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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2016年10月07日12時29分掲載
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国際
【AIニュース】スーダンで化学兵器による攻撃で住民数百人が犠牲に アムネスティの調査で判明
国際人権団体アムネスティの調べで、スーダン政府が過去8カ月間、ダルフール郊外のマーラ山地の住民に対し化学兵器とみられる攻撃を繰り返してきたことが判明した。衛星画像、被害者の聞き取り、専門家による負傷した乳幼児の写真分析などから、1月以降、この地域で、化学兵器とみられる攻撃が少なくとも30回あったと見られる。直近は、9月9日だった。
アムネスティ国際ニュースは以下のように報じている。
攻撃の規模と残虐性は、筆舌しがたい。調査の過程で目にした画像や映像は、あまりにショッキングだった。幼児が痛みで泣き叫びながら死んでいく。複数の幼児の体が、病斑と水泡に覆われていた。呼吸困難で、吐血する子どももいた。 これらの化学物質が人体に接すると、いかに悲惨な結果を招くか、想像を絶する。化学兵器は、身体に及ぼす影響があまりに甚大なため、過去数十年間、使用が禁止されてきた。スーダンが市民に化学兵器を何度も使ってきたことは、看過できない。すぐに行動を起こす必要がある。
被害者やその介護にあたる人びとの話から、化学兵器で死亡した人数は、200人から250人で犠牲者の多くは子どもだと思われる。 生き残った数百人も、時間の経過とともに化学物質の影響でさまざまな症状で苦しんでいる。吐血や下痢をともなう胃腸の不調、硬直・変色・はく離がともなう皮膚の水ぶくれと発疹、視力低下・喪失につながる目の疾患、致死率が高い呼吸器疾患などだ。
ある20代の女性は、投下された爆弾の破片で負傷した。彼女と赤ん坊は病気になり、半年後の今も、後遺症に苦しんでいる。
「爆弾が落ちたとき、炎と煙が上がった。すぐに吐き気とめまいがした。私の皮膚は正常ではない。今も頭痛がして、薬を飲んでも治らない。赤ん坊は回復していない。むくんで、水泡と傷がある。良くなると言われたのに」
30代の別の女性は、爆撃時、ブーロの村で子どもと自宅にいた。その話によると、何発かの爆弾が黒い煙を出し、その後青い色に変わったのを見た。
「数発の爆弾が、村と周辺に落とされた。多くの子どもが、その煙のせいで具合が悪くなり、嘔吐と下痢、咳もひどかった。皮膚はやけどしたように黒くなった」
被害者の話によると、薬が手に入らず、塩、ライム、薬草を混ぜたものを治療に使っている。 自分の村と近隣の村で、負傷した住民の介護をする男性にも話を聞いた。彼は、皆が化学物質の被害を被ったと考えている。2003年にマーラ山地で紛争が始まって以来ずっと、負傷者の世話を手伝ってきたが、今回のような症状は初めてだという。
化学物質に晒されてから1カ月以内に、彼が介護にあたっていた19人が死亡した。死亡した人たち全員の皮膚に、大きな変化が見られた。およそ半数の人びとは、傷が緑に変化し、残りは皮膚がはがれ落ち、じくじくした水泡ができていた。
化学兵器は、航空機やロケット弾から落とされた爆弾に搭載されていたと思われる。目撃者によると、爆発時に放出された煙は、5分から10分後に色が変わった。最初は真っ黒、その後明るい色になったという。その匂いは、不快だったという。
アムネスティは、調査で得た情報を化学兵器専門家2人に示し、検証を依頼した。両者とも、情報からは、被害者は化学兵器の硫黄マスタード、ルイサイト、あるいは窒素マスタードなどびらん剤に晒された可能性が高いと結論付けた。
軍による化学兵器の使用は、ダルフール市民に対する国際法下の犯罪であり、政府が国際社会をないがしろにしていることの表れである。
化学兵器の使用は、戦争犯罪だ。アムネスティが収集した信頼性が高い情報は、政府が国際社会の報復を何ら恐れることなく、意図的に市民に攻撃を加えたことを示唆している。
スーダン解放軍が軍輸送団を待ち伏せし民間人を攻撃したという理由で、スーダン軍は1月、マーラ山地で彼らに大規模な軍事攻撃を開始した。問題の化学兵器とみられる攻撃は、この最中のことである。 攻撃開始以来8カ月間に、政府軍が住民とその家屋を故意に攻撃したという数多くの事例が報告された。 住民や人権監視員は、年初から半年、政府軍に殺害された市民367人の名前を提供した。多数の住民が、攻撃の影響による飢え、脱水症、治療不足で亡くなっている。
衛星画像を使い、アムネスティは、この8か月間の軍事行動で、171の村が破壊されたことを確認した。そのほとんどが、攻撃を受けたとき、対抗する組織だった武装勢力がいなかった。 攻撃では、ありとあらゆる人権侵害が行われた。住民を狙った爆撃、男女・子どもを問わない住民の殺りく、女性の拉致や強かん、強制立ち退き、略奪などだ。
これらの攻撃や襲撃の証拠は、双方向デジタルプラットフォームにまとめられて公開されている。この双方向デジタルプラットフォームは、SITU研究所がアムネスティと共同で立ち上げたものだ。 ダルフールでは、焦土作戦、集団レイプ、殺害、爆撃など今回と同じ戦争犯罪が、2004年にも行われている。この時、世界は初めて同国の現実を知ることになった。この地域では13年以上、暴力と破壊の連鎖が、変わらず続いている。ただ、世界は見ることをやめてしまった。
アフリカ連合と国連が合同任務で監視しているにもかかわらず、住民を保護する実効性ある対策が、何もなされてこなかった。和平交渉や合意は、ダルフールの人びとに何の安全も休息ももたらしていない。これまでのところ、国際社会の対応は嘆かわしいものだ。このように悲惨でいつ終わるとも知れない人権侵害を前にして、目を背けてはならない。
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