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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2015年11月16日19時18分掲載
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国際
ドビルパン元首相も発言 Daech を相手に「戦争」をするのは敵の思惑にはまることだ その結果、フランスが内戦に突入する
13日に起きたパリの同時多発テロ事件を受けて、フランスではテレビ討論が盛んに行われている模様。最近、あまり見かけなくなったドミニク・ドビルパン元首相も放送局の舞台に登壇した。
ドビルパン氏と言えば2003年のイラク戦争開戦をめぐる国際議論の際、フランスの外務大臣として開戦を迫るアメリカやイギリスに対して毅然と反旗を翻したことで歴史と記憶に残る政治家である。そのドビルパン氏はこの状況をどう見ているのだろうか。
彼の考えはDaechに対して戦争に応じることは敵の罠にはまってしまう悪い考えだということだった。オランド大統領はすでに昨日、フランス空軍機を飛ばしてDaechの拠点ラッカに空爆を行った。オランド大統領はテロの直後にテレビカメラを見つめて「これは戦争である」と宣言したばかり。しかし、もしフランスがDaechを相手に戦争に突入すると、むしろDaechの側に戦争相手国という地位を与えることにもなりかねない。そのことはフランスの内部においても、敵を作って内戦に向かうリスクをはらんでいる。
従って、大切なことはシリアで主権を持っているアサド政権と対話することである、と説くのである。シリア国家の正当性が揺らぐことはDaechの勢力に一定の承認を与えてしまうことでもある。Daechを相手に「戦争を行う」ということはそういうことである。しかし、問題はオランド大統領がその考えを受け入れていないことにある。
フランソワ・オランド大統領は2012年に大統領に選ばれた直後から、中東や北アフリカへの軍事介入に積極的な立場である。2013年のシリアの化学兵器問題の時も、オバマ大統領とともに、シリア攻撃に前のめりになったことは記憶に新しい。このときはオバマ大統領がシリアを支えるイランと交渉をした結果、直前になって軍事介入は回避されることになった。しかし、サルコジ政権、オランド政権とフランスでは2代に渡って軍事介入容認派の政権が続いており、シラク政権の時のようなアメリカと抗しても独自の中東政策を取る構えが消滅してしまった。かつてドビルパン氏の毅然とした姿勢に共感を覚えた人々にとって、今、彼が再登場して冷静な思考を崩していない様子を見ることは嬉しいことである。ただし、ドビルパン氏はフランスの軍事行動全体を否定しているわけではなく、それをどのような枠の中で行っていくか、主権の問題を含めてその枠組みのあり方に異議を呈している、ということのようである。
ここでDaechというネーミングを使うことはイスラム国という「国家」を承認するかどうか、ということとも関係しており、ドビルパン元首相は同組織はあくまでテロ組織であり、今回の行動も「戦争」ではなく、テロ行為、つまり犯罪組織による犯行である、という考えのようである。
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