今問題になっているアルジェリアの人質問題、そのもとにはフランス軍のマリ侵攻がある。そして、その原因を作ったのがフランス軍のリビア攻撃にある。そしてそのもとにあるのは・・・今フランスではカダフィ政権打倒をバックアップしたサルコジ元大統領がカダフィ政権から巨額の賄賂(不正献金)を受けていたのではないか、という疑惑から捜査が始まっている。
その手始めが1月16日に行われた故カダフィ政権幹部、 バシール・サーレハ(Bachir Saleh)氏のフランス東部Gexにある別荘への家宅捜査だとされる。サーレハ氏はカダフィ政権崩壊時にフランスに渡って生きのびた。フランスのインターネットメディア、「メディアパール(Mediapart)」が報じている。
http://www.mediapart.fr/article/offert/de28cc1a9a0762a46f11b27b1d9021e5 メディアパールによると、サーレハ氏はこの問題を追究してきた同媒体が昨年スクープを報じた直後の5月3日にフランスを出国したとされる。サーレハ氏はLAPと呼ばれるリビア政府によるアフリカへの投資資金源を管理していた。メディアパールによればサーレハ氏に対する捜査の理由は、サルコジ氏が当選した2007年の大統領選の時、LAPから5000万ユーロを引き出してサルコジ元大統領に献金した疑惑らしい。新しいメディアであるメディアパールは創刊当初から、ベタンクール事件など、サルコジ大統領の最初の大統領選をめぐる資金疑惑をひつこく追いかけてきた。
それでは仮にリビア政府からサルコジ元大統領に不正献金があったとすれば、その後なぜサルコジ元大統領はリビア政府を叩くに至ったのか?フランス人の中にはカダフィ大佐の口封じにあったと推測する人もいるようだ。だが、疑惑が真実だったかどうかも含めてこれから真相が解明されていくだろう。
■カダフィ政権からサルコジ元大統領への不正献金の証拠(2012年4月28日)
http://www.mediapart.fr/journal/international/280412/sarkozy-kadhafi-la-preuve-du-financement ■世界のベタ記事から カダフィの息子(昨年12月の記事)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201212301133570 今年10月にいくつかの英字紙に出たベタ記事。昨年の政変で殺されたリビアのカダフィ大佐の次男セイフイスラム氏(現在、リビア南部の都市ゼンタンで収監中)は民主化運動弾圧の容疑(抗議運動者らの殺人と迫害)で昨年、オランダのハーグにあるICC(国際刑事裁判所)から刑事訴追された。一方、リビアは自国でセイフイスラム氏の裁判を行うとセイフイスラム氏のICCへの引き渡しを拒んでいる。ICCでセイフイスラム氏の弁護活動を担当する弁護士の一人、メリンダ・テイラー氏はリビアが裁判を行えば「正義ではなく、復讐が行われる」と反対している。ICCでの最高刑は終身刑だが、リビアの場合は死刑の可能性がある。
■サルコジ政権を揺さぶるネット新聞「Mediapart」(2010年7月記事)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201007142244543 ■フランス大統領選 サルコジ氏とカダフィ政権の癒着が暴露
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201205042115505 「カダフィ政権とフランス政府との裏の関係を知りすぎていたとされるChoukri Ghanem元石油相(69)が4月29日(日)、ウィーンのドナウ川に死体となって発見された。元石油相はカダフィ政権とフランス政府との和解のキーマンだったとされる。」
http://www.mediapart.fr/journal/international/020512/les-lourds-secrets-dun-ministre-de-kadhafi-trouve-mort-dans-le-danube
|