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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2015年09月09日14時09分掲載
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小阪修平著「イラスト西洋哲学史」(挿画:ひさうちみちお) 西洋哲学の流れがよくわかってひける入門書 立憲主義や民主主義を生んだ欧州哲学をやさしく解説
宝島社から文庫版で2冊組で出ている「イラスト西洋哲学史」(小阪修平著)は普通の哲学の学術書とは違ったスタイルの本ですが、中身は本格的です。この本の特徴は古代ギリシアから、現代に至る西洋哲学の流れを骨太に枝葉を切り落として、肝要と著者が考える哲学者に重点配分している点です。
上巻 イオニア自然学とピュタゴラス プラトンの二元論 アリストテレスの体系
下巻 デカルトと明晰な精神 大陸合理論とイギリス経験論 カントの批判哲学 ドイツ観念論とヘーゲル マルクス主義と実存主義
上下巻は以上の配分になっています。見てわかるとおり、中世の哲学には触れていません。古代ギリシアの次に下巻に入ると、時代がぶっ飛んでいきなりデカルト=近代哲学から始まるところに小阪氏の重点配分が見えます。キリスト教的神学的体系をばっさり割愛したわけです。
こうすることで、古代ギリシア時代の哲学的なアイデアが近代にどういう形で引き継がれたかが、明瞭に見えてくるように思えました。それともう一つの特徴は最後に「マルクス主義と実存主義」という項目こそありますが、本書がヘーゲルまでは丁寧に扱っていながら、マルクス主義と実存主義はほとんど割愛している上に「主義」という言葉をつけている点です。ここにも小阪氏の考え方を見ることができます。それに対する批判などもあるでしょうが、小阪氏が重点配分した哲学史は古代ギリシアの哲学と近代哲学の2点ということになります。
そして近代哲学においてはデカルトを中心とする大陸合理論と、ロックやヒュームを中心とするイギリス経験論、さらにそれらを統合して完成させようとしたカントを中心とするドイツ観念論。そして、そのあとに登場するヘーゲルの弁証法哲学。このあたりをじっくりと解説しています。
そうした編集方針で作られたこの哲学史が今の日本で役に立つのは今日の政治状況から。日本の政治論争の核を作る立憲主義とか、民主主義はそもそも欧州で形成されたものであり、その産みの親である英国やフランスの哲学的な背景を理解するためのヒントがここにあります。
「市民政府二論」を書いて王権神授説を論破し、社会契約論のアイデアを提供したイギリス経験論のロックや、ロックの社会契約論をより深めようとした大陸合理論の本場フランスのルソーらは今日の日本国憲法を生んだ欧州法哲学史で欠かせない人々です。日本国憲法のベースになっているフランス憲法やアメリカ独立宣言あるいは米憲法の背後にはこうした英仏の法哲学者の探究の歴史がありました。彼ら欧米の法哲学者のバックグラウンドである欧州哲学とはいったいどのようなものだったのかを今一度、この本で俯瞰することができます。
宝島社によると、1984年にJICC出版から刊行された本書は小阪修平氏(1947−2007)の処女作ということです。それだけに、東大を中退して在野の研究者の道を選んだ小阪氏の若さと野心的なパワーが感じられます。
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