9月10日にインドのクダンクラム原発で平和的な抗議デモに対する大弾圧がありました。クダンクラムの人々は世界に連帯を呼び掛けており、私たちも9月25日にインドを訪問しようとしました。しかし、下記の書簡に書いたような出来事があり、入国拒否され強制送還となりました。(中略) 私たちのような小さな個人を標的にして入国を拒否するような、秘密主義と非民主的な態度がいったい何をもたらすのか、強い懸念を覚えます。そのような閉鎖された文脈の中で、武装警官隊が民衆に催涙ガスやこん棒で襲いかかり、力で民衆を抑え込みながら核がさらに膨張していくことに恐怖を感じます。(ノーニュークス・アジアフォーラムの記事から)
(ノーニュークス・アジアフォーラムが発信した英文の書簡の日本語訳を 抜粋で紹介します。全文はホームページをご覧ください http://www18.ocn.ne.jp/~nnaf/118a.htm ) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 核のない未来をめざす友人たちへ タミルナドゥ州で、クダンクラム原発に反対する歴史的な運動が続いています。世界中の人々が、その闘いに感銘を受け、連帯の意を表明したいと思っています。 私たちも、連帯の思いを伝えるため9月25日にインドを訪問しようとしましたが、チェンナイ空港で入国を拒否されました。1時間以上に及ぶ取り調べの後、入国拒否の書類に書かれたことばは「Inadmissible person(容認しがたい人物)」でした。欧米から核の商人を次々と呼びこんでいるインド政府が、私たちのような小さな市民の入国を拒否したことは、許されることではありません。私たちの経験を皆さんにも知っていただきたくてこの手紙を書いています。(中略) 「あなたたちが国内線を予約したことはもうわかっている。だから、いくんだろう?誰があなたたちを招待した? 今ここの到着ゲートで待っているのは誰だ? トゥティコリン空港に誰が迎えに来る? 彼らの名前を言いなさい。電話番号も言いなさい。抗議行動に参加するんだろう!」彼らは大声で矢継ぎ早に質問してきました。そしてさらに驚いたことに、彼らはすでに私たちのインドの友人たちの名前を知っていたのです。私たちは恐怖を感じました。友人たちに何かが起きるのではないかと感じたのです。私たちは答えませんでした。 (中略) 原発に賛成する科学者や、原子力産業から金をもらった人々が次々とインドを訪れ、原発を擁護する発言を行っていることはよく知られています。こうした人々のインド訪問は、インド政府によって許可されて行われているというよりは、奨励されて行われています。インドが民主主義を標榜するなら、反対の見解を述べることも奨励されてしかるべきなのではないでしょうか。 (中略) インド政府が私たちを入国拒否とし、インドの人々が私たちのために温めていてくれたもてなしの気持ちを無にしたことは、本当に残念なことです。民主主義の社会においては、とりわけ原発のように複雑な問題を含んだ技術については、抑圧されない雰囲気の中で、自由で公平な議論を尽くす必要があります。インドの原発推進側に、自由で公平な議論への準備ができていないことは明らかです。(中略) 原発に関して自分たちとは違う意見を持っているというだけでインド政府が私たちを入国拒否にしたことは、民主的な理想や言論の自由に関して脆弱であることの表れではないでしょうか。私たちは、このように秘密主義に貫かれた抑圧的な文脈の中で、原発のような危険な技術を導入することの結果を考えると、非常に恐ろしく感じます。 今回、私たちはクダンクラムの人々や、クダンクラムの人々に心を寄せる人々に会うことができませんでした。彼らに会えなかったことは、本当に残念でした。しかし入国を拒否されたことによって、私たちの懸念はさらに強まり、 連帯の思いはさらに強まりました。原発推進側は、世界規模で緊密に連携しています。そして、核の被害にも国境はありません。ならば私たちも、国や言語の違いを超えて、何千、何万の仲間たちが手をつなぎ合って、核のない未来のために共に闘いましょう。 次の機会にインドでお会いできることを願っています。
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