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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2015年11月16日06時43分掲載
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国際
パリで再発したテロ事件 フランスの報道から フランスが空軍機10機でラッカを空爆 オランド大統領「これは戦争である」
13日、金曜にパリで実行されたDaech(イスラム国やISとも呼ばれる)によるテロによっておよそ130人の死者が出たと報じられています。
ちょうど、この日の朝、ルモンド紙のウェブ版に警察を統括するフランス内務省の内務大臣、ベルナール・カズヌーブ氏がフランス国内への銃の密輸取締強化を今後行う旨を発表した記事が掲載されていました。このことはテロ対策と連動していることは間違いありません。
フランス内相のカズヌーブ氏はテロ事件の後、フィガロ紙で今後、フランス国内にあるイスラム教のモスクの中で、憎しみを説くモスクがあれば閉鎖させることができるように働きかけていく旨を発表しています。
La- croixのウェブサイトによると、カズヌーブ氏の素早い声明はすでに以前から、国内のモスクを訪ねて、宗教指導者らと懇談し、イスラム原理主義とは一線を画すように説いて回っていたということのようです。今回の「閉鎖」もやむなし、とする方針は従来から腹案としてあったもののようです。
フランス国内のモスクについてみると、右翼政党の国民戦線などがモスク建造に反対の運動を津々浦々で繰り広げてきたと報じられています。モスクがイスラム原理主義運動家の潜伏先になるとみるためです。フランスでイスラム教はカトリックにつぐ第二の宗教ですが、モスクの数は多くはなく、モスクのない地域のイスラム系住民はそれに変わる空間を活用して礼拝を行っています。それでも信者が室内からはみ出して、路上にまで礼拝の人々が出てしまうこともしばしばあるようです。国民戦線は公道で宗教儀式を行うことはフランスの憲法に反するとして、批判と反対運動を続けてきています。
現在、フランスの中でイスラム系の移民の多くは生活が厳しく、失業率もフランス人よりも高止まりしています。とくに若者の場合は20%とも30%とも言われています。そうした中にあって、モスクは心の拠り所です。その場所がなくなることはイスラム教徒にとっては孤立と失意を意味することになるでしょうが、フランス政府としてはイスラム原理主義と一線を画して、旗色を鮮明にして欲しい、ということのようです。報道によると、カズヌーブ氏はテロに対する城壁となるのは普通のイスラム教徒であり、テロでもっとも悲惨な状況に追い込まれるのもイスラム教徒である、と言っているそうです。
しかし、フランスがリビアやシリアなどで空爆や地上戦などを行えば当然、イスラム原理主義勢力の恨みを買い、攻撃されるリスクは高くなっていくでしょう。国内でイスラム原理主義の封じ込めを狙うフランスですが、イスラム教諸国に対する軍事行動によってますますテロリストの標的にされる、というジレンマに陥っています。マリ北部を支配するイスラム原理主義勢力に対して2013年にフランス軍が地上戦を含むセルヴァル作戦を行って以後、フランス政府がテロルの可能性があるとしてマークしなくてはならない国が従来よりも膨れ上がっていると報じられたことも記憶に新しいことです。その頃、フランス外務省はフランス人が海外渡航する際に危険がある国として、40カ国を指定しました。軍事介入すれば当然、その反作用を伴います。
フランス24によると、フランス軍は昨日、Daechの拠点であるシリアのラッカに空軍機10機を投入し、空爆を行いました。このことはオランド大統領がテロの直後に行った「これは戦争である」という発言を思い出させるものです。報道によると、爆撃は20回行われ、標的はDaechの司令部とテロリストの訓練キャンプだとされます。
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