・読者登録
・団体購読のご案内
・「編集委員会会員」を募集
橋本勝21世紀風刺絵日記
記事スタイル
・コラム
・みる・よむ・きく
・インタビュー
・解説
・こぼれ話
特集
・人権/反差別/司法
・アジア
・国際
・イスラエル/パレスチナ
・入管
・地域
・文化
・欧州
・農と食
・市民活動
・検証・メディア
・核・原子力
・環境
・難民
・中東
・中国
・コラム
提携・契約メディア
・AIニュース


・司法
・マニラ新聞

・TUP速報



・じゃかるた新聞
・Agence Global
・Japan Focus

・Foreign Policy In Focus
・星日報
Time Line
・2025年03月31日
・2025年03月30日
・2025年03月29日
・2025年03月28日
・2025年03月27日
・2025年03月26日
・2025年03月23日
・2025年03月22日
・2025年03月21日
・2025年03月19日
|
|
2015年09月06日18時06分掲載
無料記事
印刷用
コラム
首相をめぐるミステリー
ミステリー小説が好きという人は少なくない。私も子供のころからシャーロック・ホームズに夢中だったし、現代日本のテレビでも、ミステリーやサスペンスは大流行である。 ミステリー小説というのは「何らかの事件(出来事)の謎を、占いなどではなく、知的・合理的推理によって解明する」のが基本であり、1841年、米国のエドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」によって初めて作品化されたというのが定説である(その数ヶ月前に連載が始まった、英国のチャールズ・ディケンズの「バーナビー・ラッジ」が最初という少数説もある)。 小説全般に言えることであるが、小説という文学形式が成立するには、近現代国家に民主主義が生まれ、個々の人間の意見・主張が尊重されることと深く関係している。
老いぼれなので、話が古くなって恐縮であるが、第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの空爆を受けていた英国では、公立図書館が活動出来なくなっていた。それでも、防空壕に暮らす国民のために、ミステリー小説だけは貸出しが続けられた。さすがミステリー大国の矜持である。当時の英国首相はウィンストン・チャーチルであった。 また、当時の米国では、小説はもちろん、ピノキオやダンボといったアニメが製作・上映されていたのだから、別世界と言ってよい。 それに対して、独国のヒットラーも、伊国のムッソリーニも、出版規制をかけ、特にミステリー小説を目の敵にして禁書とした。 当時の日本も「欲しがりません、勝つまでは」の世情であり、実学と無縁のものとしてミステリー小説は嫌悪され、抑圧されていた。
さて、現代日本の安倍自民党総裁である。
NHKとテレ朝に「中立公正」を求めての国会呼出しを行なっているし、都道府県知事選挙、地方自治体選挙においても、過敏・過剰なほど「中立公正」報道を求めてきた。 彼はミステリー小説が好きであろうか。私には全く情報は無いが、嫌いなのではないかと思っている。権力の座にあるものが、「中立公正」を求めるという名目で報道機関に介入することは、強圧・脅しに他ならない。おかしな形で危機感を煽り、政権への批判的な言論を許さないというのは、独裁志向・軍国政策の顕在化であることは、先の歴史が証明している。(伊藤一二三)
|
転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。
|
|





|