台風一過、というにはあまりに遅すぎる秋の訪れのような気がします。それでもまた、台風がさらに接近中なのですね。日本に襲いかかっているのは、地震や津波や猛暑や豪雨や土石流だけではないようです。
権力をもって、国民の大切にしてきたものを奪い取ろうとする横暴な政治が襲いかかっています。「特定秘密保護法」「解釈改憲による集団的自衛権」「TPP」「憲法の改悪」が次々と日本国民に襲いかかっています。
そこで「憲法を考える映画の会」の第7回。
襲いかかってくるこれらの政治情勢に対して、自分たちは何をなすべきかを考えて、選んだのが今回の作品「ショックドクトリンです。ぜひいらっしゃって下さい。懸命に考え、良い知恵を出し合いましょう。
第7回「憲法を考える映画の会」
■11月2日(土)14時〜17時 ■婦選会館2回会議室(渋谷区代々木2-21-11)TEL 03-3370-0239 プログラム:映画「ショックドクトリン」(80分)
映画「ショック・ドクトリン」の原作者、ナオミ・クラインの原著『ショック・ドクトリン』の副題は「惨事便乗型資本主義の正体を暴く」でした。私がこの作品が気になったのは、「特定秘密保護法」「解釈改憲による集団的自衛権」「TPP」というこの秋の三大災害のような政治課題が問題にされ始めた頃です。
「集団的自衛権」「TPP」の裏に、アメリカの圧力があるのは、十分に想像できることでした。でも戦前の軍国主義の日本社会に戻そうとでもするような「特定秘密保護法」の裏にアメリカの策動があるというのはどういうことなのだろう?と考えていました。 1980年代の中曽根政権の「国家秘密法(スパイ防止法)」の策動などはまさにそれではないかと(当時)思っていたからです。
この映画は「戦争を起こしている、あるいは戦争に便乗している資本主義とは何なのか?」を問いかけています。そして「戦争を起こす、つくり、利用したい」側にとっては、国家機密、軍機密をまもり、それを活用して戦争を利用しなければならない、それは戦前の日本でも、今のアメリカでも同じだ、と言うことを感じました。アメリカもその意味で軍国主義であり、軍隊をもっている国(権力)の考えるところはつねにそういう所に行き着くのか、だから「「集団的自衛権」を保持するためには軍の秘密を守る法律が必要になる、と。
(ここで少し勉強しました。戦前の軍国主義を支えていた国民弾圧のための法律は次のようなものです)
1899年に制定された軍機保護法、 1925年、普通選挙法と引き替えのように制定された治安維持法、 日中戦争が激化した1938年に制定された国家総動員法、 日米開戦と同じ年の1941年に制定された国防保安法といった法律。 この延長上に1985年の中曽根政権時代の「国家秘密法(スパイ防止法)」や今回の「特定秘密保護法」があります。
戦争と経済、その中で悲惨な思いをしている第三世界の人々、1970年代から2000年代にいたる現在に至る世界の戦争や紛争を考えるための教材になると思いました。なにより「特定秘密保護法」のねらいをいま考えるのに良い材料になります。
是非お誘いあわせていらっしゃって下さい。 息苦しい、人を大切にしたい国にしてはいけないと思います。
花崎哲
■ノンフィクション「ショックドクトリン」のHP
http://www.naomiklein.org/shock-doctrine/the-book
■ドキュメンタリー映画「ショック・ドクトリン」 「ショックドクトリン」(惨事便乗型資本主義=大惨事につけこんで実施される過激な市場原理主義改革)とは何か?原作者はカナダのジャーナリスト、ナオミ・クライン。監督はマイケル・ウィンターボトムとマット・ホワイトクロス。2009年のイギリス映画。
http://shockdoctrine.jimdo.com/
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