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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2014年08月14日14時56分掲載
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反戦・平和
集団的自衛権 なぜ必要? 納得できる説明を
集団的自衛権という考え方は侵略国家の軍事力があまりに大きいため、一国で自国を防衛できない場合に数か国で軍事力を合わせて防衛するという考え方だろう。国連のもとでは侵略は認められないが、他国から侵略を受けた場合の自衛としての戦争は認められるし、そのためには集団的自衛権もまた認められるのである。
このことは近年、国連安保理の常任理事国である、第二次大戦戦勝国の五大国の意見が一致せず、その結果、国連決議のないままでも軍事介入に踏み切る事態が横行していることと関係がある。国連安保理の決議が得られないから、軍事介入を正当化するためにも集団的自衛権は今後、武力介入を正当化する理屈の軸となるだろう。
ところで日本が集団的自衛権を今、保持しなくてはならない理由は明確に記載されているわけではないにしても、仮想敵として近い将来、世界最大のGNPを持つと見られている中国が存在していることは疑いえない。中国がもし日本の領土に侵略を加えた場合に日本は一国で防衛できるのか?
このことが今日の改憲論議の発端になっている。しかし、日本は世界最大の軍事力を保持する米国と安全保障条約を結んでいるし、国内に米軍基地があり、日本の予算も費やしている。日米安保条約のもとで日本は自国を防衛することが不可能なのだろうか。
最近、巷では南沙諸島などの領有権をめぐって日本がベトナムやフィリピンなどと集団的自衛権の枠組みで軍事力行使を、つまりは自衛隊派遣をするのではないか、とみる人もいる。日本がベトナムやフィリピンと軍事上の同盟を結ぶか、あるいは結ばなくとも集団的自衛を行うのだとしたら、その場合、日本は国土防衛上どのようなメリットがあるのだろうか。ベトナムやフィリピンが海軍を尖閣諸島に派遣するのだろうか。日本が戦争に巻き込まれるリスクが数倍に膨れ上がるのは確かだが、その場合の日本の国土防衛上のメリットはどこにあるのだろうか。
安倍政権は紛争地から邦人を積んだ米艦船を防衛するためには集団的自衛権が必要だというような答弁をしたようだが、巷ではそのような想定は現実にはありえないと見る人が少なくないようだ。そもそも米艦船が邦人救出を任務とするかどうかも定かではない。
日本は自衛隊で自国を防衛できないのだろうか。その場合に日米安保条約があっても自国を防衛できないのだろうか。もしそうならこれまでの戦後の日本の防衛自体が砂上の楼閣に過ぎなかったと言う事なのだろうか。それとも、中国の軍事力の拡大がこれまでの防衛上の枠組みを崩壊させてしまったが故に、新たな防衛構想を構築しなければならないのだろうか。しかし、その場合においても、なぜ集団的自衛権があえて必要なのか。日米安保条約だけでは不可能なのか。なぜ憲法第九条の自衛権では国を守れないのか。納得できる説明が欲しいものだ。
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