自民党の党文化科学部(木原稔会長)は、公式のホームページで、6月下旬から7月18日まで、全国の高校などで行われた授業のうち「政治的中立を逸脱する例」の投稿を募った。「いつ、だれが、なにを、どのように」語ったかを密告させたのだ。むろん、安保法制や強制連行や辺野古移転など、また格差の拡大などの語りも「中立」ではないとみなされよう。「相当な件数」の事例が集まったという。自民党はこの「調査結果」を文科省に報告する一方、「政治的中立を逸脱」した高校教員に罰則を課せるるような法改正を検討するという。木原稔の勇み足なのか、安倍晋三も承知なのか。
戦前昭和の日本、ナチス、スターリン支配下のソ連のような、権力への密告による言論統制である。安倍政権が明瞭に全体主義に傾むく兆しのうちでも、これは最も危険視すべき動きにほかならず、決して許してはならない。権力に「中立」を判定させてはならない。これが見過ごされれば、今ですら萎縮しがちな教師たちのいっそうの自粛、各地の教育委員会などの「無難な」追随を、かならず引きおこすからだ。野党は木原稔を国会に喚問せよ。調査結果を破棄させよ。弁護士会は憲法違反の告訴を考えよ、労働組合、わけても教育労働運動は今度こそ非妥協的に抗う営みをはじめよ。
熊沢誠(甲南大学名誉教授 労使関係論)
※熊沢氏のFacebookページからの転載です
■「同一労働同一賃金」−その日本的なハードルを超えて 熊沢誠(甲南大学名誉教授 労使関係論)
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■『家族という病』の耐えられない軽さ 熊沢誠(甲南大学名誉教授 労使関係論)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201509011252472
■「かならず変わる」 熊沢誠(甲南大学名誉教授)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201507210918432
■「まだ廃案に追い込める」 〜地方の動きから〜 熊沢誠(甲南大学名誉教授・労使関係論)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201507201103581
■『私の労働研究』−著者自身による広告 熊沢誠(甲南大学名誉教授・労使関係論)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201509032230294
■情勢論 熊沢誠(甲南大学名誉教授・労使関係論)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201511232055521
■「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」 熊沢誠(甲南大学名誉教授・労使関係論)
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■このところ私が関わった刊行について 熊沢誠(甲南大学名誉教授・労使関係論)
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■「同一価値労働同一賃金」(ペイ・エクイティ)を考慮しない「同一労働同一賃金」論など、なにも言ったことにならない 熊沢誠(甲南大学名誉教授 労使関係論)
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■6月26日午後2時、三重県四日市の市民は、「戦争させるな、憲法壊すな!」の行動に起つ 熊沢誠(甲南大学名誉教授 労使関係論)
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