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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2015年09月07日00時13分掲載
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繭に小さな穴を穿って・・・夏をゆく人々 笠原眞弓
エンドロールがはじまって、ポカーンとしている私。不思議!! が最初の感想。時間が経つにつ れ、既視感が湧き上がってくる。14、15歳の頃の私が混沌の海から立ち上がってくる。あの頃の私は、少年少女文庫に夢中だった。同年輩の人たちと、毎日物語の中で生きていた。何が起きても不思議のない世界で、夕日の中にアポロンを見た。
主人公の少女は、パパ、パパといつも父親の周りにいて父親の世界が全てだった。蜂飼いの父親に仕事を仕込まれ、それに必死に応えて信頼されている。妹は適当にサボり自分の楽しみを楽しんでいる。 どうもこの夫婦は、イタリア中部のトスカーナに来る前は社会運動をしていたらしい。自然との共生を求めて、都会を離れたようだ。なんで同居しているのかわからない女性や、以前の友だちの来訪などから察しがつく。事あるごとにとなりの住人と争っている。原因は「農薬」である。農薬は昔ながらの養蜂の敵なのだ。
そんな少女の外の世界へのあこがれを呼び覚ましたのが、地方を紹介するテレビ司会者の不思議な女性。テレビに出れば、知らない扉が開けるような気がして、反対する父親を説得するが……。 内面の世界を開いたのが、ある日突然やってきた少年だった。父親の故国ドイツから少年が更生のために預けられたのだ。この少年は口をきかないけれど、小鳥のように口笛を吹く。男子に期待する父は彼女をないがしろにして、少年に養蜂を教えはじめるのだが、娘が自分から離れていくことにも薄々気づいている。娘の関心を取り戻そうとズレにも気がつかない父親にも、なんだか共感出来る。
テレビ放送の日、行方不明になった少年を探して一晩を留守にした少女の帰宅は、3人の大人の意味深い言葉で迎えられる。それは、思春期真っ只中に足を踏み入れた、彼女を迎えるそれぞれの思いでもある。 夏の去った村には、空き家になった大きな家が残っていた。
私が馬車に乗ったアポロンを夕日の中に見たように、彼女も少年と共に何かを見たに違いない。
監督:アリーチェ・ロルヴァケル 111分 岩波ホール上映中10/9まで、全国順次公開
≪写真≫ c 2014 tempesta srl / AMKA Films Pro ductions / Pola Pandora GmbH / ZDF/ RSI Radiotelevisione svizzera SRG SSR idee Suisse
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夏をゆく人々





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