・読者登録
・団体購読のご案内
・「編集委員会会員」を募集
橋本勝21世紀風刺絵日記
記事スタイル
・コラム
・みる・よむ・きく
・インタビュー
・解説
・こぼれ話
特集
・国際
・農と食
・教育
・文化
・アジア
・入管
・中国
・市民活動
・米国
・欧州
・みる・よむ・きく
・核・原子力
・検証・メディア
・反戦・平和
・外国人労働者
・司法
・国際
・イスラエル/パレスチナ
・市民活動告知板
・人権/反差別/司法
・沖縄/日米安保
・難民
・医療/健康
・環境
・中東
提携・契約メディア
・AIニュース
・司法
・マニラ新聞
・TUP速報
・じゃかるた新聞
・Agence Global
・Japan Focus
・Foreign Policy In Focus
・星日報
Time Line
・2024年11月22日
・2024年11月21日
・2024年11月20日
・2024年11月18日
・2024年11月17日
・2024年11月16日
・2024年11月15日
・2024年11月14日
・2024年11月13日
・2024年11月12日
|
|
2016年05月28日10時21分掲載
無料記事
印刷用
安倍政権を検証する
安倍首相「アベノミクス3本の矢をまさに今度は世界で展開していきたい」
伊勢志摩で行われたG7のサミットで、安倍首相が記者に語った言葉に驚いた人は少なくないだろう。
「アベノミクス3本の矢をまさに今度は世界で展開していきたい」
安倍首相の牽引してきたアベノミクスは日本国内で昨今、それが失敗だったことがすでに誰の目にも明らかになったからだ。いかに市場に円を大量に注いでも消費は低迷し、産業空洞化の傾向を変えることもできず、財政赤字は広がる一途である。デフレ1つ解消できなかったのだ。首相の盟友である産経新聞ですら「アベノミクス、いつになったら効果出る? 消費者物価2カ月連続下落 4月、マイナス0・3%」という見出しの記事を出したばかりである。
しかもその前段として、安倍首相はG7のメンバーに世界経済がリーマンショック前夜にある、とリーマンショックの文字が記された資料を何枚も提示して示唆したという。
リーマンショックが起きたのは住宅債権の問題にからむ金融危機だったが、今世界で起きているのは中国経済の鈍化に過ぎない。構造は異なっている。ところが安倍首相は世界経済がリーマンショック前夜にあると示唆した上で、日本国内だけでも効果が疑わしいアベノミクスを、世界経済の特効薬であるかのようにサミットの場でとくとくと記者に語る。外国首脳たちからはそうした安倍首相の決めつけに異論が出たのは当たり前のことだ。
というのも、安倍首相の真意には2014年に落ち目となった自民党を立て直すために消費税増税時期を巡って解散総選挙を行った経緯がある。その時に公約にした消費税増税の時期である2017年が近づいているのだ。もし公約を守れば選挙で勝てない。そこで公約を反故にするために「リーマンショック」や「地震」などを持ち出しているのである。そのことは外国の首脳たちには見え見えだったろう。英国のフィナンシャルタイムズやタイムズ紙でも、アメリカのブルームバーグでも、議長国である日本の安倍首相の世界経済の見通しはG7の首脳陣から懐疑的に受け取られたことが記されている。またニューヨークタイムズのサミットに関する記事では安倍首相が売り込もうとしているアベノミクスの好ましい結果が未だに出ていないことが明記されている。
要するに夏の参院選のための国内PRが安倍首相の狙いだったのである。そのことは先進国の首脳たちには明白に見えていた。このような予定調和の内容に、巨額を費やして行うG7はいったい何のための会議なのか?日本での選挙のためのアピールの場に過ぎないのだとしたら、G7のサミットなどやらない方がよい。G7サミットは自民党が選挙で勝つことを目的としたパーティではないはずだ。
実際にはG7で共通認識とされているのは世界で格差が広がっており、その解消のためには中流層を底上げして増やさなくてはならない、という認識である。これはオバマ政権が2009年以来掲げてきた認識であり、目標である。しかし、安倍首相の推進してきたアベノミクスはそれと反対にグローバル大企業だけに利益が上がる政策であり、貧富の格差を拡大しただけだった。
リーマンショックという米金融の腐敗、アベノミクスの失敗、2014年の解散総選挙の理由の欺瞞・・・このサミットで見えてくるのは自己の欲求のために政治のリソースをすべて自由にもてあそぶ安倍政権の驕りである。その異常さを安倍首相はすでに認識する能力がなくなっているようだ。その背後にあるのは首相開催の夕食会を通して統制されたマスメディアの退廃であろう。安倍首相の言動を批判的に語るメディアもあるが、その語り方があまりにもつましいことだ。
|
転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。
|
|
|