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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2015年12月24日22時20分掲載
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中東
アムネスティ、ロシアのシリア空爆は国際人道法違反と告発
国際人権団体アムネスティはロシアのシリアに対する空爆で市民が大勢犠牲になっているとの調査結果を12月23日に発表した。報告書は、住宅が密集する住宅街の爆撃に、国際的に禁止されているクラスター爆弾や無誘導爆弾を使用した痕跡もあるとしている。アムネスティは調査をもとに、ロシアのシリア空爆は国際人道法違反であると警告している。(大野和興)
以下、アムネスティ国際ニュースから。
ロシアは、シリアで住宅街、寺院、市場、医療施設などを空爆し、市民数百人を殺害した。アムネスティ・インターナショナルはロシアの空爆を調査し、12月23日、それらが国際人道法違反であることを報告書にまとめて発表した。
報告書はロシアによる空爆で、多数のシリア市民が犠牲になっていることを明らかにしている。アムネスティは、9月から10月にかけて、ホムス、イドリブ、アレッポでの空爆のうち6度の空爆後の状況を調べた。そして、少なくとも民間人200人と十数人の兵士が殺害されたことを突き止めた。証拠からは、空爆により寺院や野戦病院に被害を加えたことを隠ぺいするため、ロシアが虚偽の発表をしている可能性も浮かび上がった。また、住宅が密集する住宅街の爆撃に、国際的に禁止されているクラスター爆弾や無誘導爆弾を使用した痕跡もある。
市民の殺害や民間施設の破壊を承知の上で、軍事目標がない住宅地域を直接攻撃したと思われるケースもある。このような攻撃は、戦争犯罪にあたる。
この疑惑の空爆を、第三者の手で公正に調査をすることが極めて重要だ。ロシアは、「テロリスト」だけを攻撃目標にしており、民間施設は被害を受けていないと主張してきた。民間人が死亡したという報告が出るとロシアの攻撃によるものではないと関与を否定し、それ以降は口を閉ざした。
アムネスティは、空爆の目撃者と生存者に聞き取りし、武器専門家の力を借りて、空爆を受けた地域を撮影した映像や写真を検証した。これらの検証結果と、「テロリスト」を攻撃したとするロシア国防省の声明、目撃者が語る空爆の特徴などを突き合わせた結果、一連の空爆は、ロシアによるものであることが判明した。
アムネスティの調べでは、空爆を受けた地点の周辺には、軍事目標や兵士もいなかった。つまり、これらの攻撃は国際人道法違反の可能性があり、場合によっては戦争犯罪に当たる恐れがある。
爆撃の1つでは、イドリブ県内の混雑する市場で爆弾3発が落とされ、49人の民間人が殺害された。この爆撃の目撃者たちは、日曜日の賑やかな市場が数秒で修羅場に変わった様子を話した。
「一瞬にして、みんなが叫び声をあげ、焼け焦げる臭いが漂い、ただただ大混乱だった。近くの小学校から子どもたちが叫びながら走り出てきた。死体がいたるところにころがっていた。頭部や手脚が切断されて」と、地元の活動家である、モハメド・クラビ・アル=ガザルは話した。
◆病院や寺院も被害に
ロシアによるものと思われる空爆は、病院も襲った。医療施設は、国際人道法で特別な保護の下にあり、その攻撃は戦争犯罪にあたる。イドリブにあるセルミン野戦病院からわずか数メートルの地点に爆弾が命中した。目撃した人は、命中して爆発するまで、航空機の姿も見えず、音もしなかったので、よほど高性能の爆撃機による攻撃のようだったと語った。
10月1日には、イドリブ県ジスル・アッシュグール中心部にあるウマル・イブン・アル=ハッターブ寺院が空爆を受けた。寺院が破壊されたという報告とその写真が出てきたとき、ロシアは「これらはでっちあげだ」と非難し、損傷を受けていない寺院の衛星画像を示して、「無傷だ」と主張した。しかしながら、ロシア側の画像は攻撃で破壊された寺院とは別物であることが後に判明した。
別の無傷の寺院の衛星画像を使って、寺院は破壊されていないと言い張るのは、単なるごまかしであり、違法な爆撃への非難と調査を避けることに腐心しているとしか見えない。報告された違反行為の調査に関し進んで協力するというが、このような行為では、信頼は培えない。国防省は、明確な攻撃目標を公表して、国際人道法に従っていることを示すべきだ。
11月24日、ロシアの戦闘機がトルコ空軍に撃ち落されて以来、同省は、シリアでの作戦に関する情報を以前に増して出さなくなった。
アムネスティは、ロシアが無誘導爆弾や国際的に禁じられている破壊力の大きなクラスター爆弾を人口の密集した民間人の居住地域に使用していることを示す写真や映像などの証拠も集めた。
ロシアは無差別攻撃など違法な攻撃を停止すべきだ。クラスター爆弾の使用をすべてやめ、民間人居住地域に無誘導爆弾を落とすのをやめなければならない。
(アムネスティ・インターナショナル国際ニュース)
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