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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2016年03月27日11時03分掲載
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アフリカ
ナイジェリア:軍による640人殺害から2年 いまだない法の裁き
2014年3月14日、ナイジェリアで、少なくとも640人の住民が軍の兵士に再拘束され、虐殺された。事件から2年が経過するが、当局はこの虐殺に対して公平な独立した機関によるしっかりした調査を怠ってきた。殺害された男性と少年の多くは、対ボコ・ハラム作戦の一斉取り締まりで恣意的に逮捕され、拘禁されていた。ボルノ州マイドゥグリにある彼らの収容場所がボコ・ハラムの襲撃を受け、拘禁されていた人びとは逃走した。殺害はその後のことだった。ほとんどが銃で撃たれ、残りは喉を搔き切られた。この虐殺の日に合わせて、世界中のアムネスティの活動家が、独立した機関による調査と処罰を求めて、各国のナイジェリア大使館前に集まった。(アムネスティ国際ニュース)
驚くべきことに、2年が経過するにもかかわらず、被害者とその家族に対する正義は果たされていない。独立した機関による調査がないため、加害者は誰一人として罪を問われず、従来から軍部にまん延する不処罰の風土がさらに深刻になった。
アムネスティは虐殺後、その実態を詳しく調査した。多数の目撃者への聞き取り、殺害とその直後を撮った映像の検証、衛星画像での集団埋葬地の位置の特定などだ。
昨年6月には報告書を公表し、ナイジェリア軍による戦争犯罪と、人道に対する罪にあたる可能性を示す証拠を多数明らかにした。軍は2012年から2014年の間に少なくとも1,200人の男性と少年を超法規的に処刑した。実際にはこれ以上だと考えられる。また、軍に拘禁されていた7,000人が、飢え、渇き、病気、拷問、医療不足などで死亡した。治安部隊による組織的拷問が、拘束時も拘禁中も、日常的に行われた。2011年以来、軍は2万人以上の被疑者を恣意的に逮捕した。ほぼ全員が、家族や弁護士への接触を許されず、正式な起訴も裁判もなく拘禁された。
アムネスティは、国際法に基づき独立した機関による有効な調査を開始すること、および、人権侵害に対するしっかりした保護措置を講じることを、ナイジェリア政府に繰り返し求めてきた。
しかし、ブハリ大統領と政権は、この報告書の指摘の検証を何度も約束したにもかかわらず、求めた調査を開始しなかった。政権の座について9カ月以上も経過する同大統領は、軍の手で犠牲となった数千人の人びとに司法の手を差し伸べ、同様の事件が再発しないよう直ちに対応しなければならない。
ギワの殺害からこの2年、軍による違法な殺傷行為は続き、誰も罪を問われていない。ギワからザリアに至るまで、北東部から南東部まで、ナイジェリアにまん延する不処罰の連鎖を断つときが来た。まず、ギワの640人の被害者に、国は司法の正義を果すべきだ。
【背景】
アムネスティは、2012年以降、報告書や記事で、武装グループのボコ・ハラムと軍、双方の人権侵害と暴力を調査し、その実態を明らかにしながら、双方を強く非難してきた。昨年4月には、ボコ・ハラムが、戦争犯罪や人道に対する罪を犯した事実を確認し、報告書にまとめた。その中で、ボコ・ハラムには、市民への襲撃を止め、政府には、ボコ・ハラムのメンバーを裁くよう、要求した。
2014年3月31日の報告書では、ギワ収容所の襲撃事件後に再逮捕された被収容者殺害の証拠を示した。この報告書は、マイドゥグリの内外で、住民、法律家、人権活動家、病院スタッフなど数十人に聞き取りをして得た情報に基づいている。
2014年8月5日には、ギワ収容所襲撃事件後に再逮捕された人びとの首を、軍の兵士が掻き切っているショッキングな映像を検証して、公表した。
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