ウクライナでマレーシア機が撃墜されたが未だに犯人は特定されていない。ロシアを非難するメディアもあるが、ウクライナ側が不審な動きをしていたという情報もある。
たまたま今回はウクライナで起きた出来事だが、兵器は各地に拡散されてしまった。「アラブの春」がリビアで加熱してカダフィ政権が攻撃されていた頃、欧米諸国およびアラブ諸国が反体制側に兵器を供給したこと、そしてカダフィ政権側の兵器庫から流出した兵器などが今問題になっている。これは2011年から指摘されていたことである。その兵器にはロシア製もあれば英米仏伊など西側諸国のものもある。
悪夢的なシナリオは民間航空機がさらにまたミサイルで撃墜されることである。これらの兵器は直接、イスラム聖戦主義者の手に渡った場合もあれば闇市場で売買され、北アフリカから、シリアに渡ったケースもあると推測される。だから、民間航空機の飛行進路の周辺がイスラム国やその提携組織に支配されていれば航空機が撃墜されるリスクが高くなるだろう。しかもイスラム国がたとえ面で支配できていなくとも、自動車一台で兵器を持って移動することはできる。
2012年はフランスで大統領選があった年。その初頭、こんな話がメディアに出ていた。サルコジ大統領が前のめりになって行ったリビアへの軍事介入。リビアの政変を支援したおかげでサルコジ前大統領の勢いは増していた。再選も可能、という見方が強かった。しかし、この時、軍事介入によって高性能の兵器が北アフリカから中東にかけて拡散することになった。その管理はずさんだった。カダフィ氏の死去でサルコジ氏は勝利したかの印象だったが、もし、1機でも民間旅客機が撃墜されればサルコジ氏の再選はぐっとハードルが高くなるだろう、と。2012年に航空機撃墜は起きなかった。しかし、あの時兵器が拡散されたため、マリが不安定化し、シリアでも内戦が激化することになった。冷戦終結に伴って闇で売り払われた兵器に加え、アラブの春の軍事テコ入れや政府軍から流出した兵器。そして、日本も今そこにプレイヤーとして参画しようとしている。
このたびフランス外務省が渡航リスクが高い国と指定したレッドリストの40か国。その地図を改めて見るべきときではないか。フィリピンやインドネシアなどアジアも含まれている。その周辺、民間旅客機の飛行状況はどうなのか?
■リベラシオン誌 フランス人の渡航リスク40か国
http://www.liberation.fr/monde/2014/09/27/pour-les-voyageurs-francais-la-planete-retrecit-un-peu_1109224?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter Indonésie, Malaisie, Philippines, Burundi, Comores, Tanzanie, Ouzbékistan, Afghanistan, Pakistan, Somalie, Yémen, Tunisie, Syrie, Qatar, Oman, Maroc, Liban, Algérie, Iran, Irak, Emirats arabes unis, Egypte, Ethiopie, Djibouti, Kenya, Mali, Soudan, Mauritanie, Barhein, Sénégal, Koweït, Jordanie, Israël, Territoires palestiniens, Turquie, Tchad, Nigéria, Niger, Burkina-Faso, Côte-d’Ivoire, Libye.
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