【10月19日「日ソ共同宣言」・12月26日「ソ連からの引揚終了」から60年/実態解明・遺骨収集の態勢強化を、国民的な追悼の集い実現へ/ロシアや関係国との共同調査・共同研究、記憶と歴史の共有へ、外交的な努力を】 ● 8/23「シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い」開催 1945年8月23日にソ連軍最高司令官スターリンの秘密指令で“シベリア抑留”が始まりましたが、今年もこの日、東京・国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で「シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い」を開催しました。台風の合間でしたが、全国から遺族・元抑留者・各党国会議員・ボランティアら約180人が参列、抑留犠牲者を追悼しました。 参列者の追悼の言葉や挨拶の中で、とくに強調されたことは、早期の実態解明と遺骨収集への体制強化と国が主体となる国民的な追悼式典の実現の必要でした。 2010年の「シベリア特措法」制定から6年が経過しましたが、求められていた実態解明はほとんど進んでいません。実態解明作業の実施主体が不明です。遺骨収集も年間160柱のペースでは、あと200年以上かかります。抜本的な見直しが必要です。
● 日ロ共同で実態解明・遺骨収集・追悼事業実施の実現へ 旧ソ連によって計画され、遂行された事件ですので、すべての資料はモスクワと旧ソ連各地にあります。墓地、埋葬地もあまりに多く、所在も広範です。日本から出張しての期間限定の調査や遺骨収集では限界があります。ロシア側の専門家・機関の主体的な参加、地元自治体やロシア軍関係者の全面的な協力・参加が不可欠です。 「象徴的な協力」ではなく、加害国として「過去への責任を果たす主体的な参加」が求められます。お願いして情報提供いただく・・・という関係ではなく、共同して調査や事業を実施していく関係に大きく改める必要があります。
● 10/19「日ソ共同宣言」60年記念の集い」を開催します 9月2日ウラジオストックでプーチン大統領と長時間会談した後、3日に安倍首相はウラジオストック空港近くの慰霊碑(アルチョム市)を訪れ、献花されました。 しかし、首脳会談でシベリア抑留についての言及はなかったようで、大変残念です。プーチン大統領は「すべての問題について忌憚なく意見を交換しよう」と言明しておられますので、抑留問題の実態解明・遺骨収集・慰霊事業の共同実施を提起されるよう強く求めます。 「日ソ共同宣言」から60年、「日ソ捕虜・収容者協定」から25年の今年プーチン大統領が来日されるこの時機に、シベリア抑留に関しても日ロで記憶と歴史の共有をはかり、和解の努力を重ねることは、未来に向けても大切です。皆様のご努力とご協力をお願いします。 10月19日は「日ソ共同宣言」60年の集いを、11月1日~6日には元抑留者が描いた貴重なスケッチや絵巻物の展示も行います。多くの皆様がぜひお越しくださいますよう呼びかけます。 <「日ソ共同宣言」60年記念の集い> 日時:10月19日(水)14:00~15:30 場所:衆議院第2議員会館第5会議室 内容:関係者による挨拶・問題提起
【情報&催し物案内】 ● ロシア・東欧学会(JSSEES)2016年合同研究大会シンポジウム「記憶の政治とシベリア抑留問題」 日時:10月30日(日)14:10~16:50、京都女子大学C501号室 報告 ・ 討論:富田武、薄井憲二、長嶺睦、袴田茂樹、藤本和貴夫。 連絡先:(E-mail):jarees_office@yahoo.co.jp
● 公開講座「日ソ共同宣言・シベリア抑留帰還60年―日ソ・日ロ関係と帰還者たちの歩み」 シベリア抑留にピリオドを打った1956年「日ソ共同宣言」が日本とソ連・ロシアの戦後に与えた政治的・外交的・社会的な意義と課題について考える。 また、昨年に続いて90歳を越える体験者の貴重な記憶と意見を聴き、抑留体験が戦後の個人史にどう反映したのかを考える。 抑留体験を父親や関係者から聴き、活字や漫画で伝える試みの意味と可能性を、執筆者を招いて考える。 会場は、大阪経済法科大学・東京麻布台セミナーハウス(港区・神谷町)
http://www.keiho-u.ac.jp/research/asia-pacific/ access.html 受講料=各回千円。どなたでも参加できます。 ① 10月8日(土)14:00 『日ソ共同宣言』60年目の課題―領土・平和条約・抑留解明―」 講師=下斗米伸夫(法政大学教授) ② 11月5日(土)14:00 「私のシベリア抑留体験―考古学者・加藤九祚さんに聞く―」 講師=加藤九祚(国立民族学博物館名誉教授) ③ 12月10日(土)14:00 「抑留体験の伝承と表現―体験はどこまで伝えられるか?―」 講師=おざわ・ゆき(漫画家)+山崎まゆみ(フリーライター) 申込・連絡先⇒大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター (Tel)03-5545-7789 (Fax)03-5545-7788
● シベリア抑留・BC級戦犯を考えるスケッチ・パネル展 ~捕虜・戦犯が体験した収容所・刑務所の風景・不条理の記憶 10月19日は「日ソ共同宣言」から60年です。鳩山一郎首相がモスクワを訪れ、11年間最後まで抑留されていた日本人捕虜・抑留者の帰還を実現させた歴史的な日付です。ソ連からの最後の引揚船が舞鶴に入港したのは60年前の12月26日でしたが、60年を経て、抑留の実態・経過はいまも十分解明されていません。 そこで、あまり知られていない、収容所・刑務所での抑留者・戦犯の様子を伝える貴重なスケッチ、絵巻物、写真、パネルなどを展示・公開します。体験者らの話を聞くギャラリートークやビデオ上映も行います。BC級戦犯・巣鴨刑務所の様子を伝える展示も併せて行います。 貴重な機会ですので、ぜひお越しください。 日時:11月1日(火)~11月6日(日)10:30~19:00 〔*オープニング 10月31日(月)17:00 *最終日 11月6日(日)は15:00まで〕 会場:千代田区立九段生涯学習館2F「九段ギャラリー」 (東京メトロ東西線・半蔵門線、都営地下鉄新宿線「九段下」駅下車6番出口すぐ前、千代田区九段南1-5-10)地図:http://www.kudan-ll.info/guide/info 主催:千代田・人権ネットワーク 共催:シベリア抑留者支援・記録センター + 「同進会」を応援する会 連絡先:(Tel)080-5079-5461(E-Mail):cfrtyo@gmail.com
● 11/6講演会「シベリア抑留体験を語る」 日時:11月6日(日)13:30 場所:札幌市生涯学習センター「ちえりあ」2F 中研修室2(地下鉄東西線「宮の沢」駅直結) 参加費:600円(予約不要) 講師:堀澄兄さん(抑留体験者、90歳) 《懇親会》抑留体験者・ご家族ほか、どなたでも参加可能 日時:12月3日(土)11:00~13:00 場所:札幌・センチュリーロイヤルホテル 会費:5,000円 予約締切:11月20日(日)まで 主催・問い合せ:シベリア抑留体験を語る会・札幌 (Tel)090-4871-9789(建部)
http://siveriasapporo.blog.fc2.com/
【短信・ご案内】 ● 嘉瀬誠次さんが吉川英治文化賞受賞 新潟県長岡市在住の元抑留者で花火師の嘉瀬誠次さん(94歳)に第50回「吉川英治文化賞」(3月3日発表)が贈られました。4月27日には「長岡市民大賞」も贈られました。 1948年帰国後、父とともに「三尺玉」を復活。鎮魂の花火「白菊」を1995年にハバロフスクで打ち上げるなど、花火をとおして世界に慰霊と平和の願いを発信し、人々に感動を与えたことが授賞理由。 元抑留者の「吉川英治文化賞」の受賞は、村山常雄さん(第40回)、遠藤尚次(第49回)さんに次いで3人目。おめでとうございました。 嘉瀬さんの仕事と人生は『白菊―伝説の花火師・嘉瀬誠次が捧げた鎮魂の花』(山崎まゆみ著、小学館、2014年)やテレビでも紹介されました(新潟放送制作、2015.1.3放送の『長岡花火のキセキ~白菊とフェニックス』は2015年度JNNネットワーク協議会賞大賞受賞)。 12月10日(土)には別記公開講座で同書著者の山崎さんが話してくださいます。 (嘉瀬さん略歴)http://www.city.nagaoka.niigata.jp/shisei/cate03/hyousyou/file/20160427.pdf
● 第2回「シベリア抑留記録 ・文化賞」選考中です 第2回「シベリア抑留記録・文化賞」の公募は9月30日で締め切りました。ご推薦ありがとうございました。10月中に発表予定で、次号に詳しい報告を掲載します。(事務局) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 編集・発行:ソ連による日本人捕虜・抑留被害者支援・記録センター ―捕虜・抑留体験を語り、聞き、書き、描いて、次の世代と世界に伝えよう!― 〒162-0823 東京都新宿区神楽河岸1-1 セントラルプラザ10階 TVACメールボックスNo.69 (Tel)03-3237-0217 (Fax)03-3237-0287 (E-mail)cfrtyo@gmail.com (URL)http://sdcpis.webnode.jp/ 郵便振替:00180-3-464926「シベリア抑留者支援センター」 (年会費=3000円・賛助会費=5000円) 会員・ボランティア募集中
|