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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2015年08月03日23時28分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎発】第五検察審査会による「東電取締役3名強制起訴」 ほとんど完璧な事実認定 山崎久隆
第五検察審査会は、7月17日に告訴されていた東電取締役のうち3名を起訴相当と議決し、7月30日に公表した。
議決の要旨は次の通り。(原文どおり) 被疑者らは,東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の関係者であるが,福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)の運転停止又は設備改善等による安全対策を講じて,大規模地震に起因する巨大津波によって福島第一原発において炉心損傷等の重大事故が発生するのを未然に防止すべき業務上の注意義務があるのにこれを怠り,必要な安全対策を講じないまま漫然と福島第一原発の運転を継続した過失により東北地方太平洋沖地震(以下「本件地震」という。)及びこれに伴う津波(以下「本件津波」という。)により,福島第一原発において炉心損傷等の重大事故を発生させ,水素ガス爆発等により一部の原子炉建屋・格納容器を損壊させ,福島第一原発から大量の放射性物質を排出させて,多数の住民を被ばくさせるとともに,現場作業員らに傷害を負わせ,さらに周辺病院から避難した入院患者らを死亡させた。
◯ 議決に至った犯罪事実については、次の通りである。 なお、これは筆者による要約である。
勝俣恒久会長は経営における最高責任者として経営判断を通じて 武黒一郎副社長原子力・立地本部長は原子力担当の責任者として原子力発電所に関する知識情報を基に実質的経営判断を行うことを通じて 武藤栄副社長原子力・立地本部長は原子力担当の責任者として原子力発電所に関する知識、情報を基に技術的事項に関して実質的判断を行うことを通じて 福島第一原発の運転停止又は設備改善等による各種安全対策に関する実質的判断を行い、地震、津波による原子力発電所の重大事故の発生を未然に防止する業務に従事していた。
◯ 検審が認めた事実は次の通り (1から9)
1 福島第一原発が順次設置許可申請を行い建設されたのは1960〜70年代、日本で最も津波に対する余裕の少ない原発だった。
2 その後、地震調査研究推進本部(推本)の地震調査委員会が2002年7月31日に公表した「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」(長期評価)で三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域内のどこでもMt(この場合は津波マグニチュードの意味)8.2前後の津波地震が発生する可能性があるとした。
3 2006年9月、原子力安全委員会により改定された耐震設計審査指針(新指針)では、「極めてまれ」であろうと原発が供用中に発生する可能性があると想定される津波に対して、施設の安全機能に対し、重大な影響を与えないことを十分に考慮した設計でなければならないとした。
4 新指針に対応して原子力安全・保安院は各電力事業者に対し、既設の原子力発電所について耐震バックチェックを指示した。いわゆる「バックチェックルール」では、津波の評価について、これまでに発生した津波の状況に加えて最新の知見をも考慮することとされた。
5 加えて海外事例や東電内で発生した浸水事故などで明らかになった、巨大津波により原発が浸水した場合予想される、非常用電源設備や冷却設備等の機能喪失に起因して、最悪の場合には炉心損傷等の重大事故が発生する可能性があるととが既に明らかとなっていた。
6 2007年11月頃から東電では、耐震バックチェックにおける津波評価について、推本の長期評価の取扱いに関する検討を開始したが、2008年3月頃には推本の長期評価を用いると、福島第一原発のO.P.(小名浜港工事基準面)+10メートルの敷地(10m盤)を大きく超える可能性があることが判明した。
7 それ以降、武藤栄は、少なくとも2008年6月にはその報告を受け、武黒一郎は少なくとも2009年5月ころまでにはその報告を受け、勝俣恒久は少なくとも−2009年6月ころまでにはその報告を受けることにより、被疑者ら3名はいずれも、福島第一原発の10m盤を大きく超える津波が襲来する可能性があり、その結果浸水して非常用電源設備や冷却設備等が機能を喪失、炉心損傷などの重大事故が発生する可能性があることを予見し得た。
8 したがって、被疑者3名は福島第一原発の10m盤を大きく超える津波が襲来した場合を想定し、何らかの設備改善等の安全対策を講じることを検討し、何らかの合理的な安全対策が講じられるまでの間、福島第一原発の運転を停止すること等も含めた措置を講じることで、炉心損傷等の重大事故が発生することを未然に防止すべき注意義務があった。
9 しかしながら、これを怠り、漫然と福島第一原発の運転を継続した過失により、東北地方太平洋沖地震に伴い発生した津波により、全電源喪失及び非常用電源設備や冷却設備等を機能喪失させ、炉心損傷等の重大事故を発生させ、大量の放射性物資を排出させた結果、双葉病院の入院患者を始めとして多くの市民に結果として死亡させ、事故対策に当たった消防署員や自衛隊員を負傷させるに至った。
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