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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2014年09月08日14時46分掲載
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反戦・平和
【編集長インタビュー 集団的自衛権を考える】 国際協力NGOの現場から(3) イラク戦争検証ですべてが見えてくる 谷山博史
本当にいいたいのはイラク戦争のことです。イラク検証をきちんとやることで、問題がみんなの前に明らかになるし、そのなかから運動も出てくるのではないかと思っているのです。いいかえれば、日本はイラク戦争のような戦争に参加しないと言い切れるのか。このことをきちんと問いつめないと、集団的自衛権の行使を含めた武力行使の容認といっても、リアリティを普通の人は感じない。日本や日本人が攻撃されたときに日本人それを守るのだから容認も仕方ない、というような感情論に訴える言い方がかなり国民の間に浸透してますよね。しかし、ひとたび武力行使を認めればアメリカが主導したイラク戦争のようなものにも参加従軍し、日本と関係のない国の住民を殺し、日本の若者も殺されるという現実性がきわめて高いのだということをどうやって伝えられるか。だからこそ私たち国際協力NGOと市民団体はイラク戦争検証を繰り返し訴えてきたのです。(聞き手:大野和興)
◆イラク戦争検証からすべてが見えてくる −まだ法制化の段階がある。 谷山 だけど今の国会の状況を見ていると愕然としますよね。何かいい方法はないですか。ぼくらはぼくらの立場で出来ることをやらなければと思っています。そのなかで本当にいいたいのはイラク戦争のことです。イラク検証をきちんとやることで、問題がみんなの前に明らかになるし、そのなかから運動も出てくるのではないかと思っているのです。いいかえれば、日本はイラク戦争のような戦争に参加しないと言い切れるのか。このことをきちんと問いつめないと、集団的自衛権の行使を含めた武力行使の容認といっても、リアリティを普通の人は感じない。日本や日本人が攻撃されたときに日本人それを守るのだから容認も仕方ない、というような感情論に訴える言い方がかなり国民の間に浸透してますよね。しかし、ひとたび武力行使を認めればアメリカが主導したイラク戦争のようなものに二も参加従軍し、日本と関係のない国の住民を殺し、日本の若者も殺されるという現実性がきわめて高いのだということをどうやって伝えられるか。だからこそ私たち国際協力NGOと市民団体はイラク戦争検証を繰り返し訴えてきたのです。
イラク戦争はフセイン政権が大量破壊兵器を持っているということとアルカイーダとつながっているということを理由にアメリカが戦争を仕掛けた。そのときのアメリカ政府の言い方は、アメリカが直接攻撃を受ける可能性があるという、個別的自衛権のケースなんですね。
2002年のアメリカ国家安全保障戦略には「予防的先制攻撃」という戦略が提示されています。一方反戦の国際世論が高まると、それに対してイギリスやスペインとが有志連合を作って派兵したのは国連の集団安全保障の措置集団的自衛権でした。国連安全保障理事会はイラク攻撃を容認する決議を採択しなかったのですが、アメリカは昔の決議、2002年の決議1441や1991年の決議678に則ってやったと強弁しています。あのとき日本に海外で武力行使はできないという憲法がなければ参戦せざるを得ない状況に陥ることになるらざるを得なくなる。
「日本に対する明白な危険」がある時、集団的自衛権を行使すると今回の閣議決定はいっているのですが、大量破壊兵器でアメリカが狙われるかもしれないとアメリカ政府がいったとき、日本もその大量破壊兵器による危険が迫るかもしれないという理由で集団的自衛権発動ができてしまう。またアメリカが集団的安全保障措置だと言って日本に参戦を要求しても、閣議決定の内容だと内閣の判断次第では日本も協力できる余地を残しています。集団的自衛権であれ集団安保であれアメリカに協力できるようにするということです。しかも、あのときアメリカは大量破壊兵器があると断じて戦争を正当化し、予防的な先制攻撃を仕掛けた。そして日本はどこの国よりも早くアメリカを支持しました。戦争の間違いを検証できなかった、しなかったのです。それを信じて、自衛隊を出したわけですね。
集団的自衛権にも関連して、いまやらなければいけないのは、イラク戦争とそれへの日本の参加についての政策決定過程の検証です。独立した検証委員会を置いて検証しろと私たちが言い続けているのは、日本が極めて危険な状況のなかで戦争に巻き込まれる可能性がこれまでもあったし、これからもあるからなのです。そして、そのことが検証できてないという事実があるからです。これからもアメリカに乗せられて、今度は武力派遣になりかねない状況になった。
◆ODAの軍事的利用
―集団的自衛権容認と合わせて、政府はODA(政府開発援助)の軍事利用に道を開く動きを強めていますね。
谷山 この件に関しては、JVCは他に国際協力NGOや市民団体と共同で二つの声明を4月に出しています。これもホームページに出していますので、ぜひ見てください。ODAには四つの原則があり、軍事的用途や国際紛争助長への使用は回避することが明記されているのですね。その大綱を変えようという動きが強まっているのです。いろいろ問題はあったにしても、これまで貧困や格差の解消、非軍事的手段での平和と繁栄を求めてきたODAが軍事的な領域、軍事的活動に利用できるものになった場合、影響はとてもおおきい。国際協力NGOにとっては大問題ですので、大きく輪を広げて取り組んでいきます。 (了)
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