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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2014年01月01日12時06分掲載
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アフリカ
【西サハラ最新情報】 今年こそは今年こそはと39年 平田伊都子
西サハラ住民がモロッコ軍とモーリタニア軍の挟み撃ち攻撃にあって、祖国西サハラを後にしたのは1975年12月のことでした。 着の身着のままで難民となった西サハラ住民は、東に隣接しているアルジェリアに逃げ込みました。 冬の砂漠は雪が舞うこともあり、厳しい寒さに襲われます。 家は勿論、避難場所もなく、西サハラ難民たちは女性が身にまとうメルハフと呼ばれる薄い布をつなぎ合わせてテントを作り、身を寄せ合い雪と砂嵐を凌ぎました。 あれから39年も経とうとしています。 西サハラ難民は、難民キャンプのボロテントで、冬の厳寒と夏の酷熱に今も耐えているのです。 何故彼らは、こんな修行僧のような、自虐的な辛抱生活を続けているのでしょうか?
(1)難民第一世代は、1975年12月から1976年の春にかけてアルジェリアの西北端にある難民キャンプに逃げ込んできた。故郷西サハラではモロッコ正規軍とモーリタニア正規軍がナパーム弾や白リン光弾を西サハラ住民に浴びせ続けた。1975年末に国連から難民認可を受け、アルジェリア政府から難民キャンプ設置を容認してもらった難民抵抗組織ポリサリオ戦線は、1976年にサハラ・アラブ民主共和国という名の難民亡命政府を創設した。難民第一世代は祖国の帰還と独立を目指し、<辛抱>という二文字で心を一つにした。
(2)難民第二世代は、難民キャンプで生まれ、不毛の砂漠にある閉鎖された難民キャンプで育った。故郷西サハラの海を知らない。石油や天然ガスなどが眠る豊かな故郷西サハラの大地は、モーリタニアが撤退してからモロッコ一国に占領されている。35才になる筆者の親友バラカは、見たことのない故郷の話を両親たちから聞かされる度に、なんとしてでも占領者モロッコから奪い返してやるという思いを強くしてきた。バラカは外国人宿泊所の食堂で働いている。
(3)難民第三世代が、難民キャンプで育ってきた。バラカには二人の娘がいて、長女レイラは14才になる。難民全寮制中学校を卒業した後、難民キャンプにあるコミュニテイ―で英語を勉強している。兵役拒否をした亭主を、「いくじなし!」と、バラカは追い出した。しかし、3年前に難民テレビが開局しネットカフェが流行るようになると、難民キャンプの情報環境に静かな革命が広がってきた。難民の若者たちは外の世界を知るようになり、スッピンだった若い娘たちがルージュをひきアイシャドウを塗るようになってきた。難民の若者たちにとって<辛抱>の二文字は、もはや魔力を失ったのだろうか?
2013年12月29日、バラカ一家が住むアウセルド難民キャンプで、UJTSARIO(ポリサリオ戦線青年部)の第8回世界西サハラ支援大会が開催されました。 主催者は1000人の客を見込んでいたのですが、200人ぐらいしか集まりませんでした。 料理人のバラカはかりだされて、招待客のために援助物資で難民食を作りました。 難民大統領みずからが音頭を取って客をもてなし、難民の青年たちを鼓舞しました。 しかし、イスラム教徒ゆえ酒も出ない忘年会で、難民の青年たちが満足するとは思えません。 一夜明ければ、年が改まれば、、彼らを待っているのは、職もなく辛抱だけの難民生活なのです。 国連や国際社会がアフリカ最後の植民地・西サハラ問題を解決してくれるのを じっと待つだけの<辛抱>人生、、切ないというか、なんか、変ですね!
文:平田伊都子 ジャーナリスト 写真:川名生十 カメラマン
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西サハラ難民キャンプでは3世代が一緒に生活している。孫を中心に娘と祖母。
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