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2016年09月11日15時42分掲載
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国際
オーストラリアで先住民族未成年者に対する司法差別 少年院送りが非先住民の22倍
オーストラリア東部クイーンズランド州の少年司法のもとでは、先住民族の未成年者(18歳未満)が犯罪者とされる確率が、非先住民に比べきわめて高いことが、国際人権団体アムネスティの調査で分かった。統計によれば、クイーンズランドで少年院に入れられる先住民族の子どもは非先住民の22倍、特に少女は、33倍という恐るべき数字を示している。
アムネスティ国際ニュースは以下のように報じている。
オーストラリア東部クイーンズランド州の少年司法のもとでは、先住民族の未成年者(18歳未満)が犯罪者とされる確率が、非先住民に比べきわめて高い。州政府は、司法制度を全面的に見直し、先住民族の子どもたちの権利を守るべきである。アムネスティ・インターナショナルは、8月31日に公表した報告書の中でそう述べた。
報告書は8月31日、州都ブリスベンの議会で発表された。
州政府は改革の必要性を認めているものの、取り組むべき課題は多い。特に、先住民族主導の改革を進めていくことは、次の世代の先住民族の子どもたちが、少年院に入れられないようにする上で、きわめて重要である。
同州は10才や11才の子どもを拘禁し、未成年者に対する裁判前・判決前の拘禁も行われている。これらは国際法および国際基準の明らかな違反である。未成年者の多くが、アボリジニやトレス海峡諸島の先住民族だ。これは歴史的に続く差別によるもので、州政府はこの差別に対する対策を打ってこなかった。
何十年もの間、先住民族の子どもたちは、しばしば少年司法の原則に反し子どもの最善の利益を後回しにする刑事司法制度の、犠牲者だった。
近年、州政府が講じている対策は評価に値するが、アムネスティの今回の調査で、さらなる対策が必要であることが明白となった。
先住民族主体の取り組みを支援することにより、国際法や子ども権利条約に準拠した司法制度を整備することが可能になる。
現在のところ、州政府では、法に触れる未成年者の問題を扱う16の団体に資金を出しているが、そのうち先住民族の団体はわずか1つだ。統計によれば、クイーンズランドで少年院に入れられる先住民族の子どもは非先住民の22倍で、明らかに多過ぎである。
特に少女は、33倍という恐るべき数字を示している。
クイーンズランド州は、未成年者の裁判前・判決前拘禁も国内で最も高い。これは保釈が認められていないことを意味する。拘禁されている子どものうち83パーセントが裁判前や判決前の拘禁で、その3分の2が先住民族である。
国際法および国際基準では、未成年の裁判前拘禁は速やかに解かれるべきであり、勾留がやむを得ない場合も、可能な限り最短であることが求められている。
また、オーストラリアでは同州だけがいまだに17才を成人として裁判にかけ、成人と同じ過酷な刑務所に収監している。
同国では先住民族の団体をはじめとする市民団体が、さまざまなやり方でこの問題に取り組んでいる。このような時こそ、クイーンズランド州政府は、先住民族社会を不当に差別した過去と決別する好機である。今こそ、この問題を解決し、子どもたちが希望を持てる未来に向けて取り組むべきである。
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