・読者登録
・団体購読のご案内
・「編集委員会会員」を募集
橋本勝21世紀風刺絵日記
記事スタイル
・コラム
・みる・よむ・きく
・インタビュー
・解説
・こぼれ話
特集
・アジア
・国際
・イスラエル/パレスチナ
・入管
・地域
・文化
・欧州
・農と食
・人権/反差別/司法
・市民活動
・検証・メディア
・核・原子力
・環境
・難民
・中東
・中国
・コラム
提携・契約メディア
・AIニュース


・司法
・マニラ新聞

・TUP速報



・じゃかるた新聞
・Agence Global
・Japan Focus

・Foreign Policy In Focus
・星日報
Time Line
・2025年03月30日
・2025年03月29日
・2025年03月28日
・2025年03月27日
・2025年03月26日
・2025年03月23日
・2025年03月22日
・2025年03月21日
・2025年03月19日
・2025年03月18日
|
|
2015年11月08日10時02分掲載
無料記事
印刷用
アフリカ
【西サハラ最新情報】40年前のモロッコ官製デモ<緑の行進> 平田伊都子
モロッコ王ムハンマド6世が、「緑の行進」40周年にちなんでモロッコ占領地・西サハラに行幸しました。 40年前、1975年11月6日午前10時40分、35万人(モロッコ王室発表)のモロッコ人がモロッコ南端にあるタフを出発し、当時はスペイン植民地だった西サハラとの境界を越え「この地は王様のものだ!」と叫んだのです。 砂塵の中をコーランと当時のモロッコ王ハッサン2世の肖像を掲げ行進する熱狂的群衆の写真は、世界のマスコミを凌駕しました。 夢よもう一度と、息子のムハンマド6世は「この地は王様のもの」キャンペーンを張り、モロッコ占領地・西サハラに入ったのですが、、
(1)<緑の行進>の真実: 40年前、モロッコ首相アハマド・オスマンに先導されモロッコ空軍機に守られた官製デモ<緑の行進>は、当時の西サハラ植民地スペイン軍の阻止に会うこともなく、スペイン領・西サハラに入った。ただし不法越境したのは、5万人足らずだと言われている。当時のスペイン国内では長期独裁者フランコが危篤に陥り、後継者のカルロスが王位に就いたばかりで、一発触発の内戦危機が迫っていた。天然資源に乏しく独立闘争をする西サハラゲリラ組織ポリサリオ戦線がうざったい西サハラ植民地を、カルロス新国王は手放す積りだった。モロッコの越境示威行進にあえて干渉せず、むしろそれを利用して西サハラから速やかに手を引こうとした。まだ、西サハラの地下にある石油・天然ガス・ウランは見つかっていなかった。今時に、臍をかむスペインかな?、
(2)CORCASキャンペーン1: 「南サハラ(西サハラのモロッコ呼称)は、脱植民地化問題ではない。外部が工作する反モロッコ王室運動に過ぎない」とするフランス人チャールズ・セント・プロの説を、CORCASが<緑の行進>40周年キャンペーン・スローガンとして取り上げた。さらにチャールズは、「南サハラに西サハラ民族など存在したことなどまったくない。ここにはずっとベルベルアラブが住んでいた。12世紀以前から、南サハラを含む地中海からセネガル川まで、モロッコ王室のものだ。1970年代になってアルジェリアが分離主義者をそそのかし、モロッコ王に逆らわせた。南サハラはモロッコ領土内の一地方だ」と、チャールズ氏はモロッコ王室を代弁している。
(3)CORCAS キャンペーン2: CORCAS(王立サハラ問題諮問協議会)は、ハッサン・エルブハルーテイ作90分記録映画<フロント(ポリサリオ戦線)の正体>のキャンペーン上映をあちこちで展開している。ナレーターはCORCASメンバーのサアダニ・モウライニーンで、西サハラ独立運動を指導するポリサリオ戦線をモロッコ王への反逆者・分離主義者で残虐な悪党と、こき下ろしている。この映画はフランスやEU議会やイギリスなどで公開された。CORCASによると、このキャンペーンは、ジル・パーグノ・EUモロッコ友好グループ議長が音頭を取り、種々の西サハラ友好団体にまで浸透させるのに成功したと豪語している。さらにCORCASは、元MINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)代表のエリック・ジェンセンを引っ張り出し「2007年にモロッコが国連に出した<南サハラはモロッコ領内の一地方自治州>という案は最高だ」と、モロッコ提案を絶賛させている。
(4)国連事務総長の反応: モロッコが国連主導の和平工作に反対するようなキャンペーンを展開していることに対して、2015年11月4日にニューヨーク国連本部でパン・ギムン国連事務総長が声明を出した。それによると、「私は当該地と広く国際社会に対して、私の西サハラ個人特使であるクリストファー・ロスに協力することを要請する。西サハラの人々がその民族自決権を行使できるよう、両当事者が交渉の場に戻るよう呼びかける。私と私の個人特使ロスは国連安保理の命を受けて、両当事者交渉の再開を目指している」と、ある。さらに、元MINURSOエリック代表の「国連交渉は現実的ではない。モロッコ王が2007年に提案したモロッコ領のサハラ地方州案を呑むほうが、良策だ」という説に、「2007年の外交工作が今日の交渉失敗を導いた」と、反論している。
一方、西サハラ難民政府は、「これから数か月の間に、モロッコとポリサリオの交渉再開 を」というパン・ギムン国連事務総長の呼びかけを高く評価し、ロス国連事務総長個人特 使への協力と連携を約束した。
それにしても、「大西洋からセネガル川までモロッコのもの、、」とは、モロッコ王は欲深ですね! そのお説によると、西サハラは勿論、モーリタニアもマリもセネガルもギニアも、モロッコ王のものになるんでしょうか?
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2015年11月7日 SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
|
転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。
|
|
緑の行進をあしらったモロッコ・100デイナール紙幣、約980円





|