。なお、2007年1月には石油輸出国機構(OPEC)に加盟し、2009年は議長国を務めた。一方、アンゴラ政府は石油依存型経済からの脱却を図るため、農林水産業、製造業の振興等の産業多角化も図っている。」(外務省による)
■ポルトガル共和国
面積は91985平方キロ(日本の約4分の1)で、人口は約1056万人。http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/portugal/data.html 「2012年に実施される財政緊縮策の主な内容は,月収1100ユーロ以上の公営企業職員を含む公務員及び年金受給者の夏季・クリスマス休暇手当の廃止(2013年まで),各種診察に係わる自己負担額の大幅引き上げ,付加価値税の軽減税率(6%)及び中間税率(13%)対象品目の税率引き上げ(例:飲食店・レストラン13%→23%,文化的興業(映画,劇場等)6%→13%),医療・教育分野における個人所得税の税率上位2段階(6万6000ユーロ以上)の控除廃止等。」(外務省による)
以下は元のテクスト
■L’émigration portugaise en Angola
Jusqu’ici, le flux migratoire, officiel ou clandestin, de travailleurs, s’est dirigé de l’Afrique vers l’Europe. Mais compte tenu de la terrible crise économique et sociale à laquelle est confrontée l’Europe du Sud ’ (Portugal, Espagne, Grèce), il semble que les choses changent et qu’une immigration clandestine de l’Europe vers l’Afrique soit en train d’apparaître : en avril 2012, les garde-côtes algériens ont arrêté quatre immigrés clandestins espagnols ; en février, 20 Portugais ont été interceptés à Luanda, en Angola, et renvoyés à Lisbonne parce que leurs visas étaient faux ; l’an dernier, déjà, 42 Portugais qui travaillaient au noir en Angola ont été expulsés.
En fait, comme il est de plus en plus difficile de trouver du travail au Portugal, les Portugais sont de plus en plus nombreux à partir travailler au Brésil ou en Angola, deux pays de langue portugaise. Ce sont surtout des jeunes diplômés - informaticiens, ingénieurs, gestionnaires, entrepreneurs, enseignants, au point qu’on a commencé à parler de ’ fuite des cerveaux ’ - ou des travailleurs qualifiés - chauffeurs de camions, grutiers, travailleurs du bâtiments, électriciens.
Il semble que le gouvernement portugais encourage cette tendance : la récession est telle qu’il n’est plus possible d’y trouver du travail. Le Portugal compte plus de 95.000 jeunes de 16 à 25 ans sans emploi et le taux de chômage y est proche de 15 %. Par ailleurs, les Portugais peuvent trouver du travail en Angola, mais aussi un meilleur salaire : un ingénieur qui gagne 1 000 euros au Portugal peut gagner quatre fois plus en Angola.
Depuis plusieurs années, entre 20 000 et 30 000 personnes demandent un visa de travail aux autorités angolaises. En 2008 déjà, avant le début de la crise, 56 000 Portugais étaient installés en Angola, contre 34 000 Angolais au Portugal. Aujourd’hui, plus de 100 000 Portugais vivent en Angola.
L’Angola, une ancienne colonie portugaise devenue indépendante en 1975, a subi une longue guerre civile et son régime est modérément démocratique. Mais le pays connaît un essor économique sans précédent, en particulier grâce aux diamants et au pétrole, dont il est devenu, en 2008, le premier producteur africain. La croissance, descendue à 6,2 % en 2009, après la crise, devrait se situer cette année entre 10 et 12 %.
Et c’est le pays de la région qui attire le plus de migrants après l’Afrique du Sud. Les banques se développent, le pays de couvre de chantiers et a donc besoin de travailleurs très qualifiée. Les liens économiques sont très étroits entre les deux pays, les sociétés angolaises investissent au Portugal (la fille aîné du président angolais, Isabel dos Santos, en particulier, est une redoutable femme d’affaires), dans tous les domaines (banques, énergie, vignoble) et parfois les Angolais disent en plaisantant que le Portugal deviendra bientôt une colonie angolaise.
Ce phénomène tout à fait nouveau constitue un véritable renversement des tendances historiques.
Pascal Varejka
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パスカル・バレジカ氏 ジャーナリスト。またパリやプラハの都市史を多数執筆。「図像で見るパリの歴史」「中世のパリ」「欧州の奇妙な象」、ガイドブック「パリ」など。イタリア語の芸術本、歴史書、ガイドブックなどを仏訳する翻訳家でもある。
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