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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2013年06月18日00時00分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎発】米国、原発廃炉の原因は三菱重工の設計ミス 原発で「高騰」し原発で「暴落」する三菱重工株 山崎久隆
6月7日、米国サンオノフレ原発2、3号機(107万kwと108万kw)の廃炉が決定した。サザン・カリフォルニア・エジソン社は、蒸気発生器の細管損傷により運転を止めていたが、補修を行って再稼働するには莫大な経費が掛かることなどを理由に、運転再開を断念した。
原因を作った三菱重工に対し、今後損害賠償を請求するという。83年と84年に運転を開始した加圧水型軽水炉のサンオノフレ原発は、運転から20年以上経って蒸気発生器の老朽化により交換を行う必要が生じた。日本でも美浜原発や玄海原発など、ほとんどの加圧水型軽水炉で行われてきた。
海岸立地の日本の原発と異なり、多くが内陸立地で冷却水に淡水の河川水を使う米国では蒸気発生器の腐食はさほど進まなかったが、サンオノフレ原発は海岸立地だったため日本の原発と同じ細管損傷という欠陥を抱えた。
三菱重工はサンオノフレ原発の蒸気発生器を受注し、2007年と8年にそれぞれ2台ずつを取り付けた。蒸気発生器の交換により運転を開始した矢先の2010年に、二次系に放射能が漏れる事故が発生、細管損傷であることが分かったのだが、その時の調査で全部の細管の三分の一にものぼる数で減肉が進行していることが明らかになった。
原因は明らかに設計ミス。コンピュータシミュレーションによる冷却材の流れに伴う減肉評価が甘く、予想以上に減肉が進行してしまった。 当初エジソン社は出力70%で、比較的状態の良い3号機だけを動かそうとNRCに認可申請をしていたが、地元の強い反対で結局断念することになった。
東日本太平洋沖地震では、日本の原発だけではなく米国西海岸に立地していた原発も津波に襲われる可能性があり、緊急事態が出されていた。
サンオノフレ原発は、カリフォルニア州の南部にあり、津波警報はなかったものの日本からの津波到達が懸念された原発でもあった。日本と共通の欠陥のある原発で、日本の三菱により廃炉にされた。何とも象徴的な出来事である。
三菱重工株は、つい先日のトルコ原発受注報道で高騰し、一時は754円まで上昇したが今度はサンオノフレ原発の損害賠償請求がいくらになるかとの「懸念」から暴落し、560円台までと数日間で3割も下がっている。一方で米国において高効率ガスタービン発電所(44万kw)受注のニュースもあったのだが、原発損害賠償のほうが遙かにインパクトがあった。
原発企業による欠陥原発問題は、別に項を設けて書くことにするが、繰り返される日本企業による原発不祥事に、世界もそろそろ目を覚ます次期に来たのではないだろうか。早く原発から撤退しないと、次の「損害賠償」は数百億円規模(サンオノフレ原発の賠償額予測)の数千倍になってしまうかも知れない。
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