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2015年09月13日17時15分掲載
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北朝鮮
日朝ストックホルム合意に基づく調査結果はいつ発表されるのか 〜問われる日本の外交力
9月17日は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と日本の両国首脳が、日朝平壌宣言に署名した日だ。戦前の日本による植民地支配という「不幸な過去を清算」し、「懸案事項を解決」して国交正常化をめざすという同宣言だが、今年もその目標を達しないままの記念日となる。
北朝鮮は昨年7月、日朝のストックホルム合意(同5月)に基づき、拉致被害者や行方不明者、残留日本人、日本人配偶者、終戦直後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨と墓地に関する調査を始めた。一歩前進ではあったが、それから1年余り、調査の結果報告がないまま、日朝両政府の間では報告を「出す」「出していない」の言い合いが起こっている。 北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)朝日国交正常化交渉担当大使は9月9日、日本の共同通信の取材に応じ、調査結果の報告書が「ほぼ完成した」と語った。では、なぜ早く発表しないのか。彼はそれについて「調査結果を日本側と共有出来ていないため」と主張したという。 これに対し、菅義偉官房長官は翌10日の記者会見で「詳細を承知していないので、政府としてのコメントは控える」と述べるのみ。しかし、最近平壌を訪問し、宋大使と面会したという日本人によると、宋大使はこう語ったという。 「拉致問題の調査は既に終了していると日本政府には伝えてあるが、日本は終わったことに同意したと言わない。日本の政治家は『調査を延ばしているのは北朝鮮』と言って、家族に対しても、こちらの誠意を知らせているのかどうか疑問だ」 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬議長も、9月7日の北朝鮮建国67周年(9月9日)祝賀宴の挨拶で、調査結果をいつ報告するかは「すべて日本側にかかっています」と強調していた。
この問題を追うマスコミの記者たちによると、北朝鮮は今年の初め頃には調査終了を日本側に伝え、初夏には第3国で日本外務省の幹部に直接、報告書を渡した。しかし、同幹部は中身をパラパラと見て『これではダメだ』と突き返し、今日に至っているという。受け取って発表すれば、北朝鮮に対する怒りはもちろんだが、日本政府への批判が噴き出るような中身だったからだ。マスコミとしては調査報告書そのものを見た訳ではなく、裏が取れないし、拉致被害者の家族の心情も考慮すると報道出来ずにいる。
では、日本政府はどう対応するのか。岸田外相は、次のように述べている。 「そもそも7月2日に『調査の結果通報までには、まだ時間がかかる』という通報があり、大変に遺憾に思い、そして総理自らの指示を受けて、北朝鮮側に直接働きかけを行った」 これは、8月にマレーシアで開かれたARF(アセアン地域フォーラム)会合での日朝外相会談を指す。そこで岸田外相は「『1日も早く全ての拉致被害者の方々が帰国することを目指すという趣旨で期限を設けるべきではない、設けない』との日本政府の立場を伝えた。今後、北朝鮮の反応を見ながら、具体的な対応を引き出すためには何が最も効果的なのかといった観点から対応を考えている」と述べている(9月1日の記者会見)。
拉致被害者らの再調査を行う北朝鮮の「特別調査委員会」には国家安全保衛部、人民保安部など治安・特殊機関も加わっている。これは、北朝鮮による過去の調査のときとは違う強力な布陣であり、前進面ではあった。問題は、その調査内容をいかに確かなものにしていくか。 昨年5月のストックホルム合意には、調査過程での問題を確認するため、「日本側関係者との面談や、関連資料の共有等について適切な措置をとる」と書かれている。自らが現場で調査できないという壁をどう乗り越えるか。日本の外交力がいよいよ試されている。(西条節夫)
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