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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2016年09月08日21時14分掲載
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中国
三十路女子の北京的生活(5)〜北京での家探し
先日、理由あって引っ越ししました。北京に住み始めて丸4年が経ちましたが、これまでに2回引っ越ししたので、現在の家で3軒目になります。その2回の引っ越しは、どちらも自分の希望ではなく、やむを得ず出ていかなければならなかったのです。
最初の引っ越しは、北京に住んで2年が経ち、そろそろ契約更新という時期でした。その頃、「もうすぐ不動産価格が値下がるかもしれない」という噂が流れたからか、大家さんから突然、「賃貸ではなく、今のうちに売ってしまいたい。契約の切れる今月中(残り3週間)に出ていってほしい」と言われたのです。中国人に言わせると「中国ではよくあること」らしいのですが、さすがに困惑しました。 それからは、とにかく時間がないので、毎日必死で家探しの日々。中国では、大家さんが決まった仲介業者と契約しているわけではなく、同じ物件を複数の会社で争っている状態です。契約をとれた会社は、大家さんから1か月分の家賃をもらえる仕組みらしく、私たちが家探しをしていると、あちこちの不動産屋からしつこく声をかけられたり、後をつけられたり、知らない不動産屋の電話番号から電話がかかってきたり、しまいには目の前で不動産屋同士が客(私たち)を奪い合って喧嘩を始めたり・・・と、大変な騒ぎでした。
そして無事、引っ越し先が決まり、大家さんも代わったのですが、住み始めて2年が経とうとしていたある日、「前の大家さんは毎年『家賃を値上げする』と言ったり、横暴で大変だったけど、今回の大家さんはいい人だから安心」と思っていたところ、またもや突然、大家さんから「申し訳ないけど、出て行ってほしい」と言われてしまったのです。私は「事業にでも失敗して、急にお金が必要になったのかな」と思ったのですが、聞くと、なんと「新しく良い物件を見つけて、そこを買いたいから」と言うのです。 中国では、1人が持てる物件の数に上限があるらしく、我が家の大家さんは、どこかの物件を手放さないと新たな物件を買えない上限に達していたのです。そして、新しい物件を既に予約して手付金も払ったから、「あとはあなたたちが引っ越して、違う人に売ればOK」とのこと。「土地ころがし」ならぬ「マンションころがし」です。 慌てて知り合いの不動産屋に連絡すると、今、北京の不動産は不動産バブルの再来という大変な状態になっていて、今年の春節(2月)以降、政府がローンを組み立て易くしたなどの理由で、また買う人が増えているのだそうです。
「いつまでこんなことが続くんだろう」と、いい加減疲れますが、とにかく急いで家を探さなければなりません。また家探しの毎日になったわけですが、加えて、疲れる理由がもう1つ。自分たちの引っ越し先を探さなければいけないのと同時に、今、家探しをしている人たちが、売りに出された私たちの部屋を見学に来るので、なぜかその対応までしなければいけないのです。 まだ私たちが住んでいるにも関わらず、連日朝から晩まで見学に来ます。しかも、こちらの都合もお構いなしに、事前の連絡も無しに突然知らない不動産屋と見学者が訪ねてきたり、中には夜の10時半過ぎに「家を見せろ」と言ってくる人、洗濯物を干しているときに突然来て、「部屋の写真を撮りたいから、洗濯物をどけろ」という失礼な人たちもいます。毎日こんなことが続くのですから、本当に疲れます。
でも、大変なのは我が家だけではないようです。知人からは「住んでいたマンションの管理会社が投資に失敗し、住人たちが部屋を出て行かなければいけないことになったけれど、事前に納入した分の家賃が返金されない」とか、「契約書にサインしたにも関わらず、その後に大家さんから『もっといい家賃で借りてくれる人が見つかったから、あななたちに貸すのは止めた』と言われた」という話も聞きました。 北京では、毎年家賃が上がっている状態で、上がり幅も大きいので、それとの闘いでもあります。部屋を見ていても「え?この部屋で、この家賃?」と驚くことばかりです。入居前に掃除も修理もされない状態で借りることも多々あります。また、家賃を上げるために、2年おきくらいで住んでいる人を追い出す大家さんも少なくないそうです。 2回の引っ越しを経験し、北京での家探しは本当に大変だと、つくづく感じます。(アキコ)
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路上で客を待つ不動産屋の人たち
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