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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2016年04月05日17時43分掲載
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広瀬隆著『クラウゼヴィッツの暗号文』を読む 根本行雄
安倍自民党政権の暴走が続いている。アベノミクスという彼の経済政策は失敗しているが、まだ、それが明々白々とはなっていないので、依然として暴走を続けている。広瀬隆は、『東京に原発を!』(集英社文庫)、『眠れない話』(新潮文庫)など、反原発関連の著書でよく知られているノンフィクション作家である。彼には、『クラウゼヴィッツの暗号文』(新潮文庫)というユニークな反戦平和論の著書がある。戦争とアベノミクスとの関連について考えてみたい。
広瀬隆は、『東京に原発を!』(集英社文庫)、『眠れない話』(新潮文庫)など、反原発関連の著書でよく知られているノンフィクション作家である。彼には、『クラウゼヴィッツの暗号文』(新潮文庫)というユニークな反戦平和論の著書がある。この本は、題名の通り、実際の戦争の歴史と、クラウゼヴィッツ著『戦争論』、この2つを手がかりに、「人はなぜ戦争をするのか」という謎を解こうとし、それを解明したという内容のものである。
特に、この本をユニークにしているものは、広瀬が「第二次大戦後の新聞と書物をしらべることによって、ある年にどのような戦争が発生したかを知り、一年につき一枚ずつの戦記地図を作ってみ」(28ページ)たことだ。そして、彼は1945年から1991年までの、「足かけ四十七年分、四十七枚の地図」を完成させた。そして、「この四十七葉の地図を眺めるうち、その連続性のなかに、読者はひとつの事実を発見するからである。多くの人にとっては、予期しなかった驚くべき事実であろう。」(29ページ)と述べるに到る。
広瀬はこの本において、「人は何を用いて戦争をするのか」、「人は何を用いて虐殺したのか」、「人は誰の指図を受けて戦争するのか」と、次々に、問いを立てていく。そして、「武器は、先進国で生産され、第三世界へ流れている。」(202ページ)、「われわれが国防予算につぎ込んでいる金が軍人産業を太らせ、死の商人を肥やしている」(202ページ)ということを明らかにする。 「1991年現在わが国では、わずか二十四時間で、百二十億円が軍事費に消費されている。これは一日の出来事である。一年には三六五日が経過し、五人家族が平均十八万円を支払うまでに大成長した。(略)GNPの1パーセントと言われるが、国家予算の一般歳出の中では一割に近いのだ。」(328ページ) 「これらの金のおよそ四十パーセントが人件費で、軍人の豪華な生活に食われている。ダレスだけでなく、軍人はどこの国でも職業である。」(328ページ) 「かつて海軍工廠だった佐世保重工、国産ミサイルの設計・組立てをおこなう三菱重工、ミサイル用ロケット・モーターを製造する日産自動車、原子力部品と装置類、プルトニウムを海外に送る全土の原子力発電所と研究施設、潜水艦とミサイルを生産する川崎重工、爆撃機用エンジンのトップ・メーカー石川島播磨重工、爆撃機用高級特殊鋼をボーイング社に納める日立金属、砲弾やロケット弾を作るダイキン工業、ミサイルの誘導機器を製造する東京芝浦電気、タンクや砲弾を量産する小松製作所、世界に四社しかないと言われるミサイル・ノズルのメーカー東洋炭素。 日本石油、富士通、日本電気、沖電気工業、日立造船、三井造船、日本油脂、三菱電機、旭精機、新明和工業、旭化成、リコー時計、いすゞ自動車、藤倉ゴム、ティアック、日本グッドイアー、・・・ このあとに数百社、数千社の大中小企業が続く。平和と言われながら、数え切れないほどの社名が続く。その製品は全世界の基地に配備され、戦場へ運ばれ、使用されている。」(328-329ページ) 「人はなぜ戦争をするのか」という謎についての広瀬の回答は、「その答えは、戦争をめざす”意志”にある。しばしば戦争は、逃れられない”人間の性”であるかのように語られてきた。しかしそうではない。クラウゼヴィッツの言葉は、真実ではなかったのである。いかなる紛争でも、その仕掛け人を明らかにしてみれば、好戦的な意志を持つ人物が浮かび上がってくるはずだ。第二次大戦後の四十七年戦争史とは、四十七年扇動史だったと言ってもよい。戦争は、人間の性によるものではない。」(323ページ)だから、「人間の意志によって戦争が起こり、意志によって平和が訪れる」(322ページ)のである。 「彼ら政治家と軍人は、クラウゼヴィッツの亡霊である。この人間たちは、すべての人類ではなく、ひと握りの人間にすぎない。権力によって人を支配しようと目論む野心家たちだ。」(309ページ)この本は、政治家と軍人が戦争を引き起こす元凶だということを明確にしている。そして、軍需産業は私たちが生活をしている資本主義社会に深く深く浸透していることを明確にしている。
クラウゼヴィッツの『戦争論』については、いろいろと学ぶところがあるが、今回は、「戦争とは、政治的手段とは異なる手段をもって継続される政治にほかならない」(14ページ 篠田英雄訳 岩波文庫)、ここに注目しておきたい。戦争は政治と密接につながっている。政治と無関係な戦争はないということである。ネモトは初めて、この文章を読んだとき、蒙を啓かれた感じがした。じつに、卓見であると思う。
2013年12月に、「国家機密法」を成立させた自民党・安倍政権は「解釈改憲」路線を暴走し続け、昨年5月に、自衛隊法など既存の10法を一括して改正する「平和安全法制整備法案」と新設の「国際平和支援法案」を国会に提出し、これらの法案を成立させた。その理由は、安倍・自民党政権は戦争で儲けようとする「死の商人」の代理人であり、代弁者だからである。 「軍隊では平和はつくれない。軍隊は国民を守らない。」それだけではない。安倍・自民党政権のしていることは、憲法9条を形骸化させ、自衛隊という軍隊を合法化し、巨額の軍事費を正当化し、軍需産業を正当化し、戦争を引き起こすことによって利益を得ようとしているのだ。そして、私たちの納入する税金を奪い取り、やがては、わたしたちの生命をも、戦争を引き起こすことによって奪い取ろうとするものである。安倍・自民党政権は、軍需産業によって利益を得ようという集団、好戦的な人々の代理を務めているのだ。
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