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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2015年03月15日03時34分掲載
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コラム
イスラム教世界と小説 どんな政治体制であれ文学は人間性を扱う
イスラム世界の文学はまだあまり読まれていないように思う。自分自身を顧みてもそうだ。これまでイスラム圏の作家で読んだのはパレスチナのガッサン・カナファーニ―、トルコのオルハン・パムク、そしてアルジェリアのヤスミナ・カドラくらいだ。あとエジプトの未読の作家ナギブ・マフフーズが書棚に一冊積まれているに過ぎない。キリスト教圏や仏教圏に比べると圧倒的に少ない。
僕らが外国について親しみを感じたり、敬意を感じたりする体験は映画や文学、あるいはスポーツなどからが多い。日本人が戦後アメリカ人に親しみを感じたのも戦後入って来たジャズや野球や文学や映画のおかげと言って過言でない。実際に身近に暮らしていなくても、そうした文化を通して親しみを感じるようになったのだ。
イランについて言えば日本でイランの映画が一斉に輸入された頃のことを思い出す。多分、1990年代の初頭ではないか、と思うのだが、アッバス・キアロスタミを始め、多くの作家の作品を日本で見ることができた。それらの映画を通して、それまで未知の世界だったイランの人々に随分親しみを感じることができた。
ところが、その後、イランでタカ派のアフマディネジャド氏が大統領になった頃からイランの映画を見る機会がなくなった。自分がたまたま見落としていたのだろうか?そういう可能性がないとも言えないが、しかし、政治の影響が文化の途絶に影響していたような気がする。戦争をする時、相手に人間として親しみを感じたり、敬意を抱いたりすると戦いにくいものではないだろうか。だから、戦争の風が吹いていくると、仮想敵国の文化から遠ざかり始める。日本は直接イランと険悪な関係になったわけではなかったが、イスラエルやアメリカが敵対していた関係上、それらの国々とイランとの関係が日本にも影響を及ぼしていたように思う。
本当はむしろ敵対している国々の人間性や思考を知るためにそれらの国々の小説や映画に触れることはよい機会であるように思う。たとえどんな立場であってもだ。政治的に対立していたとしても、なぜ相手がそのような思想なのか、そこに関心を持つことは大切な気がする。そしてまた、どのような政治体制であれ、文学は普遍的な人間性を扱っているものだ。だから、普通の市民がそのような政治体制の国でどのように生きているのか、興味深いことである。
中国や北朝鮮、イランや中東諸国でどんな文学が書かれているのだろうか。欧米などの新聞で、政治や経済のニュースばかり読むばかりで、それらの国々の小説も映画もあまり見ていなかった。もちろん、これらの国だけじゃなく、多くの未知の文化が山のようにある。
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オルハン・パムク作「私の名は紅」





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