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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2016年11月09日12時47分掲載
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文化
イタリアの第一線のイラストレーター Davide Bonazzi (ダヴィデ・ボナッツィ) 氏のインタビュー 錯綜する世界をシンプルに表現して訴える
今、世界が抱えている様々な問題や事象を1枚の絵にする、これがイタリアのイラストレーター、Davide Bonazzi (ダヴィデ・ボナッツィ) さんの仕事です。ただし、それはクライアントの依頼を受けたプロとしての仕事です。私がボナッツィさんのイラストと出会ったのは最近のことですが、シンプルで美しいイラストだと思いました。現実の世界は錯綜して、その中に1本の線を見つけるのは簡単じゃないと思うのです。ボナッツィさんはどのようにしてイラストを描いているのでしょうか、インタビューを行いました。
1) Where do you live ? Please talk about the city.
I live in Bologna, Italy. It's a nice city full of historical and artistic statement, and it has an important cultural life. Not to mention its culinary tradition, that makes Bologna quite world-famous!
Q 今どこで暮らしていますか? 町のことを教えてください。
A ボローニャで暮らしています。ボローニャは歴史や芸術の色彩に富んでいます。ですから非常に文化的な生活を送ることができます。また料理においても世界的に知られているように、ボローニャには伝統料理があります。
2) Please talk about how and why you became illustrator.
I've always had a particular interest in visual design and in drawing on commission, and I liked the idea of being a freelance worker. When I was a student I realized I really wanted to become an illustrator for publishing and advertising rather than an author of picture books, a graphic novelist or another kind of visual artist. At that time I used to send my portfolio to art directors of Italian magazines and creative agencies. In that way I got the first significant collaborations that encourages me a lot to keep moving in that direction. Later I realized I couldn't support myself financially by working only for the Italian market, so I put all my efforts to reach the American and international market. Now I feel happy and grateful for what I'm doing in my life.
Q どのようにしてイラストレーターになったのか教えてください。
A 私は常に様々なクライアントから注文を受けて制作するビジュアルデザインやデッサンに強い関心がありました。そして、フリーランサーとして活動したいと思っていました。学生時代に私は絵本の作者や画像を使った物語作家、あるいはその他のビジュアルアーティストになるよりは、もっとシンプルにイラストレーターになりたいと思ったのです。出版や広告分野におけるイラストレーターです。その頃、私は自分の作品を詰めたポートフォリオをイタリアの雑誌や広告業界のディレクターたちに送っていました。そうして私は最初に共同制作に携わるチャンスを得て、この方面に参入することができたのです。しかし、その後、イタリアの市場だけでは食べていけない現実に気がつき、アメリカや世界のイラストの仕事を得るための努力を始めました。今ではイラストレーターになってよかったと思っています。
3) How did you master the technique? What did you learn when you were student?
Six or seven years ago my style was very different from now. I used to play with many techniques, mixing watercolors, pencils, digital collage of different papers. Final artworks were surprisingly rich, I still like that stuff but I quickly realized it was very difficult to work on commission with this kind of style. The process involved too many steps (drawing on paper, scanning, coloring with Photoshop, etc), and I became unsatisfied by working that way. So I started experimenting a simpler and cleaner style which could allow me to draw just with Photoshop and a Cintiq graphic tablet. This style gave me a lot of freedom and pleasure in drawing.
When I was a student I learned a lot of artistic techniques and many theoretical things about how to do illustrations, but the most important things are learned in the field, working everyday on several different subjects with experienced and clever art directors.
Q どのようにして技術を習得しましたか?学生時代に何を学びましたか?
A 6〜7年前の私のスタイルは今と全然違うものでした。以前は様々な技術を使っていました。水彩絵の具を混ぜ合わせたり、鉛筆を使ったり、デジタル技術を使ったコラージュを行ったりしましたし、使っていた画紙も様々でした。最終的な仕上がりはびっくりするぐらい豊かだったんです。私はそれが気に入っていたのです。それでも私は注文制作の現場ではこういうやり方はダメだとすぐに思いました。過程が多すぎて(鉛筆のデッサン、スキャン、フォトショップによる彩色などなど)、だんだんストレスを感じるようになりました。 そこでもっとシンプルで明快な制作方法に乗り出したんです。フォトショップに直接描き込んで色も画面でつけてしまうことです。この方法は私を随分自由にしてくれましたし、デッサンの喜びを与えてくれました。私が学生だった時は様々な芸術上のテクニックを学びましたし、たくさんのイラストに関する理論も学びました。しかし、一番大切なことは仕事場で実践の中で学ぶだのだと思います。日々の様々な課題を、経験豊かで賢明なアートディレクターたちとこなしていくことによってなのです。
4) Who do you admire as illustrator or artist?
I love the American Pop culture, Edward Hopper, the surrealism of Rene Magritte, and many contemporary illustrators such as Guy Billout, Beppe Giacobbe, Brian Stauffer, Mark Smith, Noma Bar, Shout, Emiliano Ponzi, Tatsuro Kiuchi, Adelchi Galloni, to mention a few.
Q イラストレーターでは誰を尊敬していますか?
A アメリカのポップカルチャーのエドワード・ホッパーや、シュールレアリストのルネ・マグリット、また現代のイラストレーターでたとえばGuy Billout, Beppe Giacobbe, Brian Stauffer, Mark Smith, Noma Bar, Shout, Emiliano Ponzi, Tatsuro Kiuchi, Adelchi Galloni,などですが、実際にはもっとたくさんいます。
5) What do you think about the lives of Italian today?
Today the scene of Italian contemporary illustration looks very much alive. It's plenty of illustration courses, cultural associations, talented young guns and well-known professionals that make the Italian school very much appreciated worldwide. However, the Italian cultural and economic market is still recession-bound, and many illustrators work mostly for foreign markets. Italy is very far from the splendor of the 60's-80's of the 20th century, when it was a leader in design, fashion, manufacture fields. While it's not "poor", Italy is pretty marginal compared to emerging countries.
Q 今日のイタリアでの生活についてはどうですか?
A 今日のイタリアのイラストレーターの世界は非常に生き生きとしていると思います。様々なコースがあり、文化的な組織があり、才能ある若者がおり、非常に著名なプロのイラストレーターが存在していて世界の中で高い評価を得ています。しかし、イタリアの文化および産業界のイラストの需要は未だに(欧州金融危機などの影響で)不況にあり、多くのイラストレーターは外国の仕事を受注している状況です。今日のイタリアは20世紀の60年代から80年代のような栄華から遠く隔たっているのです。当時のイタリアはデザインでもファッションでも工業生産でも世界をリードしていたのです。今日は貧しくとまではいかないにしても、新興の国々に比べると辺境に位置しているのです。
6) Please talk about your work from the start.
My work consists in doing illustrations on commissions for editorial, advertising, institutional projects, sometimes for video animations as well. I'm specialized in conceptual illustration so I always struggle to find interesting and mind-blowing visual metaphors that could fit the subject the client gave me. Once I got the brief, I do some sketches on paper in order to brainstorm and collect ideas. Then I select a few concepts and I draw them digitally in grayscale, and send them to the clients. After they choose their favorite, I drive the rough sketch to a final colored artwork.
One thing I love of this work is that gives me the opportunity to deal with different interesting subjects. My favorites are social issues, they give me the opportunity to face with the problems of contemporary society.
Q あなたの仕事を最初から順を追って教えていただけますか?そして代表作は何になりますか?
A 私の仕事は雑誌や広告、様々な組織が取り組むプロジェクト、時にはビデオアニメーションもありますが、これらのイラストを注文を受けて制作しています。私はアイデアを売りにする「コンセプチュアル」のイラストレーターです。ですからクライアントが求めるテーマに応じて、見て面白くて、しかも思考を刷新できるビジュアルな隠喩(メタファー)を求めていつも苦闘しています。ひとたびアイデアが生まれたら、紙にアイデアをいくつか試しに描いてみてブレインストーミングを行い、アイデアを集めます。そしてその中から2〜3のアイデアを選んでデジタル技術を使ってグレイスケールで描いてみます。それをクライアントに送るのです。クライアントが気に入ったものを選んだら、それを最終的にカラーの作品に定着します。この仕事の楽しいところとして、様々な面白いテーマに取り組めるということがあります。私がとくに好きなのは社会的なテーマです。社会的なテーマでイラストを描くことで私は今の社会が抱えている様々な問題を考える機会を得ることができるのですから。
7) In the future , what challenge do you want to do?
First of all, I'll keep focusing on my freelance activity. Then I will try to find some time to work at some personal illustrated projects I've been thinking about from years. It's hard to find the time to do everything!
Q 将来、どのような挑戦がありえますか?
A まず私はフリーランスとしての活動を続けていくつもりです。そしていつかは私のパーソナルなイラストレーションの企画に取り組む時間を得たいと思っています。これはもう何年も夢見ていることです。でも一度にすべてをすることはできないですからね。
インタビュー 村上良太 Ryota MURAKAMI
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■日本に関心を持つ売れっ子イラストレーター、ノーラ・クリューク(Nora Krug)
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イラストレーターのダヴィデ・ボナッツィさん(Davide Bonazzi)
コロンビア大学の学内誌に掲載された作品「普遍種」 The Cosmopolites. Client: Columbia University magazine
ボストングローブ紙に掲載した作品「米国への移民」Immigration to USA. Client: The Boston Globe
ボストングローブ紙に掲載した作品「ビニールへの回帰」Back to Vinyl. Client: The Boston Globe
ドイツのZeit紙に掲載した作品「世界の危機を乗り越える」Overcome the Global Crisis. Client: Die Zeit
発注を受けず自由に作った作品「自由」 Freedom. Personal work
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