戦争法制が成立した翌日、さっそくその影響と思われる事件が発生した。辺野古新基地建設反対運動の拠点が20日夜、右翼集団と思われる暴漢たちに襲われたのだ。ナイフを振りかざした男女によって、座り込みのベースであるテントは無茶苦茶に壊された。しかし、通報を受けた警察の動きは鈍く、半ば黙認、野放しといういう印象さえ受けたと、現場からのツイッターが伝えた。安倍政権の暴走に力を得た右翼テロが跋扈する状況が現実のものなった。(大野和興)
まず現地の新聞、『沖縄タイムス』から事の次第を追ってみる。
辺野古テント損壊・2人負傷で被害届 警察の対応に批判も 【名護】名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前で、新基地建設に反対する市民が拠点としているテントに男女約20人が19日深夜から20日未明にかけて押し掛け、横断幕を切るなどした事件で、ヘリ基地反対協の安次富浩代表は20日午前、被害届を名護署に出したことを会見で明らかにした。安次富代表によると、けが人が2人出ており、名護署が器物損壊と傷害の疑いで対応するという。
辺野古テント襲撃で男3人を緊急逮捕
現場のテント内は、新基地建設反対を訴える横断幕やのぼり、ゴザなどが切り裂かれたり、机やいすなどもひっくり返されていた。
安次富代表や複数の市民によると、押しかけた男女は19日午後10時半ごろから、「テントをどかせ」などと罵声(ばせい)を浴びせて押しかけた。カッターナイフを手にテント内へ入り、横断幕を切るなどしたという。20日午前0時過ぎまで、市民たちともみ合いになるなど騒然とした。
複数の市民によると男女は、19日午後4時ごろからゲート前テントで写真を撮ったり、スクーターで走行するなど嫌がらせを始め、午後6時ごろから、辺野古交差点近くの空き地で酒盛り。19日夕方からは街宣車に乗って嫌がらせを始めた。同日午後6時ごろから、複数の市民が警察に複数回通報し対応を求めたが「思うような対応がなかった」という。
もみ合いで顔面を殴られ頸椎(けいつい)捻挫のけがをした男性(49)は「目の前でバンバン壊されているのに警察は対応せず、逆に止めようとした私を抑えた」と強く批判した。
以下、現地から刻々発進されたツイッターから、何が起こったかを追ってみる。
◆19日深夜、名護市辺野古の新基地建設に抗議する座り込みテントを、右翼団体と思われる約20人が襲撃した。男らはカッターナイフを手に「殺すぞ」と恫喝し、暴れて横断幕などを切り刻んだ。駆け付けた警察官の目の前で市民が殴られたが、警察官は男らを逮捕せずに追い払っただけだった」とのこと。
◆ 辺野古テントの襲撃事件、琉球新報は襲われた市民の「ゲート前にいる警察官に注意を要請したが、双方に言い分があるという理由で受け入れてもらえなかった」という発言を掲載した。刃物を手に「殺すぞ」と脅したことを「言い分」って、理解できない→ http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-249175-storytopic-271.html …
◆全国有志からのバナーも全部カッターで剥ぎ取られ、外テントカバーも自転車も投げられた。直ぐに拘束しないから、辺野古文庫の中にも入られ、中の物が倒れている。 pic.twitter.com/mIeaFXiCaS
◆9月20日午前6時50分頃、米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、男女約20人が昨夜押し掛けたトラブルで壊された新基地建設に抗議する座り込みテントの鑑識が警察官により行われています。#沖縄 #辺野古 pic.twitter.com/0BY0X50whk
◆街宣右翼が多数で辺野古のテントを襲撃し、テントにいた方に暴力を振るったもよう。酔っぱらってカッターナイフ持っていた。警官が来たが、警官は捕まえようともせず、警官の前でも殴られた。なぜ逃がすのかと聞いても警官は黙秘権を使って何も話さない。連絡後6時間してやっとパトカー到着のもよう。
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