昨日、中国の四川省・成都市で無差別殺人事件が起きた。殺人犯は41歳の男性で、日曜夜に乗っていたバスの乗客をナイフで刺し始め、その後バスを下車して今度は歩行者を刺し始めた。男性は駆け付けた警官によって撃たれ逮捕されたという。男性は四川省に住んでおり、日曜夜にナイフを持ってバスに乗り込んだ。
被害者は死亡した人が4人、負傷者が11人に上っており、警察発表によると男性には借金があり、家族ともめていたという。もしそれが加害者の真の動機なら、殺された人々はまったく不条理だ。
報じたニューヨークタイムズ国際版によると、最近中国では社会に不満を持つ人や、精神を病む人による無差別殺傷事件が増えている。たとえそれがまだ比較的少数であっても、中国でこれから起きる社会変動の氷山の一角となる可能性もある。あるいは単に日本やアメリカの後を追いかけているのだろうか。
■NYT 'China: Man Kills 4 People With Knife’
http://www.nytimes.com/2013/08/27/world/asia/china-man-kills-4-people-with-knife.html?_r=0
■ワシントンポスト’China grapples with understanding spate of random violence’(今年7月)
http://www.washingtonpost.com/blogs/worldviews/wp/2013/07/30/china-grapples-with-understanding-spate-of-random-violence/ ’A man buys a knife in a Beijing supermarket and randomly attacks customers with it, including a baby; another steals a knife from a roadside snack bar and starts attacking passersby; a third gets into an argument with a woman, picks her 2-year-old girl out of her stroller and smashes her baby to the ground, killing her.’
この記事では北京で数日間に3件の無差別殺傷事件が起きたことを書いている。スーパーでナイフを買って客を無差別に襲った事件(赤ちゃんも襲われた)、ナイフを道路わきの店から盗んで歩行者を無差別に襲った事件、女性と口論になった人物が女性の赤ちゃんを持ち上げて地面に叩きつけて殺した事件。
以下は3年前の夏の記事。上海のバスターミナルに集まる庶民の生活を描いた番組に触れた。リーマンショック前の活性化ぶりとリーマンショック後の寂しい駅が対照的だった。そしてあれから4年たち、中国の社会はどの方向に向かっていくのだろうか。
■テレビ制作者シリーズ13 中国庶民の生を伝える島直紀ディレクター
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201007052240121 「NHKハイビジョン特集「上海発ふるさと行きバス」(2007年4月4日放送)は中国人の素顔を描いた興味深いドキュメンタリーでした。旧正月に里帰りする上海在住の若者3組を追いかけた番組です。・・・取材が行われた時はリーマンショック前。上海は空前の活況を呈していました。上海在住者1700万人のうち400万人が出稼ぎ労働者と言われていますが、そのうち60万人が上海のバスターミナルに押しかけたのです。人の流れは深夜まで絶える事がありません。怒涛の人波から取材班が目を向けたのは重慶行きの長距離バスに乗る人々でした。重慶は内陸部へ行く分岐点で重要なターミナルです。」
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「2年後、島さんのチームは再び上海のバスターミナルを取材しました。NHK・BSドキュメンタリー「上海バスターミナル〜不況下の帰省ラッシュ〜」(2009年2月19日放送)です。今度は、リーマンョック後の大不況で、バスターミナルも2年前とは打って変わって閑散としています。今回はバスの旅でなく、不況下の上海バスターミナルに密着して、そこに集まり、去っていく人たちを描いています。
冒頭で給料がもらえなくて自殺したい、と思いをぶつける男が登場します。みな口々に窮状を語ります。出稼ぎで家族がばらばらになり妻からの連絡がとだえてしまった男性と幼い息子からなんとも言えない寂しさが伝わってきました。お金も底をついています。」
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