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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2015年04月23日20時50分掲載
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反戦・平和
「過去のことを清算出来ないで未来のことは考えられません」〜韓国人元BC級戦犯者「同進会」結成60年記念の集い〜
東京・巣鴨プリズンで収監されていた韓国・朝鮮人のBC級戦犯者らが1955(昭和30)年4月1日に結成した相互扶助組織「同進会」は、今年4月1日、衆議院第二議員会館で結成60周年を記念する院内集会を開催した。 司会の有光健さん(戦後補償ネットワーク世話人代表)は、「本来ならもっと早くに問題を解決し、同進会を解散させたかった」と悔しさを滲ませつつ、「今年は戦後70年、日韓国交正常化から50年という節目の年なので、今年こそこの問題を解決したい」と訴えた。
<同進会の歩み>
日本政府は戦時中、植民地の朝鮮と台湾で捕虜監視員を募集。日本軍の軍属となった朝鮮・台湾出身の若者は戦後、連合国による裁判で「捕虜虐待」の罪でBC級戦犯として訴追され、死刑を含む重い罪を負わされた。その数は、朝鮮人148名(うち死刑23名)台湾人173名(うち死刑21名)。 その後、1952(昭和27)年にサンフランシスコ講和条約が発効したことで、日本にいた朝鮮・台湾出身者は「外国人」と扱われることになった。 「日本人」として裁かれた朝鮮・台湾出身のBC級戦犯者は、条約発効を受けて刑務所から釈放されるかと思われたが、日本の裁判所は「刑を科されたときは日本人であった」として彼らを収監し続けた。ところが、満期を迎えたり仮釈放で刑務所を出所した彼らに対し、日本政府は「もはや日本人でない」として日本軍人・軍属に認めた援護措置等の対象から彼らを除外したのである。
今年3月下旬に90歳の誕生日を迎えた李鶴来(イ・ハンネ)会長ら同進会会員は、日本政府にこれまで何度も謝罪や補償を求めてきたが、日本政府は問題解決を先送りし続けた末、1965(昭和40)年に日韓請求権協定が締結されると「問題は解決済み」として同進会会員らの要求を拒否し続けている。 そこで李会長らは、状況を打開しようと、日本政府に謝罪と補償を求めて1991(平成3)年に日本の裁判所へ提訴したのだが、8年後の1999(平成11)年、最高裁は原告の訴えを退けてしまった。 ただ、最高裁は判決の中で「上告人らが被った犠牲ないし被害の深刻さに鑑みると、これに対する補償を可能とする立法措置が講じられていないことについて不満を抱く上告人らの心情は理解し得ないではない」「立法府の裁量的判断に委ねられたものと解するのが相当である」と論じており、これを受けて同進会は、日本の国会に立法措置を求め続けているというのが今日までの状況である。
<国会議員の発言>
民主党は、政権交代前の2008(平成20)年、議員立法で「特定連合国裁判被拘禁者等に対する特別給付金支給法案」を衆議院に提出している。同法案は「特定連合国裁判被拘禁者(朝鮮・台湾出身の元戦犯者)が置かれている特別の事情に鑑み、人道的精神に基づき、本人と遺族に特別給付金を支給する。その額は、特定連合国裁判被拘禁者1人につき300万円(申告制)」を骨子とするが、残念ながら未成立に終わっている。 4月1日の院内集会には、立法に関わった国会議員らが駆け付け、今後に向けた決意を語っていた。発言の一部を紹介したい。
藤田幸久参院議員(民主党) 「私は今国会でBC級戦犯問題について質問しましたが、岸田外務大臣からは『1965年の日韓請求権協定により完全かつ最終的に解決されましたが、道義的見地から1953年以降、日本人と同様の帰還手当を支給しました。あるいは見舞金、生活資金の一時支給が1958年まで行われました。生業の確保、公営住宅への入居について好意的な措置を取りました。その上で、今日までの様々なご苦労をなされてことについては、私自身も大変心が痛む思いがしています。こうした思いを胸に、引き続き平和国家としての外交の歩みを続けてまいります』との答弁がありました。今までの政府答弁は紋切り調のものが多かったのですが、岸田外務大臣とはこういうやり取りが出来るところまで来ています」
横路孝弘衆院議員(民主党) 「韓国人元BC級戦犯者の方々への特別給付金については、超党派の賛成の下、議員立法を作って対応するしかないと思います。2008年の議員立法に関わった議員の多くは国会から消えていますが、当時の法案を精査して国会に提出し、李鶴来さんが生きておられる間に問題が解決するよう努力していきます」
有田芳生参院議員(民主党) 「民主党政権時に出来なかったものを、今の自公政権の下でなんとか実現しなければいけないと思い、公明党の政策担当者などにこの問題を訴えています。与党を動かして全会一致で実現しなければなりません」
初鹿明博衆院議員(維新の党) 「安倍首相が日本をどういう国にしたいのか分かりませんが、多分『日本は立派で誇り高い』と思っているのでしょう。そう思うなら日本人として戦い、日本人として裁かれた李鶴来さんを始めとする皆様方に対して、国としてしっかり弔慰を払って責任を果たしていくことが日本人としての誇りだと思います」
<当事者が納得する解決策を>
同進会を代表して挨拶した元BC級戦犯者の孫に当たる朴承夏(パク・スンハ)さんは、祖父との思い出を紹介しつつ、「最近は『未来志向でいこうじゃないか』とか『過去のことなんか、もういいじゃないか』なんて声もありますが、過去のことをちゃんと清算出来ないで未来のことは考えられないと思います」と訴えていた。 「慰安婦」問題も同様だが、日韓が未来志向で進んでいくためにも、日本政府には当事者がご存命の間に、当事者が納得する形の解決策を講じてもらいたい。それは、朴さんのような日韓両国の未来を担う若者たちが仲良くしていくためにも必要なことだと思うのである。(坂本正義)
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