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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2013年08月19日20時13分掲載
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ロシアン・カクテル
(42)妖怪「バーバ・ヤガー」の秘密 タチヤーナ・スニトコ
バーバ・ヤガーは女性の中では一番のブスですが人気者です。バーバ・ヤガーはロシア民話の中によく出てくる魔女おばあさんです。文学作品・音楽・絵画芸術作品や映画・アニメ・笑い話などにも頻繁に登場してきます。また、音楽作品の中にも登場しよく知られているものとしてチャイコフスキーの「子どものためのアルバム」楽曲の中の「バーバ・ヤガー」 やムソルグスキーの「展覧会の絵」楽曲の中の「バーバ・ヤガーの小屋」などがあります。
バーバ・ヤガーは魔法使いで臼を自分の乗り物として飛び回っています。それで歩く必要はないのでしょう。自分の飛び回った跡を消すために手にはいつも箒を持っています。昔はロシアの人々は嵐か吹雪になるとそれはバーバ・ヤガーが箒で自分の跡を消しているからだと考えました。
スラブの民話には海と山の妖怪はほとんどいませんが森と川の妖怪は沢山います。バーバ・ヤガーは深い森の奥の空き地の鶏の足の上に建つ小さな小屋に住んでいます。この小屋はいつもくるくると回っています。
「小屋よ!森に背を向けこちらを前にして止まれ!」と言わないと、戸は開きません。バーバ・ヤガーの小屋は人間の骨で作った柵で取り囲まれていてその柵の上には頭蓋骨が並んでいます。バーバ・ヤガーは死者の世(霊界)と関係があります。いつもくるくると回っているこの小屋はこの世から霊界への“渡り道”(入口)にあります。
バーバ・ヤガーの小屋はドモヴィーナという「死者を埋葬する小屋」に似ています。 (“ドム”はロシア語で“家”で、“ドモヴィーナ”は“棺”又は“死後の家”を意味します。)ドモヴィーナは高い切り株の上にありその切り株の根は鶏の足のようです。
バーバ・ヤガーの小屋は生と死の境界です。バーバ・ヤガーの小屋にやって来る人は霊界へ行かなければなりません(例えば、おとぎ話の主人公イワンは悪に捕らわれた女王を霊界から救い出すためにこの小屋へ来るのです)。バーバ・ヤガーの小屋では人は霊界の食べ物を食べさせられて様々な試練を受けて二つの世に同時にいるようになるのです。それができるようになると不思議な能力が備わり悪との戦いに勝利することができるのです。
バーバ・ヤガーは人を助ける場合があります。助けてくれない場合もあります。バーバ・ヤガーは小さい子供をさらってきてペチカ(ロシア風の暖炉)で焼いて食べてしまうと信じられている地方もあります。しかし、ロシアのおとぎ話にはこんな場面は登場しません。
ガチョウと白鳥と三組の手がバーバ・ヤガーの魔法を手助けすると信じられています。 毎日、三人の御者、黒い御者(夜)、白い御者(昼)、赤い御者(太陽)、がバーバ・ヤガー小屋の入り口を通るといわれています。雨を降らせるときバーバ・ヤガーは頭蓋骨を使うといわれています。
現代ロシアではスラブ文化がブームになっています。昔のことやおとぎ話や不思議なことや魔法などが人気になっています。妖怪の出身地は人気ある話題です。 バーバ・ヤガーの出身地はヤロスラブリ州(ヨーロッパロシア中央部、ヴォルガ河上流に位置する)の小さなクコボイ村です。この村にはおとぎ話の博物館とバーバ・ヤガーの小さな小屋があります。
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バーバ・ヤガー
ドモヴィーナ
クコボイ村にあるバーバ・ヤガーの小屋





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