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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2014年07月09日13時19分掲載
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映画『グレート デイズ 夢に挑んだ父と子』を見る 「人間捨てたもんじゃない」 笠原真弓
私はもう40年くらい、障害児(者)の水泳指導のボランティアをしている。それで、そういうテーマの映画は、なんとなく見に行っている。この映画、『グレート デイズ 夢に挑んだ父と子』も、障害者の映画なのだ。もうすぐ18歳になる車椅子の息子と、息子に正面から向き合おうとしない父、仕事にも、息子にも懸命に取り組む健気な母と優しい姉や友人たちの醸し出す空気を捉えた、最高のホームドラマだ。
息子から逃げたくて家から離れた職場を転々としていた父が、解雇されて家に帰ってくるところから始まる。ところが父親は、息子と話そうともしない。そんな父に当然不満な息子。その息子が偶然見つけた25年前の父のアイアンマンレース出場の写真。そしてネット検索で探し出したアイアンマンレースを、障害者が完走したある父子の記事。父親にそれを突きつけ、「パパと一緒に出場したい」と迫る。 アイアンマンレースとは、トライアスロンの更に過酷にしたもの。まず水泳3.8キロ、自転車180キロ、ランニング42.195キロ。つまりこの親子の場合は、4キロ近くを子どもをゴムボートに乗せて泳ぎ、二人乗りの自転車で高低差のある(この場合は1000m)195キロの自転車レースをしたあとに車椅子を押しながらフルマラソンを走らねばならない。しかも16時間以内にゴールするという、時間制限をクリアすれば鉄人となる。当然父親は断る。自分の体力ではできないと。
しかし息子は諦めず、家出を決行し、学校の友達を動員して抗議行動を行う。「障害を持つ自分たちにとって……」と、父親に迫るクラスメートの言葉は、圧巻だった。ついに父親が自転車の改造を始める。それを知る彼の笑顔。ここが前半のクライマックス。
後半は、母親の反対や、練習中の猛スピードでの下りカーブ、転倒、怪我などがあるが、出場を断られての実力行使が面白い。ついに晴れて出場するのだが、見ているだけでくたびれちゃうレース。あり得ない体力。このお父さん、本当に鉄人だ!!! 自分ひとりを持て余してリタイアする人も続出しているのに……。
父息子、母息子関係に障害を絡ませ、息子ばかりでなく、家族が前向きに変化していく様子は、気持ちがいい。人間捨てたもんじゃないと……。落ち込んでいる時に見ると、元気が出るかも。
ちなみに、息子役のファビアン・エローは、監督のニルス・ダヴェルニエがフランス中の施設を回って見出された車椅子生活の少年である。
8月29日東京での公開を皮切りに、全国展開の予定。
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映画「グレート デイズ」





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