世界の一線で活躍してきたパリの写真通信社MYOPに所属する報道写真家アラン・ケレール氏(Alain Keler)。彼は今、フォトジャーナリズムについての思いを「写真家の日誌」(Journal d'un photographe)として書き記しています。今回も前回に続いてハイチの取材写真から。
Journal d'un photographe / Leur histoire vient de basculer / Haiti / 02-1986. Lundi 10 fevrier 1986. Port au Prince.
ハイチの首都、ポルト・プランス。1986年2月10日月曜。
Je ne me souviens plus des circonstances, de cette photo, mais cela n’a aucune importance. C’est une scene de la rue dans une ville en proie a la violence, au pillage. Les haitiens sont tres croyants, qu’ils soient catholiques (la majorite), protestants, qu’ils pratiquent le vaudou, ou le catholicisme et le vaudou en meme temps, ce n’est pas un probleme. Je laisserai le soin aux specialistes d’en parler.
この写真をどのような状況で撮影したのかもう僕は覚えていない。だが、そんなことは大したことじゃない。この写真が撮られたのは暴力と略奪が日常になってしまった町だったのだ。ハイチの人々は非常に信心深い。カトリックであろうと(カトリックが大半だ)、プロテスタントであろうと、ブードゥーであろうと、あるいはカトリックとブードゥーの並存であろうと、そういったことは問題じゃない。それらのことはその道の専門家にまかせよう。
L’histoire, leur histoire vient de basculer. On aurait pu esperer pour le meilleur, si les hommes avaient l’intelligence de mettre leurs egos de cote. Je parle d’abord des politiques. Souvent, malheureusement, ce n’est pas l’interet general qui prevaut, mais le leur !
歴史は、ハイチの人々の歴史は破綻したばかりだった。もし人がよりよい生活を希望できるためには人々が自分のエゴをひとまず脇に置く、という知性を持たなくてはならない。僕がまずここで話しているのは政治についてだ。しかし、残念なことに、しばしば優先されるのは全体の利益ではなく、個々人の利益なんだ。
文・写真:アラン・ケレール(Alain Keler) パリの写真通信社,MYOPに所属 MYOPには報道写真家およそ20人が所属
■「写真家の日誌」 報道写真家、アラン・ケレール(Alain Keler) パリの写真通信社,MYOPに所属
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201610290253156
■ハン・ヨンスの写真 Photographs of Han Youngsoo 村上良太
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201507241828185 ■ハン・ヨンスの写真2 Photographs of Han Youngsoo 2 〜懐かしさの理由 Why do I feel nostalgia? 〜
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201508071129485
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