●目次●
「平和主義から逸脱する日本に批判」WP 8/11 A regal critique of Japan’s drift from pacifism
「ナショナリズム対立を煽る日中韓の歴史知識」 FT 8/11 History lessons feed rival nationalism
「安倍首相の戦後70周年談話 率直な謝罪を避ける」WSJ 8/15 Japan’s Abe Stops Short of Direct Apology Over World War II
「バンコクで爆破事件 少なくとも20人死亡」 NYT 8/17 Bangkok Bomb Attack at Popular Shrine Kills at Least 20
「カイロ自動車爆弾テロ 治安施設前で」NYT 8/20 Car Bomb Explodes Near a Security Building in Cairo
「北朝鮮と韓国 軍事境界線で砲撃の応酬」NYT 8/21 North Korea and South Korea Trade Fire Across Border, Seoul Says
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「平和主義から逸脱する日本に批判 」 A regal critique of Japan’s drift from pacifism
8月11日のワシントンポスト紙は、平和憲法を再解釈する安倍晋三首相に対し、国内外から批判が高まっていることを報じた。 同紙は、日本の明仁天皇は最近の安倍晋三首相の安全保障関連政策に対して、繊細な言葉使いを用いて、不快感を示しているようだとの見方を示した。皇室ジャーナリストによると、天皇は「人々の戦争の記憶が急速に薄れていく中で、忘却により戦争の犠牲者は2度死ぬ」と考えているとのこと。 また、平和主義の擁護が日本に有益と考える国民からも強い反対を受け、政府が選んだ憲法学者も、「安保関連法制は違憲である」との見解を示した。 広島・長崎原爆70周年を迎えた先週、安倍首相の取り組みは地元住民の断固たる批判に遭い、世論調査でも安倍首相に対する評価はこの数ヶ月で急落した。 同紙は、韓国外交部の報道官による「日韓関係が好転し、日本が国際社会において責任のあるメンバーになることを望む」とのコメントも紹介した。
「ナショナリズム対立を煽る日中韓の歴史知識」 History lessons feed rival nationalism
8月11日付のフィナンシャルタイムズ紙は、日本・中国・韓国それぞれで、近代の歴史認識の違いによりナショナリズムが高まっているとし、各国の状況について伝えた。 中国については、中国共産党が史実とその解釈を支配し、「日本の侵略に抵抗する勢力の結集」掲げ、日本という仮想敵国を作ることで国民をまとめ、国内を治めてきたとした。 韓国では、深い被害者意識がナショナリズムをかき立てており、これを南北の分断が複雑にしていると報じた。また韓国ソウルにある延世(ヨンセ)大学校のヨルム教授が「日・中・韓の3カ国でナショナリズムが最高潮に達している」との見解を示していると伝えた。 また同紙は、日本について、中国と韓国からの絶え間ない咎めを受け、日本人は謝罪し続けることにうんざりしているとし、祖父にあたる世代が犯した罪で威嚇されるべきではないと考える日本の若い世代は、ナショナリズムに目覚めていると報じた。 一方、日本には今でも戦後の平和主義に大きな「誇り」を持っている人々が多いと指摘。ハーバード大学の入江昭名誉教授による「過去の過ちについて、可能な限り全体的で、偏見なき清算をすることで将来が築かれる。戦後の日本は戦前に比べ、すばらしい国へと発展した。これは誇りとして受け止めるべきである。しかし現在、今後もそうあり続けられるかが大きな疑問である」とのコメントを紹介した。
「安倍首相の戦後70周年談話 率直な謝罪を避ける」 Japan’s Abe Stops Short of Direct Apology Over World War II
8月15日付のウォールストリートジャーナル紙は、14日に発表された戦後70年の談話において、安倍晋三首相は日本の第二次大戦時の行いを、自らの言葉で謝罪するまでには至らなかったと報じた。 談話で首相は「申し訳ない」という率直な謝罪を控え、「日本は十分に謝罪してきた」との思いを示唆した。 安倍首相の歴史認識に懸念を示してきた中韓両国は日本の指導者に明確な謝罪を要求してきており、中国外務省の華春瑩広報担当官は「日本は過去の軍国主義に対する責任の所在を明確にし、被害国の国民に心からの謝罪をする必要がある」と述べた。 同紙は、安倍談話は「村山談話」に盛り込まれている重要な語句を繰り返したが、その表現は曖昧で、「日本は過去の戦争にどんな責任を負うのか」をめぐる安倍首相の考えは明確にされなかったと評した。
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