28日(日)午後2時00分よりフジテレビ「ザ・ノンフィクション」 <おじいちゃんの遺言〜あんたとボクの人生最後の3ヶ月〜> を放送致します。
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/thenonfx/index.html
舞台は大阪ですが、民事に携わる若き女性弁護士の目を通して、銭かねではない弁護士の活動の一端を描いております。
扱っているのは集団アスベスト訴訟。
74歳のおじいちゃんの過去。
戦後 間もなく、漁師になるしか仕事の無い島育ちの青年は船酔いを理由に都会に仕事を求めて生まれ故郷を離れます。いわゆる、「口減らし」
貧困の中で育った彼の受けた教育は中学教育迄。 とはいえ、混乱期の教育は名ばかりのもの、完全とは言い切れません。都会で職を探すには日雇いの仕事ばかり。そんな中、彼を支えてくれた女性もいます。現在の奥さん。口をついて出て来る言葉は「女房を幸せにしてやりたい」
40歳を過ぎた頃にやっと定職に就く事ができました。アスベスト工場。時は高度成長期、建築ラッシュの中で、アスベストは断熱材として人気を博します。彼は 明日のご飯も心配せずに暮らせる状態に満足、幸せの絶頂でした。小金を貯めては女房とバス旅行に出かけます。
それから10年、アスベストが原因で謎の病気が蔓延します。決して治らない病気。アスベストの塵が肺に入り込み、呼吸を止めて行くのです。
アスベスト被害に遭った人たちは保証を求めて国と工場を相手に集団訴訟に踏み切ります。
工場で定職に就かなければ、あの幸せな時間は一生無かったかも知れない。病床の中でおじいちゃんとなった彼は過去を振り返ります。世話になった工場を相手に訴訟に参加する気持ちになれないのです。
しかし、若き女性弁護士の説得により、集団訴訟に参加を致します。死期迫る覚悟を決めていた彼は、何に突き動かされたのか・・・。
その町の基幹産業が生み出していたものが、実は人類を滅ぼしかねない有害なものであったとしたら・・・。 かといって、簡単に職を捨て、町を捨てられるものなのだろうか?
現在では一番身近な問題として原発の問題が上げられます。
行政に於いて一番大切なことは住民の衣食住を確保して行くこと。それを確保していくのに一番大切なことは職を生み出して行くこと。その二点が確保された上で産業を移行させて行くことが肝心なこと。
そんなことを考えながら編集をしていた次第です。お時間が許せば、ご覧になってみて下さい。
井上秀明(映像編集)
■【テレビ制作者シリーズ】(7) 面白く見せるヒント 井上秀明さん
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200910201109322 「有限会社イマージュ代表で編集マンの井上秀明さんはここ数年フジテレビの「ザ・ノンフィクション」を年5本のペースで手がけています。「ザ・ノンフィクション」は日曜午後の1時間枠のドキュメンタリー番組です。サラリーマンがごろ寝で楽しめるドキュメンタリーという、この長寿番組のプロデューサーは面白さに徹底的にこだわる人と知られています。そのプロデューサーから信頼されているベテラン編集マンが井上さんです。井上さんは撮影の途中から、時には取材が始まった時点からディレクターの相談に乗り、共同作業を行うことが多いそうです。井上さんが担当した「ザ・ノンフィクション」の仕上げについて聞きました。」
■「ザ・ノンフィクション / オカン、ごめんな。〜京 涙の修業物語〜」 井上秀明(編集)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201305170109255
■テレビ業界人と食事 糖尿病とどうつきあうか 〜編集室の厨房で〜
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201206241507060 「井上秀明さんはテレビ・ドキュメンタリーの編集者で、過去には賞を受けた番組を多数生み出してきた人です。以前、井上さんに編集の仕事についてインタビューにお伺いした時、井上さんの編集室のすぐ近くのファミリーレストランで夕食をともにさせていただきました。この時、井上さんは食事の写真をデジタルカメラで撮影されたのですが、その理由は糖尿病だからということでした。毎日、何を食べたかを写真に記録しているそうです。井上さんは肥満していませんから、そう言われなかったらまったく気づかなかったのですが。」
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