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2014年08月31日23時51分掲載
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核・原子力
環境省、市民の傍聴拒否 目に余る恣意的運用 上林裕子
環境省が、市民の傍聴に対し傍聴者を意図的・恣意的に選別・排除しているとして市民団体から抗議の声が上がっている。8月27日開催の第10回会議の傍聴に関しては会場が狭いとしてこれまでの半分の24名の傍聴しか認めなかったことや、申し込んだ市民団体の20数名全員が傍聴を認められなかったため、25日に環境省に対し申し入れを行った。
「会議運営の妨げになると再三注意したが聞き入れなかったので傍聴は認めない」「抽選に外れた」などの理由で環境省専門家会議の傍聴を断られた市民が「一度注意を受けただけの人や、何もしていなくても『再三注意』と断られている。理由を明確にしてくれというと、抽選に外れた、といわれた」と、市民軽視の環境省の対応に憤っている。視覚障害者のアラーム付き時計まで禁止しようとしたが、市民側の抗議で撤回した。市民の「傍聴の権利」があまりにも軽く扱われている。
環境省が昨年11月に設置した「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理の在り方に関する専門家会議」は、その前年に全会派一致で制定した「子ども被災者支援法」に基づき「放射線による健康影響に関する調査について必要な施策を講じる」ために設置された。また、「福島近隣県を含めた健康管理の現状と課題を把握し、そのあり方を医学的な見地から専門的に検討する」ともされていることから、ホットスポットなどがあり線量の高い地域に住む関東圏の被災者も期待をこめて審議の行方を見守っていた。
福島第一原発事故の被害者救済のために全会派一致で制定した「こども被災者支援法」は、その基本方針の中に「事故を受けた地域住民や避難者の意見を反映させるための措置を講ずる」ことを明記している。
しかし、市民の期待は裏切られた。昨年11月から始められた専門家会議は多くの市民が望む原発事故に伴う子どもの健康診断のあり方や医療費の減免などについてはほとんど議論されず「被ばく量が小さいので健康診断の拡大は必要ない」との方向で議論が進められているという。
こうした議論が進められる中で、傍聴者が思わず声を上げたりすると、次回から傍聴の申し込みをしても「再三の注意にもかかわらず会の運営を妨げた」との理由で傍聴を拒否された。本人は「声を出したことは認めるが、大声で議事進行を妨害したわけでもなく、再三注意された覚えもない」と事務局に理由を尋ねると次回から「抽選に外れたので」との理由に変わったという。「一度拒否されるとその後ずっと拒否されます」。
直近に開かれた8月27日の第10回会議に申し込んだ市民団体の20数名が全員拒否された。理由は「会場が狭いので募集人数が24名と半減したため」ということだったが、「ここまで来るとあまりに恣意的」と環境省に抗議、この回は全員が傍聴できることになったという。
大声を上げたわけでもなく、委員同士のやり取りに思わず失笑した人も「再三の注意にもかかわらず」と次回から拒否された。「その人の後ろの人が注意されたのに、ぬれぎぬで次から拒否された人もいる」。
「途中からだが、環境省は座席に番号を付け、傍聴者をその番号の席にすわらせ、誰が発言したかを把握しようとしている。こんなやり方で市民の傍聴する権利を侵害することは許せない」「毎回何人が申し込んでいるのか、抽選はどんな方法でやっているのか、環境省は明らかにすべきだ」と環境省に申し入れをしている。抽選をブラックボックスにして選別していることが明らかになれば「これは権力の乱用。きちんと受け止めてほしい」というのは環境省と交渉に参加した流山市議の阿部治正さん。
専門家会議の長瀧重信座長の発言や対応にも市民は憤っている。疫学の専門家である外部委員が「明らかにがんが増えている」と指摘したのに対し「あなたと議論するつもりはない」「そんな結論が専門家会議の結論になってしまっては困る」などの発言や、「誰が被ばくしているのか」というような被災者の心情を踏みにじる発言をしたという。32の市民団体が名を連ねて8月5日、同座長の解任要請を環境省に提出している。
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